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Case.6 ──憎悪──

ルフィナは恋人であるカルラと共にアニマルシティ・プライド・パレードに参加していた。そんな中、LGBTを嫌悪する白人至上主義の軍団によってパレードが襲撃され、ゴースト・ガンの軌跡を辿る。そんな中事件はシバの話と繋がっていき…

CLAWのショットガンナーであるルフィナ・P・スノフスカヤは2001年にロシア系移民でハリネズミウッドで女優業を営む母アナスタシア・スノフスカヤと、アメリカで映画監督をしていた父アンソニー・P・アンダーソンJr.の間に生まれた。

幼い頃から彼女はそんな大金持ちの富裕層の間で育ち、度々雑誌やニュースにも取り上げられ、母親の「自分を継いでほしい」という希望も相まって時折父の映画の端役として出演して演技を学びながら、環境にも恵まれ羨望のまなざしを向けられる夢のような暮らしをしていた。

だが、ある時悲劇が起こった。彼女が16歳になってブルーエレファント高校に通い始めた時期のこと、学校で精神的に錯乱状態を起こしていた3人の学生が違法に売買された銃器と圧力鍋爆弾を使用して学校の生徒と教師を無差別に撃ち、11人の死亡者と24人の重軽傷者を出したという悲劇だった。

ほんの数時間前まで南部訛りのある教師と談笑していたのに、気が付けば地獄の底にいた。爆弾の破片が足に突き刺さり行き絶え絶えとなっていたのだ。

しかし、屋上からラぺリングで突入してきたACPD SWAT隊員の的確な止血によって大事を免れたのだ。

それ以降彼女は女優としての将来が約束されている身でありながら、SWAT隊員を志すようになった。

当然のごとく猛反対されたものの本人の意思は揺るがず、折れた両親は「夢を追いかけるのならば本気で」と知り合いの映画俳優に射撃を教える競技のチャンピオンや高級PMCである「Odin.inc」で元DEVGRUやSBSの凄腕から徹底的な訓練を受けた末に若年の少女でありながら軍人並みのスキルを身に着けたのであった。

そうしてACPDのポリス・アカデミーに入学した時期、その入学はパパラッチによりリークされ、世間はルフィナの夢を「金持ちの道楽」であると非難したが、時が過ぎ去ると忘れ去られていき、彼女自身はそんなことは気にせずに警察としてのイロハを学び、気が付けば同性の恋人もできていた。

彼女に財産目当てで近づいてくる男やハリネズミウッド俳優は数多かったが、彼女は小さいころから同性に興味を持っていたレズビアンである。

そして順風満帆な状態でSWAT試験も主席でパスしたが…ここで問題が起きる。

彼女の両親は今も現在進行形で映画業界に携わっている有名人である上にそんな有名人をSWATに採用しては不味いという流れになったのだ。

しかし、そんな上層部の意向を向けられた〝警部〟は多くのメンバーを失った後にCLAWと名付けられることになる特殊捜査任務懲罰部署の補充要因を探しており、彼女はそこで採用されることになったのだった。

彼女はそこで世間に認知されない部隊の隊員として充実した生活を送っている。

暇な時間はフランスから取り寄せたマリアージュ フレールという高級紅茶を嗜み、クッキーやスコーンといった菓子を焼く。

仕事になればショットガンナーとして犯人を鎮圧していき、夜になれば〝彼女〟であるカルラ・スターリング・ロメロをアニマルシティで最高級のホテルであるモンタージュ・アニマルシティに呼び出す。

カルラはACPDの武器庫係に務めている女性でルフィナがCLAWに所属する前からブルーやアンジーといった古参メンバーともつながりのある人物である。

彼女はごく一般的な家庭で育っているため、この貧困層であれば一生かけても泊まれないようなホテルに顔パスで頻繁に出入りするのは毎回新鮮な経験であると感じていた。

だが、そんなカルラをルフィナは〝寵愛〟しており、時にはポルシェ911 カレラ新車やチェイタックM200ライフルをプレゼントしたこともあった。

まずルフィナはカルラを最上階のスイートルームへ呼び出すと、そこにはフランスから呼んだ3つ星レストランを経営した実績のあるシェフが作った最高級のテンダーロインステーキをごちそうになる。

噛めば血と油が滴り落ち、まったくと言っていいほど硬さはなく、口の中で肉汁と赤ワインで作られた特製ソースの豊潤な味わいが広がる素晴らしい味わいであった。

そうこうして食事をしながらロマネコンティを空けると、ルフィナとカルラの〝激しい交わり〟が始まり始める。

ルフィナが一方的にカルラの唇を奪うと、そのまま服を脱ぎながらハグをして互いの性感帯を刺激し、舌を入れてねっとりと絡ませはじめ、夢中になりながら唾液を循環して頭を愛撫して股を濡らしていると、気が付けば20分が経っている。

