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猫と金髪  作者: co
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「隣は?隣の坂本さんが全員の前でお前を紹介するって話だったけど」

「坂本さんが?って、隣にいるの?!」

「いるだろ。電話ではそこにいるって話だったし」


 それを聞くやいなや、君島は踵を返してダッシュで坂本の部屋の前に向かって急停止して、再度ドアを連打した。

「出て来い!ふざけたマネしやがって!!」

 原田がタオルで頭を拭きながら、うるさいぞ~、と呼びかけたが君島は聞く耳持たない。

「さっきの男は誰だよ!あんたがホモなのはどうでもいいけど、僕まで巻き込むな!」

 お前の大声で俺まで巻き込まれるだろうが~と続けて呼びかけたが君島には届かない。

「全員帰ったからな!ざま~みろっ!!!!」

 最後にドアを蹴って、君島は原田の部屋に大股で戻ってきた。


「浩一の責任だって重いんだからな!」

 勢いのままに君島が怒鳴ったが、原田はあっさり謝った。

「ああ。悪かったよ。計画通りに行かなかったみたいだな」

「全然だよ!何計画って!今何があったか、浩一知らな……」

 君島がそこで言葉を切った。



「知らないけど、ま、終わったんだろ?」

 原田は首を傾げて君島の背後に視線を飛ばす。

 口をつぐんだ君島は、それきり唇を尖らせて言葉を繋がなかった。

 明らかにへこんでいる君島に、全く構わずに原田は背を向けて言った。

「俺、7時前にはバイトに行くんだけど」

 その背中を睨みながら、君島が部屋に入ってドアを閉めた。



 さっき起こった出来事をこまかく報告するのは、君島のプライドが許さなかった。

 原田もまったく追及をしなかった。


 原田がこんな半端な時間に髪の毛を濡らしている奇妙さにも、悔しさに震える君島は気付かない。


 そしてほとんど語ることなく、原田が冷えたご飯を食べてる間、君島もサラダと温めなおした味噌汁をもらったりしているうちに、原田のバイトの時間が迫り君島も引き上げた。



 その日原田はバーで約束のシャンパンとチーズを手に入れて、しつこく翌日も現れた君島に与えた。




 その次の日に宇宙船ヴォイジャーのミニチュアモデルを原田が手に入れ、

 その後坂本がアパートに戻ることは卒業までなかった。




     おしまい




 お気に入り登録をして下さった方々、最後までお付き合い下さった方々にお礼申し上げます。

鬼原田とその被害者たちはこれでおしまいです。

本当は、私のPCに収まってる間の元々のタイトルは「DS9」だったのですが、SFと間違われても困るしトレッキーの皆さんの目に付いたら叱られそうなので酔った勢いでこのタイトルに変えたのですが、悔いてます。

でも他に思いつかないのでこのままにしておきます。


次は『グローブで買収』です。

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