最近のスフィンクス事情
きのう、公衆トイレでスフィンクスに遭遇した。エジプトのアレと比べてやけに小さかった彼女は、私のクイズに正解しないと用は足させない寧ろ死ぬよと言っ放ったので、僕は仕方なく答える事にした。
スフィンクスの出したクイズはこうだ。
Q,岐阜県にある「サラマンカホール」のモデルとなった都市、サラマンカはどこの国にあるでしょう?
実に難しい……いや、マニアックすぎるだろ。こんなご当地グイズに正解出来るのは、岐阜に住んでる人かクイズ王くらいしかあり得ない。ごく平凡な島根県民の僕には無理である。しかし、30秒以内に答えないと泌尿器に違和感をもったまま死ぬっぽかったので、覚悟を決めて答えをひねり出した。
「スペイン」
それを聞くと、スフィンクスは急に四本の足を立たせて、俺の横を歩き去った。答えは教えてくれなかったがとりあえず死ななかったし、退いてくれたから正解だったのかもしれない。
やっとたどり着いた尿意からの開放で、心の余裕が生まれた僕の脳裏に、ふと、ある疑問が浮かんだ。
スフィンクスは頭部が女の人だからおそらく女性なんだろうけど、どうしてまた男子トイレにいたのであろうか?
クイズの答えは調べればわかるけど、こちらの答えは靄に包まれたままになりそうだ。