そうして気分が盛り上がり始めると、ルフィナはカルラの背中側へと回って首周りを優しく甘噛みしはじめ、中指と薬指を股の中に挿入しつつ親指でクリトリスをゆっくりと刺激していく。

カルラはこういった行為に対して全くと言っていいほど耐性がなく、軽い刺激で何度も何度も絶頂を迎えそうになるが、ルフィナのサディスティックな指は何度もその絶頂を寸前で止めると、もはやカルラは快感で何も考えられなくなっている。

そんな放心状態のカルラを的確にいじめながら、ルフィナは噛む力を強めて歯形を彼女の首へと刻み込み、自分のものであると徹底的にマーキングをする。

そうして焦らしに焦らされて辛抱たまらなくなったカルラの〝求める声〟を聴いてクリトリスを少し強い力で刺激すると、瞬く間に絶頂して力が抜けたかのように動かなくなる。

だがこれでは終わらない。まだ刺激されていないルフィナの股は快感に飢えており、倒れているカルラの態勢を無理やり戻して正常位でクリトリスを重ね合わせると、乳房に吸い付きながら第二ラウンドの開始となる。

絶頂したばかりで余裕のないカルラは「ごめんなさい」と懇願するしかないが、そんなカルラの表情に衝動を抑えきれなくなると、キスをして黙らせ恋人つなぎをしながら何度も何度も愛液を潤滑油にして擦り付け支配欲を満たしていく。

そうして何度も何度もカルラを絶頂させた末にようやくルフィナも絶頂し、力が抜けた彼女はひたすら荒い息遣いのカルラの唇を奪い続ける。

少し休憩を取った後に窒息しそうなぐらいに愛され、もう何も考えられなくなったカルラにルフィナは〝最後の調教〟をする。

カルラを持ち上げて〝櫓立ち〟の態勢にして運ぶとホテル最上階のカーテンを開ける。

そこには月明かりに照らされたアニマルシティの綺麗な夜景が映っており、まだあたりのビル群には働いてる人がいて車が目まぐるしく動いている。

そんな状態でルフィナはカルラをガラスの前に持ってくると言葉攻めをする。

「こんな光景見られたら…一体同僚にどんな反応されるかしら?ガラスに押し付けられて…パパラッチに撮られる可能性もあるのに…カルラはこんなみっともない恰好をして…ほんとに…みっともない…」

その言葉を投げかけられると、途端に放心状態のカルラの羞恥心が強まっていき、目に涙を浮かべながら「やだっ、やだっ!」と狼狽え始める。

もしかしたらこれで人生が終わってしまうかもしれないという恐怖心が心を支配し始め、段々と涙があふれてくる。

そんな表情をみながらルフィナは舌なめずりをすると、首筋を舐めながら何度も何度も何度も何度もカルラのクリトリスを人差し指と親指で潰して刺激し、何十回と絶頂させる。

連続で絶頂して心の中で何かが壊れたカルラが泣き出している状態でも指の動きは止まらず、体の痙攣は留まることをしらない。

そうして押し寄せる快楽の果てにカルラの股は決壊し、潮を吹き出し始める。

窓ガラスと職人の作り出した何千ドルとする高級なカーテンやカーペットはカルラの股から吹き出した〝生暖かい洪水〟によって汚れ、あたりにはほんのりとアンモニアの臭いが立ち込めた。

余裕も尊厳も失ったカルラは涙と鼻水とよだれを垂らしながらひたすら放心状態になるしかなく、そんな彼女をルフィナは慰めながら再度ベッドへと連れていき、小さく「ごめんね」と言いながら愛撫した。

これが彼女の毎晩の欠かせないルーティンである。




その翌日。ルフィナとカルラは休暇を取っており、二人でアニマルシティで行われるプライド・パレードへと参加していた。

ここでは性的少数者の社会運動の場であり、虹色の髪色や服装をして旗を掲げながらホモセクシャルやレズビアン、クィアに始まりドラァグ・クイーンやトランスジェンダーといった様々な面々が大人数でアニマルシティの大通りを歩きながら大規模のパレードを行っていたのだ。

ルフィナはサングラスや帽子で自身の顔を隠しながら、その大規模な行進にカルラとともに参加していた。

治安の悪いアニマルシティだがこのパレードは最も治安の良い大都市圏で行われていることや、様々な有名企業が参加していることもあり、非常に大きな盛り上がりを見せていた。

ルフィナはレズビアンではあるが、両親が現在も映画業界の第一線で活躍している面々であることもあり、迷惑をかけないためにも〝公然と〟レズビアンにはなれなかった。

だが、社会がやがてそんな自分たちを自然に受け入れてくれる地盤を固めるためにもこの手の活動には毎回お忍びで参加しているのだ。

「いつか、ルフィナも顔を出して笑える日がくればいいね。」

カルラはそういいながらルフィナに微笑んだ。ルフィナはカルラのそういうところが大好きだ。

だが、そんな平和なひと時は一つの爆音で終わりを迎える。

ルフィナの視界からおおよそ500m先の地点だった。圧力鍋にパチンコ玉を詰めた即席のIEDがパレードを楽しむ人々の体に向けて鉄片を飛ばし、何十人もの体を引き裂いたのだ。

