魔剣・悪魔殺し
「姫様!」
バァンと、その扉を開けると、そこには姫様、ミーシャ、王子そして老人。
「な、何をしているんですか!?急いで上に!」
上にといっても、行けるのは屋上といえばいいのだろうか、船の屋上しかない。
だが、戦うにはそこが一番優れている。そしてそこには確か救急の船がつんである。
「イエ、ミーシャ様が上に行きたいと」
「ご、ゴメン、ナイカ、なんて言えばいいかわかんなくれ」
「同士短大、護衛くん」
「敵です!俺とミーシャ以外と護衛全員が裏切り、今船底に北の国からの刺客が!」
「なんだって!?」
「それはどう言うことなのです!?」
「説明は後です!急いで上に!」
俺が言い放つとすぐに、上に上がる一同、まだ、追いついてはいないらしい。上に
上がるとそこには非常用の船。だが今出すのは危険。改訂の中に潜んでいる可能性も
ある。
「ミーシャ船の用意だけしておけ!」
「わ、分かった」
用意といっても、ボタン一つで会場に降り立つようにできているものだ。この船ほ
度ではないが、人5人など簡単に入る代物。
「姫様と王子、ご老人もあちらに!」
そう言うと、すぐに指示に従ってくれた。俺の判断が正しいかはわからない。今ま
では戦闘の今年か習ってない俺が絞りに絞った案である。
さきほどで、龍殺しのちからは分かった。あれが最高峰の竜殺しだというのなら、
いくら束になろうと負ける気はしない。だが、北の国のちからがどれほどのものか、
そう考えていると、
「ナイカ!きたぞ!」
「数は!?」
「ざっと50」
ミーシャが叫ぶ。50だとすると、海の中を駆ける船、潜水艦だったか、その中は
おそらく無人。
気づかれないように来るにはそれくらいがベスト、それ以上だと確実にバレル。
敵は、もう一つ船があることに気づいていないのか?いや、普通は気がつく、それ
なのに全員をつぎ込むとなると・・・・・・・・・新手がいる。
「ミーシャ船を下ろせ!」
「あ、ああ!」
「まだ乗り込まないでください!私が指示を出したら乗り込んで!」
そう叫ぶと、ミーシャがボタン押して、船が海へ降りる。 船に降りるには船が降
りたように、滑り台のように降りるしかない。もしかすれば潜水艦に少人数が入る可
能性も考えてまだ船には載せては危険だ。
「来るぞ!ナイカ!」
「ミーシャ、お前は姫様たちを死守!敵は俺がやる!」
そう叫ぶと、
「そんな!?いけません!」
と、大きな声で姫様が叫ぶ。またか!?
「あなた一人で敵50など無謀です!」
まだ俺の実力を分かっていないようだ。それはそうだミーシャとの戦闘だけでわか
るはずがない。王子たちも同じであろう。
「ご心配はいりません、姫様が見たがっていたモノをお見せしましょう」
そういい、俺は背から、どす黒い剣を抜く。
「なげぇ!」
「ミーシャ!集中!」
「あ、ああ!」
「来るぞ!」
言った瞬間、下から突き破って、出てきやがった!
