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アリス イン アンダーワールド 下

ウサ耳少女を探して三千里……とまではいかないかもしれませんが、それなりの距離を探しました。けれどもウサ耳少女はまだ見つかっていません。


けれど、あれから私とマッドハッターはひたすらに歩き、出会う少し不思議な人々(全員可愛い女の子)に聞き込みをしました。妖精の女の子、芋虫のように寝袋に引きこもりタバコを吸う美少女等々……色々な人達に。


そのかいがあってか、ウサ耳少女はこの不思議な世界の……いや、国のお城に向かっているという情報を手にいれたのです。


「手にいれたと言うか……僕から聞き出したんだよね?」


そう話しかけてきたのは、とある夜にいきなり現れたチェシャ猫でした。私とマッドハッターの熱い夜に水を差してきたので、罰として巻き込んでやったんですのよ。オホホ。


「オホホって……アリス。僕も悪かったけど、だからといって、猫じゃらしとマタタビは酷いと僕は思うんだ」


ちなみにチェシャ猫は、紫の髪に黒のメッシュが入っていて、少し垂れ目の瞳はエメラルドグリーン。口元はいつもニヤニヤしていて、僕っ娘……しかも猫耳。


「ねぇってば……」


さらに言えば無性に苛めたくなるような性格をしている。


「わ、私のことも構ってくれていいのよ? ……ねぇ、アリス! アリスったら!」


ここは天国ですか! と全力で叫びそうになった口を鋼鉄の意思で封じ込める。

()()とシた夜以来、すっかり甘々になってしまった二人に毎日のように甘えられる……そのせいで私の煩悩ゲージはもはやカンスト。今もなお、現在進行形で上昇中。


(我慢……我慢よアリス。私にはウサ耳少女とキャッキャウフフな仲になるという野望が!)


その時です。一本道の先に開けた景色が広がり、さらに先には白亜の城がそびえ建っていました。この国を納める女王様が住んでいるのだとか。

女王様と聞くとどうしても、ベルトコスチュームと鞭がトレードマークのそっち系の人しか思い浮かばないのは私だけでしょうか?


「あっ!」


目を凝らすと、ウサ耳少女が城の中へとちょうど入っていく所でした。私はマッドハッターとチェシャ猫を両脇に抱えると、全力ダッシュで城へ急行します。


「行きますよ!」

「「行く行く!」」


こんな時でもノリの良い二人。まるでネタの訓練を受けたのかと疑いたくなります。

あと100メートルで城、という距離まで来ましたが、城門は閉ざされていて簡単には入れそうにありません。そう……、


「ほっ!」


()()()()ならば、ね。


カチャ、バシュッ!


ズドオオォォォオオオオオオンン!!!!


一瞬両脇に抱えていた二人を放り投げ、その隙にRPG(ロケットランチャー)を発射! 見事に城門を破壊。ダイナミック入城、人権100パーセントオフ。


目をグルグルさせている二人を、再び両脇に抱えて、崩れた城門から堂々と入城します。


そして一旦二人を地面に下ろしてから、次々に出てくる兵隊をお姉様流CQC(近接格闘術)で蹴散らしていきます。あっ、顔は狙ってませんよ? 可愛い女の子の顔を台無しにはしたくありませんからね。


しばらくして、ほぼ全ての兵隊を戦闘不能にしてから、マッドハッターとチェシャ猫を連れて謁見の間……みたいな所に向かうと、玉座に座っていたのは。


「よくぞ来たな勇者よ……次は私が相手だ!!」


ノリノリで香ばしいポーズをして佇んでいる、ウサ耳少女の姿がありました。


「「「……」」」


三人一緒に唖然。これは流石に予想外……しかし私はアリス。ネタやノリをいきなり振られても対応できる女!


「待たせたな魔王……いざ!」


バンッ!


「えっ?」


発砲音の後に一拍遅れて倒れる魔王? ことウサ耳の少女。


「安心してください……ただの痺れ薬ですから」

「ちょ、おま」


私はアリス、自分の欲望に忠実な女の子。


「さぁさぁ、延長戦はベッドの上でいたしましょう」


◇■◇■


その後はもう……最高だったとだけ言っておきましょう。


そして目が覚めたらお姉様の膝の上で寝ていた……つまりは夢オチというあまりにも残酷な結末を迎えた、私ことアリスの不思議な物語はこれでおしまいです。


めでたしめでたし……、



























って、なるかチクショー!!!!!


チャンチャン♪

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