その瞬間あたり一面は阿鼻叫喚に包まれる。手足を失って泣き叫ぶ者、愛する人を失って絶望する者、そして動かなくなった者──そして逃げ惑う者を狩る者。

数人の覆面にサングラス、プレート・キャリアを身に付けた白人はロア・レシーバーがプラスチックで形成されたゴースト・ガンのAR-15ライフルを乱射し始め、あたりの人間を片っ端から無差別に撃ち殺し始めた。

「何がプライドだ。何がLGBTだ。男は女を抱き、女は男に尽くす。それが世界の摂理だ。それに〝色がついてる奴〟は獣だ。分かり合えるわけがないだろう!自由を気取った売国奴どもめ。アメリカを蝕む寄生虫は皆殺しだ!」

歪んだ時代遅れのクソみたいな思想を垂れ流す彼らは白人至上主義者のテロリスト連中だった。

ルフィナが呆気に取られていると、彼らは気にせず逃げ惑う人々の背中を卑劣な凶弾で切り裂き、肉の塊にしていく。

「ルフィナ…ルフィナ!」

カルラは大声でルフィナの体を揺さぶって正気に戻すと、腰に差していたシグ・ザウエル製の1911クローンであるGSRを引く抜くと周りに止まっている車のエンジン・ブロックの後ろへと避難した。

ルフィナもその後に腰に差している38口径のベレッタ84BBを引き抜くと車の下側を覗いて犯人の位置を確認した。

白人至上主義者たちは死者の遺体すらも自動小銃で損壊。踏みつけて蹂躙し、煙の中でニタニタと笑っている。

周りにいた警備をしていた一般の制服警察も混乱状態に陥っている。

「ツーマンセルのピストルだけでやりきれるか…?CLAWチームを呼ぶのは?」

「呼んだとしてもここは都心。例えシバサンの運転でも20分はかかりますわ…!」

「クソ、マジかよ…SWATを待つしかないのか…」

「カルラ、援護を頼みますわ!」

「待てルフィナ、38口径のピストルだけじゃ不利だ!」

ルフィナは爆発の煙に紛れながら小柄な体格を生かして移動すると、一人の白人至上主義者の足を引っかけて転倒させ、腕を撃って引き金を引けない武装解除状態へと持っていくと、落ちたAR-15ライフルを拾って残りの連中を銃撃した。

怯んだ白人至上主義者たちはルフィナを銃撃しようとするが、カルラが銃撃を行うことで相手を混乱させ、その隙にルフィナがライフルで足や頭部を撃って次々と沈めていった。

「クソ…お前、白人のクセに恥ずかしくないのか…!白人を白人が撃つなんてありえないだろ!?」

「人が人を撃つのも十二分に恥ずかしいと思いますわ。」

「人?〝色がついてる奴〟は人じゃなくて奴隷だろう?」

「…」

ルフィナは生き残った一人の腕を強引につかんで引きずり、カルラの元まで連れて行った。

「おい、どういうことだよ。テロの実行犯をここまで連れてきてどういうつもりだ?」

「カルラ、その辺から一台車をかっぱらって。持ち主には後でその車の倍額支払っておきますから。こいつを本部に連れていきます。私は世間に顔が割れてますから、ここでそのまま他の到着を待つと面倒なことになりますわ。CLAWの持ち味を活かしましょう。」

「あぁ、もう…ACPD本部に睨まれたって知らないからな…!」

カルラはそういうとあたりを物色し、避難したパレードの参加者がキーをつけっぱなしにしていた虹色のラッピングがなされたイベント用のトヨタ・タンドラ・ピックアップ・トラックに乗り込むとルフィナの元へと移動し、白人至上主義者の一人を雑に荷台に放り込むとそのままアクセル全開で移動を開始した。

