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第7話

 そんなこんなで街の大通りをリア充しながら歩き、俺と先輩は冒険者ギルドの前まで辿り着いた。

 さすがの先輩も、イチャイチャしながら冒険者ギルドに入る度胸はないらしく、俺の腕から離れた。

 そして二人で、ギルドの扉を潜る。


「いらっしゃいませー! 勇者様方のお話はうかがってますよ♪ 早速ですけど、冒険者登録をしていただきたいので、こちらの魔道具の上に手をかざしてもらえますか? いえいえ、お手間は取らせません。パパッと済みますので、はい」


 冒険者ギルドの中に入ると、俺は妙に強引な受付嬢に手を取られ、冒険者登録をさせられた。

 そしてあっという間にできた冒険者カードを渡された後、マシンガントークで冒険者システムに関する説明をされる。


 そうして、倍速で映像を回されたかのような猛烈な速度の冒険者ギルド登録を終えた俺と先輩は、今はギルドの前に立っていた。


 ただ、この間に一つ、問題が発生した。

 何かというと、その……先輩がちょっと、可愛らしくおねになられているのだ。


「受付の女の子に手取り足取りレクチャーされて、鼻の下伸ばしてたでしょ、相沢くん」


 ギルドの表の壁際に追い詰められた俺は、自分の両腰に手を当てた先輩に、眼下から迫られる。


「い、いや……そんなことは……」

「まったくないって言える?」

「うっ……」


 確かに、受付の女の子は可愛いなーと思ってしまったし、手を取られてドキドキしてしまったのも事実だ。


「……ごめんなさい。ちょっと鼻の下伸ばしてました」


 俺が正直に白状すると、先輩は鷹揚おうように頷く。


「よろしい。そこは嘘でも『まったくない』って言ってほしかった気もするけど、やっぱり嘘つかれるのは嫌だから、正直な相沢くんを評価します。それに──」

「……それに?」

「あの子ほんっと可愛かったよね! 私も説明聞いてて、もうギューッとしたいって思ったもん! あれはね、しょうがないよ。あの魅力には抗えないよ。相沢くんは悪くない、うん」


 くるくると回りながら、興奮して受付嬢の魅力を語り出す倉橋先輩。

 うちの彼女は、どうも変な方向に理解があるようだ……。


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