プロローグ
「ずっと好きでした。付き合ってください」
「いいよ。私も黒那のこと好きだから」
俺は舞夜黒那。
今、高2にして、やっと彼女ができた。
小さい頃からずっと思ってきた幼馴染の女性。家が近いのでよく遊んでいた。
今までずっと勇気がなくて、告白なんて出来なかったけど、今日の朝偶々見たテレビでやっていた占いで恋
愛運が、最高の星5ということで勇気を出して告白した。
高校が同じなので帰り一緒に帰らないかと誘い、今、交差点で信号に足を止められている時に、思い切って
告白した。
ロマンチックさのかけらもないけど、焦って緊張していたのだ。仕方がない。結果良ければすべて良しとい
うやつだ。
「じゃあ、私今日塾があるから先帰るね」
彼女も恥ずかしさがあったのか、信号が青になった瞬間に道路に飛び出していった。
占いを信じて良かったなぁ。
今日はまた何か良い事ありそうだ。
「危なーい!!」
近くから叫び声が聞こえてきた。
トラックが信号を無視して、もの凄いスピードで走っていた。
やばい!あいつが轢かれる!
体が勝手に動いた。
彼女を追いかけ押し飛ばした。
「...さーん。...なさーん。黒那さーん」
瞼を開けた。
真っ白な空間。
そこに、1人の美しい女性が立っていた。
天使のような人。というか、いかにも天使っていう感じの神々しい羽ついてるし。
「目が覚めましたか。私は天使ナンバー1000000000000番のニャフニャフと言います。あなたは、高校2年生で、付き合い始めた直後に彼女がトラックに轢かれそうになったのを、押し飛ばして助け、死んでしまった人の記念すべき10人目となります。ぱちぱちぱち〜。当社では去年からキリの良い数字の方を、異世界に、何かランダムに能力を授けて送るサービスをしています。あっ、当社って言いいましたが別に会社ってわけではないですよ。なんかそんな風に言えばまとまりつくかなぁって思って言っただけですので。では、早速送り出させてもらいます。さような...」
「ちょーっと待ってくだい!聞きたいことがたくさんあるのですが」
「あー、良いですよ。答えられることなら答えます。どうぞ」
何から聞いたらいいんだ。
気になることはたくさんあるけど...
ニャフニャフってなんだよ!ニャフニャフって!
よし、そんな重要じゃないけどそれから聞こう。
「ニャフニャフって名前はどういう意味があるんですか?」
「意味なんてありませんよ。私を創造した神様が適当につけました」
適当かい!
まぁいい。わからないことは気にしたら負けだ。
「では、あいつは無事ですか?」
「あいつとは?」
「彼女です」
「はいはい、やっぱり気になりますよね。無事ですよ。彼女の様子見てみます?」
「見れるんですか?」
「見れますよ。これを覗いてみてください」
天使の手の上に急に水晶が現れた。
早速覗いてみる。
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「死んじゃったかー。せっかくお金巻き上げようと思ったんだけどなぁ。あいついっつも私の後ろついてきてうざかったし、まぁ良いか」
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「...」
「えー、お気の毒に。あの子も表面上はいい子なんですけどね。新しい子探しましょう。ね」
「...」
「じゃ、じゃあ、よかったら私が付き合いましょうか?ほら、私結構美人ですよ。ね、ね」
「...」
「...」
「くっそーーーーーー!!」
「わーっ、びっくりした」
「好きだったのに。好きだったのに。あいつも好きって言ってくれたのに」
泣いた。
俺は悔しかった。
なんか嫌になった。
くっ、こうなったらいい人見つけてやる。その異世界とやらで。
「あのー、泣き止みましたか?質問はもういいいですか?」
「あっはい、あっもう少し質問させてください」
「はー、良いですよ」
「俺が行く世界ってどんな世界なんですか?」
「よくぞ聞いてくれました。貴方が行く世界はですね。魔法や魔剣、他色々な力が存在し、魔物、魔王もいて、日本で言うファンタジーなゲームのような世界です。危険もありますが、楽しめると思いますよ」
ゲームみたいな世界か。
確かに楽しめそうだ。
ちょっとワクワクするな。
「あと一つだけ質問いいですか?さっき言ってたランダムな能力って俺の場合、どんな能力ですか?」
「それは私にも分からないです。能力も能力の数も完全にランダムで使ってみないとわかりません。神様にだってわからないと思いますよ」
「そうですか。分かりました」
「では、もう良いですね」
俺の周りに緑色の強い光が現れた。
「神様を楽しませるために頑張ってください。では、さようなら」
「えっ、これって神様を楽しませる為にやっ」