「あ、あとそれからカルラ。途中で署に寄り道していただけないかしら?」

「なんでだ?」

「対物ライフル<バレット>を取ってきてほしいんですの──」




「おぅ、なんだその虹色のトラックは。それに煤だらけだぞ?お嬢様のくせになんて格好してるんだ。てかカルラまで何してんだ?」

アンジーはそういうとルフィナとカルラの元に近づいた。

「ちょっと色々ありまして…ニュースは見ました?」

「にゅーす?私はテレビとかあんま見ねータイプだからな…」

ルフィナはピックアップ・トラックのテールゲートを開けると、血まみれの白人を引きずり下ろした。

「ゲッ、お前ら人さらいの趣味でもあんのか?なんだってこんなやつ連れてきたんだ。」

そういってアンジーはその白人の腕の傷を指でつつくと、大きな唸り声をあげてよだれを垂らしながら絶叫した。

「おぅ、まだ元気そうだな。」

「こいつは…テロの実行犯です。」

「はぁ?テロリスト?」

アンジーが疑問そうな顔をすると青ざめた顔のタイラーがプレハブ小屋から飛び出して話しかけてくる。

「おい、相棒!アニマルシティ・プライド・パレードで爆破テロがあったって…なんじゃこりゃあ!?」

タイラーは虹色のピックアップ・トラックと煤だらけのルフィナとカルラ、そして血まみれの白人の腕の傷を指でつついているアンジーという異様な状況を見て混乱していた。

「まあとりあえずやりたいことはわかった。〝尋問〟だな?」

そういうとアンジーは白人の腕にキツメに包帯を巻いて治療すると、〝尋問部屋〟のあるプレハブへと白人を引きずっていった。

〝尋問部屋〟はCLAWの前任者が作った専用の部屋でプレハブ小屋の端っこに位置している。

中には大量の防音材と吸音材がバランスよく敷き詰められており、申し訳程度につけられた窓はまったく意味をなしていなかった。

中には錆びた鉄製の無機質な椅子と机、それに水の入ったタンクだけが置かれている不気味なほど殺風景な空間で、大声で叫んでも外には全くと言っていいほど音が漏れないようになっている。

アンジーは少し触れただけでもギシギシと不快な金属音を立てる椅子に白人の男を強引に縛り付けると、ほかのメンバーを集めて尋問を開始した。


「名前は?」


エマはそう質問するが白人の男は口をつぐんだままだった。

その白人はエマをさげすんだような目で見ていて、不機嫌そうな態度を貫いていた。

「もう一度聞く。名前は?」

「ケッ、今のSWATはこんなボロ屋敷住まいなのか?それに…〝色付き〟がボスなんてな。」

そういうと白人はエマの顔に唾を吐き、エマはそれを無表情で拭った。

「私はお前のような輩は何人も相手にしてきたから、コケにされたぐらいじゃ動揺しないし、怒りの気持ちも湧いてこないぞ。」

「ケッ…人間じゃないくせに人間様に偉そうな口聞きやがって…」

「ブルー、ちょっと荒っぽくやれ。」

背後に佇んでいたブルーが白人の男の顔面を思いきり机に叩きつけると、前歯が折れたようで血を出しながら悶絶していた。

「あぁっ…クソ…前歯が折れたじゃねえか…訴えてやる…絶対に訴えてやる…」

エマが指をフリップするとブルーはもう一度白人の顔面を机に叩きつけた。

「それで…名前は?」

「教えるかよクソったれ──ジョン・ドゥだバーカ!」

ブルーは白人の顔面を机に叩きつけた。

「まぁ、お前がマイケル・フィル・コリンズって名前なのは最初から知ってるんだけどな。うーん。しかしこのブラックなやり方は私は慣れん。後はアンジーとルフィナに任せようか。有色人種だと答えないようだし。」

そういうとエマは頭を掻きながら退出し、アンジーとルフィナが入室した。

「ほら…白人様のご到着だ。へへっ、強情みたいだから今日は楽しめそうだな。」

アンジーは錆びた道具箱を出すと、中にはペンチやニッパー、ライターにカーバッテリーといったこの状況においては使用用途を想像するのが最も恐ろしい工具を取り出していた。

「…ハンマーでナッツ割りは?」

ブルーはその辺に粗雑に置かれていた血が乾いたブリーチング・ハンマーを持ち上げた。

「いえ、じわじわやるのは陰湿ですわ。ここは堂々とアメリカ式に一言で黙らせましょう。」

ルフィナはそういってカルラに取ってこさせたバレットM82A1対物ライフルを取り出すと、小柄な体躯にもかかわらず軽々と持ち上げ、チャージング・ハンドルを引いて白人の男の顔面に突き付けた。

「おぉ、私のオキニのバレットじゃねえか。センスいいなルフィナ。」

「カルラに持ってこさせましたわ。」

「あ、あぁ…!俺はマイケル・フィル・コリンズ…ホワイト・スプレマシー・グループのメンバーです!今回のテロを首謀したのは〝ホワイト・カーク〟って暗号名の男です!居場所は知りません!ただ武器だけ与えられました!ホントに居場所は知らないです!」

