5・プロポーズ
ジャンルは恋愛
そして、最後の作品
ストレートな告白がメインです
右手には会社に持って行くカバン
左手には誕生日ケーキ
スーツの胸ポケットには……
今日は俺たちにとって特別な日になるだろう。アパートの堂島と神崎と書かれたネームプレートに前で俺は大きく息を吸い気合を入れた。
「ただいま」
「幸助、おっかえりー!」
元気な声と共にリビングから玄関に出て来たのは、堂島 彩音。社会人2年目で俺の彼女。身長は175cmの俺よりも20cm小さく、タレ目に肩まで伸ばした黒髪と右目の下に泣きぼくろがあるのが特徴。
「ご飯にする?お風呂にする?それとも……」
「言わせないよ」
俺は人差し指を彩音の口に当てた。
俺と彩音は高校生時代から付き合い始めて、今ではお互い社会人として働きながら同棲生活2年目を送っている。
「はい、これ」
「おっ!ケーキだ。どうしたのケーキを買ってくるなんて、さては何かの罪滅ぼしだな。言ってみなさい、今なら許してやるから」
「なんでそうなるんだよ。今日は彩音の誕生日だろ?」
「そうだった!ありがとう幸助」
腕を絡ませて俺を見上げながら屈託ない笑顔で言われる。身長的に彩音は上目遣いになるんだよな、これがどうしようもなく可愛くて抱きしめてしまう。
「上目遣いは反則だろ」
彩音の耳元でいつもより少し低めの声で優しく囁き、額にキスをする。すると、彩音は顔を真っ赤にさせた、昔から彩音はこの声と耳が弱いんだよな。
「幸助も……反則だよ」
震えた声に上目遣いで涙目と来た。反則をさらに越したな。
「じゃぁ、お互い反則って事で」
「そうだね」
俺は彩音から抱きしめている手を離してリビングに向かう。
* * *
風呂に入り、彩音の手作りの夕飯を食べ終えた後は部屋を薄暗くしケーキのロウソクに灯りをともした。
「なんだか、綺麗だね」
ロウソクの灯りに照らさせた彩音の方が綺麗だな、そんなギザな事を思ったりして。口に出したら恥ずかしいから黙っておく、それに今、俺は彩音に大事なことを伝えるため、とてつもなく緊張している。机の下に隠した両手の中にある小さな四角い箱が重みを増す。
「誕生日、おめでとう」
「ありがとう」
「彩音、大事な話がある」
「ん?」
あどけない表情で俺の目を真っ直ぐに見てくる。そんなに見つめられると余計に緊張するよ。いや、ここまで緊張するなんて人生初なんじゃないかな。
心臓の音がやけにうるさく感じる。
目を閉じて小さく深呼吸、それからゆっくりと目を開け、持っていた小さな四角い箱を彩音の目の前に差し出し開ける。
中身を見た彩音は大きく目を見開き、口を両手で覆った。
「一生幸せにします。俺と結婚してください」
それから、彩音は小さな四角い箱から銀色の指輪を取り、泣きながら笑った。
「はい」
俺は彩音に出会えて幸せ者だと思う。だから、俺はこの幸せを彩音と一緒に分かち合いたい。
滅多に投稿しない夜桜のメモ
を読んで下さり感謝です
今までお付き合いありがとうございました