第106話「魔王城到着」
真也は六天将ジズを討伐。
しかしまだ軍ではジズが放った合成魔獣に苦戦中。
上級大将を筆頭に対応。
「おらッ!!!」
豪快な剣技で合成魔獣を倒すのはボーギャン将軍。
「・・ちっ!1匹1匹が中々強いな。」
「ボーギャン将軍!!報告!!」
「どうした!?」
「先頭にてアズモンド・シンヤ少佐が六天将ジズを討ち取ったとのこと!!」
「なに!?・・・ふふ、さすがだ!!・・・お前ら聞けェェッ!!!」
ボーギャン将軍が馬鹿でかい声で叫ぶ。
「アズモンド少佐が六天将を討伐したッ!!我々も負けてられんぞッ!!気合を入れろッ!!!人間の力を見せつけてやれェェッ!!!」
「「「「おおおおおッ!!!」」」」
「六天将を倒したこと!全軍に伝えよッ!!」
ボーギャン将軍の鼓舞によって兵士たちが活気を取り戻す。
そして真也が六天将ジズを討伐したことは全軍に伝わった。
ドゴォォォォォォン!!!
バゴォォォォォォン!!!
各地で激しい戦闘が繰り広げられ、
「どりゃあああ!!!」
ゼルは身につけた風魔法を駆使して合成魔獣を倒し、
「『地獄火葬』!!」
パイロは魔法で合成魔獣を焼き払った。
「「(シンヤが六天将を倒した!負けてられない!)」」
ゼルとパイロは同時に心の中で思った。
一方その頃真也は・・・
「ううう・・・」
ジズとの戦闘で傷ついた兵士を回復していた。
「シンヤ、合成魔獣との戦闘はどうする?」
「・・・・・。」
すると真也は地面に手を触れ『索敵』を発動。
軍と戦っている合成魔獣の数を数える。
「・・・・今残っている合成魔獣は約150。軍も大分頑張ったな。このペースなら暫くすれば全部倒せる。」
「じゃあ僕らはここで待機だね。僕たちも負傷している兵士に手当をするよ。」
「ああ。」
—————それから1時間経過。
ついに軍は合成魔獣の大群を全て討伐に成功。
合成魔獣を片付けた軍が真也たち先頭に追い付く。
「遅くなったな!」
真也たちに声を掛けたのはボーギャン将軍。
「将軍。軍の兵力は?」
「最初は押されていたが、途中から大分盛り返したからな。残っている兵士は全部で約60万程度だ。」
案外大分残ったな。
この戦闘での死亡は数万程度か。
・・・・てか規模がデカいから数万でも少なく感じる。
これが戦争・・・麻痺してるな。
でも・・・
「これだけの兵力が残っている状態で城へ向かえるのなら・・・」
「我々の予想よりも多い兵力が残った!それはお前のお陰だ!アズモンド少佐!礼を言う!」
「この後はどうするんです?兵士たちは戦闘で疲弊してますが、ここで休みますか?」
「・・・いや、ここは既に魔王城から近い位置。迂闊にここで休む訳にもいかぬ。それに残りは六天将1匹と魔王のみ!これが最後の戦いだ!休まず全軍で城へ突入する!」
ボーギャン将軍の指示のもと、全軍城へ向けて出発。
遠くに見えていた城が段々と近づく。
—————そして、
ついに城の外壁へ到着。
妙に静かて異様な雰囲気。
城壁を抜け、丘を登った先に城がある。
しかし、
「なんだ・・・これ。」
外壁から一周するように半透明な赤い壁が囲っていた。
「これは・・・結界か?」
真也が赤い結界に近づき触ろうとする。
・・・だが、
「・・・あれ?」
すんなり結界の内側に入ることができた。
・・・どういうことだ?結界じゃないのか?
「特に害は無さそうだな。行くぞッ!!」
兵士たちが内側へ入ろうとすると、
バチッ!!!
「「「「うわっ!!!」」」」
侵入を拒むように兵士たちが弾かれる。
「やはりこれは結界なのか!?ではなぜアズモンド少佐は通れた?」
ボーギャン将軍が結界に触れる。
すると内側に入ることができた。
「俺は入れる?・・・どういうことだ?」
「・・・基準はなんだ?」
「我々も向かおう。」
カレンを先頭に88支部の面々が結界に近づく。
バチッ!!!
内側に入ることができたのはカレンのみ。
他は全員結界に阻まれた。
その後も次々と内側に入れる者を試す。
結果、結界の内側に入れたのは将官たちとジークとエルザのみだった。
この結界・・・・・
「すみません、失礼します。」
「?」
真也がボーギャン将軍を触り『分析』を発動。
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レベル:87
HP:21600
MP:530
攻撃力:3100
防御力:1500
素早さ:360
弱点:娘の泣き顔
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続いてカブリエル将軍を『分析』。
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レベル:85
HP:10520
MP:15660
攻撃力:350
防御力:720
素早さ:420
弱点:苦い薬
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一応カレンも『分析』。
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レベル:58
HP:11000
MP:1880
攻撃力:1610
防御力:850
素早さ:460
弱点:うねうねした虫
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「アズモンド!何を!?」
急に触られてビックリするカレン。
真也は一旦結界の外側に出る。
「ミランダさん、ちょっとすいません。」
「ん?」
真也はミランダに『分析』。
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レベル:40
HP:6530
MP:400
攻撃力:840
防御力:550
素早さ:280
弱点:カレンの寝顔
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やはり・・・レベル制限有の結界。
ミランダのレベルは40。これでも入れないってことは・・・予想ではレベル50以上でないと結界の内側には入れないという感じか。
レベル制限の結界とか・・・急にゲームっぽくなったな。
結界の内側に入ることができたのは合計で53人。
そのうち13人の将官は結界の外側で待機することとなった。
知らない将官も沢山いるが・・・まぁいいや。
それより将官の数が案外少ないことにびっくりした。
この世界でレベル50以上って希少なんだな・・・。
・・・沢山いたら今まで魔物に押されてなかったか。
こうして真也を含む40人が城へと潜入することになった。