「またあの3Dプリンターの銃器か…忌々しいな。」

そうアンジーは小さくぼやくと白人の男の指の爪をペンチで粗雑に剥ぎ取った。

「ぎゃああああああっ!は、話したでしょ!」

「剝がさないと拷問になんねえだろ!てか、お前腕に海兵隊のタトゥー入ってるみたいだけど元軍人なのか?」

「い、いや、違います!これを入れたほうが男らしいって…」

「要するに見せかけ<ポーザー>か。ブルー、偉大なる合衆国海兵隊を貶した代償を払わせるんだ。」

とてつもなく鈍い音とこの世のものとは思えない悲鳴が部屋の中をこだまし、まるで失禁したかのようなじわじわとした勢いでマイケルのパンツからは鮮血が流れ始めた。

「トドメは私に任せてほしいですの。結局のところコイツはテロリスト。どうせ裁判にかけられても即刻死刑ですわ。憎悪を助長して分裂を煽る輩を許すことなんてできませんわ。」

「それがいい。やっちまえ…スイカ割りだ!」

ルフィナは大きなバレット・ライフルを持ち上げてマイケルの頭に突き付けると、ゆっくりとトリガーを引く。

瞬間、バレットの大きなハンマーが落ちる音だけが聞こえ、マイケルは白目を向くと、そのまま泡を吹いて気絶した。

「おーいなんだよ。装填してなかったのか。」

「コイツは今ここで殺すよりもタマ無しの状態で生かして、死の恐怖に怯えながらどんどん男らしさを刑務所で失っていくのが一番の罰になりますわ。それよりも、3Dプリンターのゴースト・ガンを探してこの組織の元を絶たなくては。カルラ、この〝お嬢さん〟を本部まで連れて行ってください。」

「えぇ…まったく面倒な事ばかり押し付けてくるなあ。」

「対価は夜に払いますわ♡」

ルフィナはカルラの尻をそっと愛撫した。

「あーラブラブなのはわかった。ゴースト・ガンか…私の知り合いに闇で銃器を仕切ってるガンスミスがいるんだが…連絡してみる。」

アンジーは携帯電話を起動するとその知り合いに連絡を始めた。

「おぉ、アンちゃんか。久しぶり。てか、ハシシある?」

「オクスリ・パーティはまた今度だベティ。3Dプリンター製のゴースト・ガンについて知りたい。」

「ゴースト・ガン?またかぁ?さっきもお前ンとこのジャップが聞きに来たけど。」

「え、シバサンがそっちにいるのか?」

「いや、バイカー・ギャングのデビル・エンジェルスに関連してそうってことだけ話したらすぐに出てった。」

「まじかよ。助かった。今度またハシシ持っていくからな!じゃあな!」

「あ、ハシシだけじゃなくてコカも──」

アンジーは携帯電話を切るとブルーやルフィナと共に部屋を出て、エマに了承を取ると全員でホンダ・シビックとトヨタ・タンドラ乗り込んでデビル・エンジェルスが根城にしているサウス・アニマルシティへと急いだ。




サウス・アニマルシティへ到着すると小規模なダイナーの前でバイクに乗った厳ついタトゥーを入れた大柄の男たちがハーレーを吹かしながら楽しそうに談笑している様が映った。

シビックのパーキングと電動サイドブレーキを押して車を停止させると、全員でその男たちに話しかけた。

「おぅ、また警察官か…お前らもあのイカしてるバイクに乗った嬢ちゃんの仲間なのか?」

「シバサンを知ってるのか?」

「あぁ、さっき公道レースで一緒に走ったが超最高だったよ。今6番地のボロ屋敷にいるはずだ。まさかあんたらもゴースト・ガンを?」

「繋がったかもしれないな。よし、シバサンを追いかけよう。助かった君たち。協力に感謝する!」

そういうと全員車に乗り込んでダイナーの前から出発した。

「…そういえばルフィナ。お前はいつも真面目だが今日に関してはいやに焦ってるように見える。どうしたんだ?確かにパレードの惨劇は凄惨だったが…」

「それもありますが…似てるんですわ。今から8年前に起きたブルーエレファント高校銃乱射事件に。」

その発言を聞いたとたんにエマの目の色が変わった。

「ブルーエレファント高校銃乱射事件か…あれも痛ましい事件だった。3人の学生が生徒を虐殺し、逃走した挙句にバンの中で全員自殺。被害者も加害者も誰も救われないまま終わってしまった。私はSWATに入隊してまだ1年の二等巡査だった。事件に派遣され、結局誰一人撃つことはなく負傷した生徒の手当てに専念するだけで終わったがな。」

「治療…?私もあの時、即席のIEDで足を負傷して失血死一歩手前というところでガスマスクをつけたSWAT隊員の方に助けてもらいましたわ。あの時の人がいたから私は今ここにいるんですの。」

「足を負傷…?私もたしか足を負傷した生徒の手当をしたことがあったな…煤と煙で何がなんだかわからなかったが、とにかく必死で治療をした記憶がある。もしかしてあの時の子は君なのか…?」

