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第102話「六天将ジズ登場」


軍は魔王城へ向けて進む。

暫く進んでいると・・・



「・・・待て!」



カレンが静止の合図を送る。

軍は一時停止。

すると前方に人影が見える。



「・・・あれは?」


「ホホホ、あの幻術を抜けてくるとは大したものじゃの。」


「なんだ?・・・爺さん?」


「貴様があの幻術を展開させたのか?」


「ホホホ、その通りじゃ。」


「・・・何者だ?貴様。」



老人が口を開く。



「・・・儂は偉大なる魔王様の配下、六天将のジズじゃ。」


「「「「六天将!?」」」」



軍の前に現れた老人は六天将ジズ。

見た目は杖をついているよぼよぼの老人。



この爺さんが六天将・・・

力があるようには見えないが・・・

・・・試すか。



真也は一瞬にして軍から抜け出しジズに接近。

拳を当てに行く。

・・・しかし、



「!?」



当てたと思った拳が空を切る。

ジズはいつの間にか立っていた位置よりも後ろに移動していた。



・・・転移魔法か。



「ホホホ、お主のことはよく知っておる。観察しておったからの。」


「観察?」


「護衛団とやり合った時やフルーレとの戦いなどをな。お主の力量は大体予想済みじゃ。・・・お主が人間の中で一番厄介な存在ということも承知しておる。だから・・・」


「!?」



突如ジズの両脇に異空間が開く。

その異空間から次々と得体の知れない魔物が出現。



「・・・な、なんだこいつら!?」


「こんな魔物見たことが無い・・・」


「・・・長い時間をかけてあらゆる魔物を合成し、お主を倒すためだけに作り上げた儂の兵士じゃ。是非手合わせしてもらいたいの。」



・・・合成魔獣(キメラ)か。



ジズが開けた異空間から依然魔物が出てくる。



「・・・な、何匹いるんだよ!」


「そうじゃな・・・沢山作ったから覚えておらんの。」



最後の1体が出てきた瞬間、異空間が閉じる。

六天将ジズが作った合成魔獣(キメラ)の数は約500。



「狙いは奴じゃ。」



ジズが真也へ向けて指をさす。

合成魔獣(キメラ)たちの目線が真也に集まる。



「・・・と言いたいところじゃが、儂の予想よりもここまで辿り着く人間が多く残ってしまった。」


「?」


「だから作戦変更じゃ。残ってる人間どもを・・・・消せ。」


「「「「ウガァァァァッ!!!」」」」



突如合成魔獣(キメラ)たちが咆哮を上げる。

そして合成魔獣(キメラ)たちは各方向へ散った。



「なッ!?」


「ウガァァァァ!!」


「「「「ぐああああ!!!」」」」



合成魔獣(キメラ)は後方にいる兵士たちに襲い掛かる。



「つ、強い!!」



合成魔獣(キメラ)によって次々に倒されていく兵士たち。



「儂が作った兵士の力は・・・・護衛団に匹敵するぞ。」


「護衛団に匹敵!?嘘だろ・・・そんなのがこんな数いるのかよ!」


「・・・・じゃあお前はこれからどうするんだ?これは俺を倒すために作ったんじゃないのか?」


「ホホホ、抜かりはない。こやつらは人間の数が儂の予想よりも多かった時に使用するためでもある。」



するとジズの後方で大きな異空間が開く。



ドスン・・・ドスン・・・・



大きな足音を響かせ、

その異空間から出てきたのは・・・



「「「ギャオォォーーーーッ!!!」」」


「「「「「「!!?」」」」」」



巨体で翼を広げ、大きな咆哮を上げるのは・・・・ドラゴン。



「「「「「竜!?」」」」」



異空間から出てきたドラゴンは合計5体。



「竜は絶滅した筈・・・」


「絶滅はしてなかったんじゃよ。なんせ、六天将の1人でもあったバラムが竜じゃからな。」


「「「「!?」」」」


「儂はバラムの血から竜を生成することを思いついての。長い年月をかけ、試行錯誤を繰り返し、ようやく強い個体の竜を生み出すことに成功したのじゃ。」



・・・これがこの世界のドラゴンか。

サイズは他の異世界とあまり変わらないな。



「儂の計算では竜が5体もおればお主に勝てる。」



今さっき六天将の1匹も竜って言ってたな。

・・・ということは六天将5匹と戦う感じか。



「全員、陣形を組めッ!!」



カレンの指示で速やかに兵士たちが陣形を組む。



キュイーーーン・・・・



ドラゴンたちが一斉に口を開けて魔力弾を撃つ準備を行う。



「!!」



これは・・・!



そしてドラゴン5匹の魔力弾が一斉に放たれた。

巨大な魔力弾が5つ。

真也は咄嗟に魔法で防御壁を生成。



バゴォォォォォォン!!!!



魔力弾が防御壁にぶつかり、凄まじい衝撃が生じる。



「うわっ!!」


「ぐ・・・ッ!!」



真也の防御壁によって魔力弾を防ぐ。



「ホホホ!竜の攻撃を防ぎきるとは!だが・・・」



キュイーーーン・・・・



ドラゴンたちが再度魔力弾を撃つ準備をする。



「撃たせるなッ!!」



カレンが叫び、一斉に88支部の面々や他の兵士たちがドラゴンに向かっていく。

そして一斉にドラゴンへ攻撃を仕掛けるが・・・



「か、硬いッ!!」


「全然刃が通らない!!」


「ホホホ。竜を覆う鱗、皮膚はそう簡単には貫けぬぞ。」



するとドラゴンは下で攻撃をしている兵士たちの方を向く。



「マズイ!!」



ドラゴンは下に向かって魔力弾を放つ。



バゴォォォォォォン!!!!



「・・・・・ッ!!」



間一髪真也が兵士たちの上に防御魔法を展開して防ぐ。



・・・こんなのを喰らったら俺以外は即死だ。



「狙いは俺だろ?こっち来い!」



真也はそう言うと浮遊魔法で浮き、空へ飛ぶ。

ドラゴン5匹は真也を追って大きな翼を羽ばたかせ飛翔。



「シンヤ!!」


「アズモンドが竜と相手をしてくれる。・・・我々はコイツを倒さねば。」



カレンたちがジズに対して剣を構える。



「ホホホ、奴が竜を引き連れる・・・・これも想定内じゃ。」



ジズは不敵な笑みを浮かべた。

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