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秋夜

作者: サイトウ

秋は一年の中でとびきり良い季節だ。果物は美味しいし、空は高い。何より夜に窓を開けると、秋の風に乗っかって鈴虫の声、車の音、遠くで走ってる電車の音まで聞こえてくる。そんな季節がとびきり好きだった。


いつも通り23時に寝室に入り、お気に入りのカーテンの隙間から外の様子を伺う。


『今日も天気がいい』


月の明るさを見て、顔がほころぶ。1日のうちで一番気分がいい時間だ。忙しない1日を過ごしたんだからこのくらいのご褒美があってもいい。

窓をを開けたらどんな音が聞こえるだろう、どんな風が頬を撫でてくれるだろう。

胸を高鳴らせながら今夜も窓を開ける。



窓を開けると同時に秋風が部屋の中に優しく流れ込んできた。シャワーで火照った身体も一緒に冷ましてくれる。

透明な空気に乗ってどこまでも遠くの音が聞こえてきそうな夜だった。


疲れた身体で窓際に座っている事も叶わず、布団の中に入り込み、部屋の電気を暗くすると、夜の空の方が明るいくらいだった。

明日の朝なんて来ないと錯覚するほどに穏やかな夜が過ぎて、いつの間にか今夜も眠りにつく。



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