「…今となってはわかりませんわ。それより、今回の案件はあの時と似ているんですわ。」

「似ている…?」

「圧力鍋を使った即席のIED…そして少人数の白人によるアサルト・ライフルを使った犯行。それに、私は警察官になった後、改めて資料をチェックして気づいたことがありましたの。あの事件は〝出鱈目に撃ったように見えてそうじゃなかった〟。明確に撃ち殺された死者はみんな有色人種でしたわ。私のような白人の被害者で明確に射殺された人物は誰もいなかったんですの。そして8年たっても未だに加害者とされる容疑者の両親は自分たちの子供の無罪を主張し続けている。今回のプライド・パレードの事件は全員がLGBTQ+…つまり全員が標的のヘイト・クライムだったと推測すれば筋は通りますわ。」

「なるほどな…とりあえずまずは裏を取ろう。そろそろ…ボロ屋敷に着くころだ。」

エマがそう指差してタンドラを停めると、バイクに跨ったシバサンと後部座席に乗っている一人の日系人とバッタリと鉢合わせた。

「シバサン、ここで一体何してるんだ?」

「…みんな!?ここで一体なにを…」

「私たちは今いち早くゴースト・ガンを追ってる。さっき通りで大事件が起きた。ゴースト・ガンを使ったヘイト・クライム・テロだ。数十人の死傷者が出た。ニュースを見てみろ。」

エマがそう言ってアニマルシティ・タイムズの報道記事を見せると、シバは膝から崩れ落ち、目から光を失いうずくまって泣き始めた。

「あぁっ…あっ…そんな…僕が…僕が悪いんだ…僕があの時ゴースト・ガンを取り締まることができなかったから…また色んな人が亡くなった…」

塞ぎこむシバにエマは優しく声をかけた。

「シバサン、何か知っているなら説明してほしいんだ。別に攻めたりしない。過ちなんてものは誰にだってある。塞ぎこむんじゃなくて前進しなきゃならない。それが成長につながる。その為にも円滑なコミュニケーションが必要なんだ。頼む。話せる範囲で良い。」

「そうだ。俺だって結局何も聞かされてないんだブッキー。お願いだ、教えてほしい。」

「…」

シバはゆっくりと口を開くと自身が過去に経験した全滅事件について話し始め、自身のミスで部隊が壊滅状態に陥ったことやそれによってゴースト・ガンの取り締まりができずに闇市場に流通してしまったことについて話した。

「…もっと早く話してくれればよかったのに。お前がそんな悩みを抱えていたなんて知らなかった。あの時いきなり優秀な隊員が亡くなったり退職したのはそういうことだったのか…それに一人でそんな大きな事件を解決するのは無理だ。私たちを頼れ。チームで信頼のおける仲間なんだ。」

「ごめんナギサ…僕のミスのせいで君のお兄さんは亡くなってしまったんだ…僕が無我夢中で突っ走るばっかりに…ごめんなさい…」

あたりに静寂がながれるとナギサはゆっくりと口を開き始めた。

「ブッキーは悪くない。兄さんは警察官として職務を全うしようとしたんだ。世に蔓延る悪を少しでも止めようとした。それで亡くなったなら本人も本望だと思う…それに、兄さんがダメだったとしても今いる俺たちがゴースト・ガンの元を絶てばいい。そうは思わない?俺は上手く銃を握れないかもしれないけど、カメラとペンは握れるんだ。一緒に協力して兄さんの為にもゴースト・ガンを叩き潰そう。」

ナギサはうずくまるシバに手を向けると、シバはその手に捕まって立ち上がった。

「この事件はそう単純じゃない。中にいる遺体はデビル・エンジェルスの構成員の一人と身元不明の人物が数名。腐敗してるけど明らかにおかしい。全員額を綺麗に撃ち抜かれて死んでいた。自殺にしては銃創と銃の口径が明らかに合ってない。中には物を物色した形跡がある…多分何者かがゴースト・ガンを持ち去ったんだと思う。」

「よし、ブルーとアンジーは内部の詳しい捜索。他は監視カメラの映像を探すか、近隣住民に事情聴取するんだ。とはいっても…マトモに話せる奴がいるかどうか疑問だが…」

「りょーかい…私たちはつくづくいつも損な役回りだなブルー。」

「…しょうがない。慣れてるのは、私たちだけ。」

2時間後、エマは全員をボロ屋敷の前に集めると情報共有を始めた。

ブルーとアンジーが片っ端から部屋を物色した結果、2000年代初期のものと思われるフィーチャー・フォンを発見し、その中には数か月前に秘匿回線を使った会話記録の一部が残っていた。

中には件のホワイト・カークと呼ばれる人物との会話記録が残されていた。

そしてエマたちは近隣の比較的会話のできるジャンキーたちの証言と、ルフィナの見つけたあたりの監視映像の一部から今から一週間前にトヨタ・ハイエースがこの家の前に停まり、中から銃声が聞こえたという証言が取れた。