おそらく北の国、竜殺し軍団といったところだろう。
やはり、リヴァイアの竜殺しとはレベルが違いそうだ。全員が全員違う剣を、そし
て強さを。
「東の国、姫シルビア!お命頂戴致す!」
そう、敵のリーダーらしき人物が叫ぶ。そいつは見るからにレベルが違いそうだ。
さっきが違う。その中には、ジルクの姿も見えた。
「裏切りか!」
「ああ、そうだ!俺を蔑むか!?それでも構わん!家族のためだ!」
やはり、コイツは手のひらで踊らされているか。
「前一人で向かってくる気か?いい度胸だ、自分の命を軽く見ている愚か者でもある
がな」
リーダーが言う。
「その言葉そのまま代えさせてもらうぞ!」
「減らず口だな、皆の者かかれ!」
我こそはとばかりに、向かってくる。姫の命を取れば株は上がるだろうが、
「命を軽く見る愚か者だな」
俺は総つぶやき、一瞬、で敵の目から消える。
瞬間、
「魔閃・壱の型、暗」
瞬間、襲いかかってきた敵からどんどんと血しぶきが上がる。
「ギャーーーーーーーーーー!」
と、豚のような声で鳴く。強烈な痛み。
これが魔剣・悪魔殺しの能力。敵の痛みを倍増させる能力。悪魔の力。
今のひと振りで、敵の半分は倒れる。
「いいか、俺を殺したいなら、竜殺しでは無理だ」
そう言って、敵に剣を向ける。
「す、すごいわ!ナイカ様!」
「ゆ、夢を見ているようだ」
姫と王子が驚きの声をあげる老人は真剣な表情で俺を見ていた。
「ほう、さすがは姫専属の護衛といった所か」
ジルクやほかの者たちはそれを見て誰も動こうとはしなかったが、リーダー書くの
奴はやはり違った。
「お前らはもう手をだすな!かなう相手じゃない、俺がやる」
そう言って奴は剣を抜く。それは斧のよう太い刃をした太刀だった。この感じ、
「魔剣か」
「貴様のもそうであろう」
魔剣。剣に能力のあるものをそう呼ぶ。
「魔剣・パラリシス、能力は麻痺だ」
麻痺毒か、厄介だ。魔剣の麻痺ともなると余計に。
「行くぞ、北の国、龍殺し隊長ゼウス!魔剣パラリシス!参る!」
これは決闘のときの言葉。奴は一体位置をお望みか。戦争にもそんなことがあるの
か。そう思い俺もやつの言葉に答える。
「西の国、特務機関所属、アンノーンナイカ!魔剣・悪魔殺し!」
いい終わった瞬間、剣と剣が交わる音が鳴る響く。
「早い!早すぎる!」
王子がそう叫ぶ。その中姫が共学の表情をして、呟く。
「魔剣・悪魔殺し」
その声は俺には到底届きもしなかった。
剣を受けるが、着られなきゃ能力を発生しないようだ。自分の魔剣以外を初めてみ
たが、性能は俺の魔剣と同じようだった。
「重い一撃だ!」
「受けるだけ、褒めよう」
「はぁっ!」
俺はそのままやつの剣を振り払う。距離が広がる。次は俺が地面を蹴る。
「魔閃・四の型、剛剣!」
さっきの壱の型が暗殺の剣ならばこの四の型は力の剣。
「うおおおおおおおおっ!」
斬るのだはなく叩く。ありったけの力を剣にこめる。
「ふぅんっ!」
ガァァァァァん!
明らかに剣の交わりではない音が鳴り響く。
「ちからは俺の勝ちだな」
「ああ、そうかい」
そう言いながら俺は剣にもっと力をこめる。
「今の俺のちからは壱〇割だが、剣のちからはまだ、3割だ」
「!?」
「剛!」
強く、握るとドス黒く煌き、確実に敵を吹き飛ばす。
「がはぁっ!}
その声とおもに、ゼウスは吹き飛ぶ。敵のやつらはゼウスの力負けを初めて見たらしいな。
「くそっ、ぐっ」
ゼウスはかろうじて立ち上がるがその痛みは地獄の如し。じわじわと痛みが増す。
「いっただろう、俺を殺すには竜殺しでは無理だ」
そう言うと、痛みが増したか、骨が砕ける音がする。
「がぁぁ!」
そのままj面に崩れ落ちる。
「引け、そうすれば殺しはしない」
「くっ」
そのうめきとともに、
「撤退だ!」
そう叫んだ、瞬間だった。突如、ゼウスを炎が囲んだ。
「撤退?落ちたなゼウス」
瞬間、一瞬、一瞬だった。一瞬でゼウスは消し炭になった。そして、
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
絶叫が響き渡った。その絶叫の法を振り向くと、真っ赤に燃える豪火、それを見
たすぐ後、敵が消えた。もちろん、ジルクもだ。
やばい、もう来てしまった。
「姫様!王子!」
総叫び、俺はすぐに姫たちのもとに向かう。
「ナイカ様!驚きました、まさかこれほどの力とは」
「今のも君が?」
「違います!新手です!急いで船へ!ミーシャ!」
「あ、ああ」
その叫ぶやいな、
「逃がすと思うか」
さっきの声が聞こえる。やはり新手!瞬間!
「ふ、船が!」
そう、ミーシャが叫ぶ。
「どうした!?」
そう言って覗いてみると、船が燃えていた。この一瞬でここまで。
何が起こっている!?
「いらないものは燃やすのが僕の主義でね」
と、後ろから声が聞こえる。これは――――――――