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第104話「成長の自覚」


ドラゴンたちが真也に向かってブレスを放つ。

だが真也は向かってくるブレスに対して華麗に躱す。



「残り4匹・・・」


「ギャアーーーオッ!!」



1匹のドラゴンが勢いよく突進。



・・・試させてもらうか。



真也はドラゴンの突進をわざと受ける為に両手でドラゴンの体を押さえた。



「・・・ぐ・・ぬぬ・・・」



突進の勢いで少し後方へ下がったが・・・見事突進を素手で受けきった。



・・・てかなんで今まで気付かなかったんだろう。

東部で何十万ってアンデッドを倒した時だって、よくよく考えてみたらあんな数を魔法で倒すのに相当なMPが必要だ。

正直、ここに来たばかりのMPじゃ足りなかった。

でもあの時は何故か出来るって思ったんだよな。

・・・この世界の魔物のステータスは今までの異世界よりも断然高い。つまり・・・一度に貰える経験値も高いってこと。

・・・俺はレベル275から全然上がらないだろうって先入観を持っていたわけか。



ズバァァン!!!



真也は剣でドラゴンの翼を斬る。

片翼を失ったドラゴンはバランスを崩した。

態勢を崩した隙を真也は突く。



「『魔力散弾(ショットガン)』。」



手の平から大量の魔力弾を撃つ。



「ギャアオッ!!!」



ズバンッ!!!ズバンッ!!!



真也の剣技が炸裂。

ドラゴンを縦横に斬り、ドラゴンの体がパックリと割れた。

そして下へと落下していく。



レベル100オーバーの敵と対峙するのは初めてだが・・・余裕でイケる。



「ギャアァーーーーオッ!!!」



残り3匹のドラゴンが一斉に真也に襲い掛かる。



一方その頃、地上では・・・




「怯むなッ!!戦えッ!!!」



軍は六天将ジズが放った合成魔獣(キメラ)500匹と交戦中。

合成魔獣(キメラ)1匹が護衛団に近い力を有している為、次々と兵士たちがやられていく。

上級大将の3人や他の将官たちも合成魔獣(キメラ)の対応に追われていた。

そして軍の先頭にいるカレンたちは・・・



「・・・ハァ・・ハァ・・・」


「ホホホ。なんじゃ、もう終いか?」



カレンたちは六天将ジズに苦戦。

ジズに迫るも転移魔法ですぐに逃げられ、代わりに兵士がジズの立っている位置に転移させられて同士討ち。

又、ジズが触れた兵士は転移魔法によって上空へ移動させられ、そのまま地面へ落下させられて死亡。



カレンたちはウィルティンらに『解放(リベレイション)』をかけてもらい、ジズの転移魔法から逃れることができた。

しかし、レイネス・マーベルが重傷を負ってしまった。



「迂闊に近づけない・・・近づいて奴に触られたらマズイ。」


「やああああッ!!!」



ジズに対して果敢に攻める男がいた。

それは・・・ジーク。



「ホホホ、やはりお主は他の人間と違うの。儂に全く臆さない。」


「僕は勇者だ!悪に臆する訳にはいかないッ!!」



ジークが攻撃を仕掛けるも、ジズは身代わりとして兵士を自身の前に転移。

ジークは人並外れた反射神経で振った剣を兵士の眼前でビタッと止める。



「くっ!!」


「ホホホ。臆さないのは素晴らしいことだが、それでは儂に触れることはできんの。」


「この卑怯者が!!」



ジークがジズに剣を振るも転移魔法で一瞬にして別の場所へ移動。

剣が空を切る。



「軍は儂の合成魔獣(キメラ)に大分苦戦しておるようじゃな。元々は奴を倒す為に作ったのだが・・・これで人間の数を減らしてくれれば問題あるまい。」



ジークは大技を撃てることは撃てるが・・・転移魔法による身代わりを考慮し、撃てずにいた。



「(・・・一体どうすれば・・・くそ・・・)」



ジークが何か打開策を考えていた・・・その時、



ドォォーーーーーン!!!



「「「「ッ!?」」」」



空から何かが降ってきて地面に落ちた。



「なんじゃ?・・・・ッ!?」



地面に落ちたのは何かの塊。

よく見るとそれは・・・・ドラゴンの死骸であった。



「なッ!?まさか・・・奴か!?」



ジズは上を見上げる。

すると・・・



ドォォーーン!!!ドォォーーン!!!



次々と空からバラバラになったドラゴンの死骸が落ちてきた。



「馬鹿な・・・・」



暫くすると真也が下へと降りてくる。



「シンヤ!!」


「竜を倒したじゃと・・・それも・・・5匹を・・・」



真也は周囲を見渡し現状を把握。

レイネスとマーベルが倒れていることにも気づく。



「・・・やってくれたなお前。」


「儂の計算ではお主は竜5匹を相手にして勝てない筈じゃ!」


「んじゃその計算が間違ってたな。それより・・・・」



真也がジズを睨みつける。



「俺の仲間を傷つけやがって・・・」



拳を握りしめ、真也はジズに高速で向かっていく。



「・・・ホホホ。」


「ダメだ!!シンヤ!!」



拳を振りかぶると、その瞬間にジズの姿が消え、身代わりとなる兵士が転移された。

真也はギリギリ味方を殴る前に拳を止める。



「・・・こういうやり方か。」


「ホホホ。お主の速さでは儂を捉えることはできんぞ。」


「六天将っていう割には・・・逃げ腰かよ。」


「なんじゃと?」


「幻術でもそう、合成魔獣(キメラ)もドラゴンもそう、お前は自分から戦うことは全然しないんだな。」


「それも戦法。じゃが・・・そこでほれ、のびてる奴は儂自らがやったんじゃぞ。」



ジズは倒れているレイネスを指さす。



・・・死んではいないか。



「今さっき言ったようにお主の速度では儂を捉えることはできん。」


「・・・・どうかな。」

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