そして監視カメラに映ったわずかな映像の断片から、フルカスタマイズされたガイズリー製のAR-15カービンを所持した数名がこの屋敷の中に突入していたことが分かった。

「なんだこいつら。メキシコの殺し屋<シカリオ>なのか?」

「いや、シカリオにしては動きがプロすぎるな。ただ断片的な映像しかわからないからこいつらがどこに逃げたのかまではわからない。監視カメラに音声記録はないしな。それにジャンキーの巣窟で質問を辿ってもどっちみち正解には辿り着かないだろう。ひとまずはこのホワイト・カークを追わなきゃならん。不用心なことにこいつは…白人至上主義者の集会場を取引現場に選んでいたらしい。そこに張ってカークを捕らえる。この会話記録によれば…そいつはおそらくテキサス出身だ。会話の一部に方言を使ってる。左手にテキサス・フラッグのタトゥーがあるらしい。その集会は一か月に一回夜中の23時にサウス・アニマルシティにある教会で開始される。ちょうど今から7時間後だ。万全の状態で臨もう。」




「なぁ、ここにはナイトビジョンはオンボロしかねえってどういうことだ?」

アンジーは倉庫で頑丈なプラスチック製のケースに入ったPVS-15を取り出し、オプスコア製の防弾メットに装着しながらぐちぐちと話していた。

「ちゃんと手入れしてないなこりゃ…というか擦れすぎだな相棒。どんな使い方したらこうなるんだ。それにこの個体に至っては片目が丸ごとぶっ壊れてるじゃないか。起動はするけど…これじゃPVS-14だ。」

