1・藤村家の恋愛事情
ジャンル 【恋愛】
主人公と従兄弟がくっ付いてほしいなぁ
と思って考えたお話
私は日向高校1年生の 藤村 彩音
部活は演劇部に入ってます。
「そういえば最近知ったんだけど彩音と5組の藤村 亮太って従兄弟なんだね。」
「そうだよ。亮太君は父さんの方の親戚でさ」
演劇に使う背景のセットを作りながら話しかけてきたのは、同じクラスで友達の館山優姫、栗色の柔らかそうなボブカットで顔立ちも良くとにかく可愛い
「でも、全然似てないよね。」
そりゃそうだ、父さんは3人兄弟の長男で亮太君は次男の息子さん、父親の血縁があっても母親が違うから似てないのは当たり前
「でもさ、私の親戚はみんな美男美女なのに私だけ普通で何の変哲もない顔だよ。」
「あー確かに、この前写真見せてもらったけどみんな美男美女だったなぁ。おかげで彩音がすぐ見つけれたよ。それと、弟君かっこいいね」
ゆうきちゃん今の言葉グサってきたよ。それ結構コンプレックスなんですよね、だって私だけ浮くじゃないですか!集合写真の時なんかもうっ…自分で言ってて悲しくなってきたよ。
「えっ、なになに何の話?藤村の親戚が美男美女だって⁉︎オレよく聞いてなかったからさ、その話に混ぜてよ」
私たちと同じく背景のセットを作っていた瀬戸君が話しかけてきた。同級生で1組の瀬戸竜也、ネコ目のメガネ男子でチャラい。そして、彼またイケメンの部類に入る人種だ。それと、さっきよく聞いてなかったとか言ってたけど、しっかり聞き耳立ててたのは知ってるからね。
「あんた、さっきから聞いてたでしょ」
「もっちのろーん」
「瀬戸君はうん、いつも通りだ」
「というか藤村、人は見た目が大事じゃなくて中身が大事なんだよ?」
あっオレ今、良いこと言ったて顔してる。めちゃくちゃドヤ顔だ
「で、藤村の親戚の写真見せてよ。」
「彩音、こんなやつに写真なんて見せちゃダメよ」
「何その変態を見る目はオレって一体なんなんだ」
「・・・・・」
「無言スルーはやめて下さい!」
可哀想になってきたので私はスマホを出して写真を見せた。案の定、瀬戸君もゆうきちゃんと似たような反応で『藤村って分かりやすい』と笑って言った。
「おーやっぱ、藤村もいるわ、あっ藤村亮太の方だからな」
「あれ?あんた藤村亮太と彩音が親戚だってしってたの?」
「ふふふ、オレの情報網を甘くみるなよ。これ位の情報なんて朝飯前だぜ。例えは館山のスリーサィいってぇー!!!」
手に持っていたトンカチを瀬戸君の爪先に振り落とした。痛さで悶える瀬戸君、まぁしょうがないよね
「お前ら!遊んでないで仕事しろっ!」
顧問の怒涛がホールの中に響き私たちは慌てて作業に戻った。
今は4月下旬、今度6月12日 (土曜日)に行われる定期公演に向けて日向高校の演劇部は練習をしています。