「そういう壊れたり穴が空いた奴はブルーに押し付ければいい。私はこの一番きれいな奴使うからな。」

「あっ、ズルいぞ相棒。じゃあ私は二番目に綺麗な奴使うからな!」

「しかしルフィナは羨ましいよな。あいつだけGPNVG-18を持ってやがる。自費で買ったんだってよ。」

「え!?最新式の装備が試験的に納入される20チームでも31が限界なのにそんなの持ってんの!?」

「持ってますわ。」

いつの間にかアンジーとタイラーの背後の後ろに立っていたルフィナは一個で上等な日本製のスポーツカーが買える四眼のナイトビジョンを起動していた。

「つくづくブルジョワだなぁ。」

「え、ちょっと覗かせてくれよ。昔コール・オブ・デューティで遊んでたからちょっと憧れがあるんだよ。」

タイラーはそわそわしながらルフィナのメットを貸してもらい、GPNVG-18を覗くと子供のようにハイテンションになっていた。

「すご…こんなに視野角広いんだ…うう、でもこれが愛しのシビックと同じ値段なんだ…私のお給料じゃ逆立ちしたって買えっこない…」

そんな話をしているとブルーが倉庫を叩いて全員を呼び寄せる。

「…そろそろ準備、終わった?」

アンジーはブルーのヘルメットを投げ渡した。

「…また片目壊れてるの、私が使うの?」

「うるせえ。準備こっちに任せたオメーが悪いんだ。一人前の海兵隊員なんだったら、支給されたもんで満足しろ~。」

「…サー…イエッサー…」

全員はグルカに乗り込むとサウス・アニマルシティにある教会へと向かった。




サウス・アニマルシティにそびえる教会は街のはずれのほうにあり、密会をするにはちょうどいい場所だった。

辺り一面は常に煙突から煙を出している工場しかなく、この教会も随分前に神父がいなくなったらしく、埃まみれで荒廃した雰囲気があった。

シンプルな構造でステンドグラスがあたり一面に張り巡らされたスタンダードなものであった。

中では不気味なLEDライトが光っていて何やら祈るような声が聞こえてくる。

CLAWチームのメンバーは大きな施錠された扉の前に向かうと壁に順番ずつ張り付いた。

「ここはブルーのハンマーじゃ無理だな…ルフィナ、ブリーチングを頼めるか?」

ルフィナは無言で頷くとベネリ・スーパーノヴァの薬室にブリーチング弾を装填し、合図を待った。

エマが指で合図をすると、その瞬間にベネリの銃口が火を噴き、鋼鉄製の南京錠を吹き飛ばす。

そしてその瞬間にエマがドアを蹴破り、ポイントマンであるブルーがHK416Dライフルを構えながら先行して突入していく。

「アニマル市警のSWATだ!両手を床について腹這いになれ!」

いつもは言わないSWATの定型句を語りながら、白人至上主義者たちに銃口を向けて距離を縮めていく。

次の瞬間、白人至上主義者たちは被っているローブの中からゴースト・ガンを取り出すとCLAWメンバーへと銃口を向けた。

「銃だ!」

エマがそう告げると全員発砲を開始し、銃を取り出した白人至上主義者たちを片っ端から抹殺していく。

「ルフィナ、シバ!素早く裏に回って連中を片付けろ!ただし、腕にテキサス・フラッグがあるやつだけは撃つなよ!」

「了解ですわ!」

「了解。」

ルフィナは移動しながらスーパーノヴァから弾薬を抜いて12ゲージのスチール弾を装填すると、シバと共に銃器を持った白人至上主義者たちの脳天を吹き飛ばしていった。

すると慌てふためきながら逃げる一人の腕にテキサス・フラッグを確認した。

「カークを見つけた!」

「僕が追う!」

シバはライフルをスリングを使って背中に背負うと、全速力で疾走してホワイト・カークの胴体をがっしりとつかみ、その場から動かないように羽交い絞めにした。

瞬間、ホワイト・カークは腰からゴースト・ガンのグロックを抜こうとしたが、シバが柔道技をかけて腕をへし折り、腰から銃を抜いて弾薬を抜き、あたりに投げ捨てた。

他のCLAWのメンバーはあたりを警戒しながら銃を出さなかった白人至上主義者たちに手錠をかけると、呻き声を出しているカークが被っていたマスクを脱がせた。

「…先生…?」

それはルフィナがブルーエレファント高校時代に勉強を教わっていた教師だった。

「あぁ…あぁ…ル、ルフィナか…?」

「ルフィナ、コイツを知ってるのか?」

「私がブルーエレファント高校に通っていた頃の担任教師ですわ…なんでこんなところに…まさか…あの事件は貴方が!?」

「タイラー、発言を録音しろ。」エマはそう小さな声で囁いた。

「そうか…警察が来たってことはもう終わりか…俺たちの〝アメリカ漂白作戦〟は…」

「先生…いや、ホワイト・カーク…あの事件の詳細を話しなさい!」

ルフィナは怒りの形相でスーパーノヴァにドラゴン・ブレス弾を装填するとカークの瞳に押し付けた。

「へへへ…俺たちホワイト・スプレマシー・グループはな…世界の漂白が仕事だった…若い色付き共を早めに刈り取って白き世界を実現しようと…していたのさ…あの事件は…俺たちが白人至上主義者たちを集めて色付きのガキ共を虐殺させ、俺が教えてたバンド・クラブの体躯が似た三人を囮に使ったのさ…いやあ笑いもんだったよ。わざと三人の指紋や髪の毛を銃に…残したんだ。そしたらメディアが馬鹿みたいに盛り上げた。学校で虐められていたそいつらが行った蛮行だってな…あの漂白作戦が終わった後、俺たちは大笑いしてたよ…漂白が実現したってな…」

「っ…この…バケモノが!」

ルフィナが引き金を引いた瞬間、エマが銃口を叩いて反らし、ドラゴンブレス弾は明後日の方向に花火のようなマズル・フラッシュを上げた。

「待つんだルフィナ!まだ、シバサンの一件が終わってない!」

「なんで撃たせなかったんですの!私は、コイツを殺すんです!殺さなきゃ…殺さなきゃあ!」

「落ち着くんだ!」

エマは怒るルフィナを抑えて外へと連れだすと続いてシバが質問を開始する。

「ゴースト・ガンはどこで手に入れた?どうやって流したんだ。」

「へへ…それは…言えないね…この案件には多くの組織の闇が絡んでるからな…」

シバは折った個所にもう一度強い衝撃を加えると、カークはとてつもない悲鳴を上げる。

「一つだけ大きなヒントを教えてやろう…この案件にはエ──」

何かを口にしようとした瞬間、銃声が聞こえると共にカークの顔面は叩き割ったスイカの如く破裂し、そのまま動かなくなった。

「…!?狙撃か!」

アンジーはそう言って天井に銃口を向けるがどれだけ光学照準器を覗いてもあたりには何の気配も残っていなかった。




一週間後、タイラーの録音した証拠はナギサを通してアニマルシティ・タイムズの紙面に大きく報道された。

声紋分析の一致後に間もなくしてカークの家へと家宅捜索が行われると様々なテロの記録やそれに関する裏付けとなる資料が山ほど見つかった。

ニュースでは加害者とされていた生徒の名誉が回復されたと報道され、その親族たちは泣きながら自身の子供たちがテロリストでなかったことが証明されて安堵している様子だった。

CLAWチームが逮捕した白人至上主義者たちの面々についても、多くがその計画に加担しており、多くが死罪もしくは重罪の刑が処された。

だが、シバとナギサの二人は結局煮え切らない様子で話していた。

「結局…ゴースト・ガンの在り処までは掴めなかった。ごめん…」

「いいんだよ、ブッキー。まだチャンスはある。それに無実の罪に問われていた子供たちの魂を救えただけでも十二分にやるだけの価値があったと思う。」

「そうだね。それにあいつは何かを言おうとしていた。エとだけしかわからなかったけど、きっとこの手掛かりで元を絶てるはず。」



こうして、また新たな信念を胸に一つの大事件の幕は閉じた。

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