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転生王子はスライムを育てたい ~最弱モンスターが世界を変える科学的飼育法~  作者: 宵町あかり


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第101話 六体共鳴の始動

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

第101話をお届けします。


全員が封印の間に集結。物理攻撃を試みますが全て無効化されてしまいます。

レオンは古代の記録の真意に気づき、テラとクリスタが対極の調和を実現します。


お楽しみください。

 封印の間に、次々と足音が響く。


 テラ、クリスタ、エオリア、ルミナが、封印の間に駆け込んできた。


 全員が、レオンの周りに集まった。


 レオンは、全員を見回して微笑んだ。


「みんな、来てくれたんだね」


 フィルミナが、レオンの隣に立つ。


 マリーナも、明るく言った。


「全員集合だね!」


 レオンは、全員に説明した。


「フィルミナとマリーナが、炎と水の調和を実現してくれた。絶望の波動に対抗する方法を見つけたんだ。今度は、テラとクリスタ、大地と氷のペアの調和が必要だ。そして、エオリアとルミナの風と光。三つのペアが調和すれば、『絶望の翼』を封じられる。対極のペアが協力することで、個別では達成できない力を生み出せるんだ」


 テラが、静かに前に出た。


 クリスタも、テラの隣に立った。


 テラは、真剣な表情で言った。


「わかりました、レオン様。私の大地の力は、強固です。でも、一人では柔軟性に欠ける。クリスタさんと一緒なら、きっと大地も氷も、もっと強くなれる。フィルミナさんとマリーナさんが道を開いてくれた。次は、私たちの番です。私が支え、クリスタさんが守る。対極のペアとして、力を合わせます」


 クリスタが、テラを見つめて言った。


「テラ、あなたと共に戦えることを誇りに思います。私の氷は、300年間孤独でした。でも、あなたの大地と共にあれば、氷は温かさも持てる。大地と氷、対極のペアとして、私たちも調和を実現します。古代の大地と氷のように、均衡を生み出して、闇を払いましょう」


 エオリアが、明るく励ました。


「テラ、クリスタ、頑張って!」


 ルミナも、優しく言った。


「二人なら、きっと大丈夫です」


 シグレが、レオンの隣に立って言った。


「レオン殿、全員が揃ったな」


 レオンは、頷いた。


「はい。七人の力で、『絶望の翼』に立ち向かいます」


 封印の魔法陣の中央で、影が蠢いていた。


「絶望の翼」の存在感が、ますます強くなる。


 黒い波動が、部屋全体を包み込もうとしている。


 レオンは、テラとクリスタを見た。


「まず、あの影に攻撃を試してみよう」


 テラとクリスタは、頷いた。


「はい、レオン様」


 戦いが、始まる。


---


 フィルミナが、最初に手を前に出した。


 炎の魔力が、彼女の手に集まる。


 赤い炎の球が生まれ、影に向かって飛んでいく。


 しかし、炎の球が影に触れた瞬間、消えてしまった。


 まるで、闇が炎を飲み込んだかのように。


 フィルミナが、小さく呟いた。


「...効かない...」


 次に、マリーナが試した。


 水の魔力が、彼女の手に集まる。


 青い水の流れが、影に向かって飛んでいく。


 しかし、水の流れも影に触れた瞬間、蒸発してしまった。


 マリーナが、驚いた表情で言った。


「...消えちゃった...」


 テラが、両手を地面につけた。


 大地が、激しく震えた。


 茶色の波動が、床から立ち上る。


 巨大な岩の塊が、地面から生まれた。


 岩は、巨大で、重い。


 テラの大地の力は、全てを支え、全てを砕く力だ。


 岩が、「絶望の翼」の影に向かって飛んでいく。


 しかし、岩が影に触れた瞬間、砕け散った。


 影は、まるで何事もなかったかのように蠢き続ける。


 テラの顔が、青ざめた。


 テラは、震える声で呟いた。


「...私の大地の力が...効かない...?大地は、全てを砕くはずなのに...あの影は、大地さえも受け付けない...私の力では、足りないのか...?もっと強い力が必要なのか...?こんなに努力してきたのに...まだ...まだ足りない...?」


 クリスタが、次に試した。


 氷の魔力が、彼女の手に凝縮される。


 巨大な氷柱が、空中に生まれた。


 氷柱は、鋭く、美しい。


 クリスタの氷の力は、300年の時を超えて研ぎ澄まされている。


 氷柱が、影に向かって飛ぶ。


 しかし、影に触れた瞬間、氷柱は溶けてしまった。


 まるで、春の雪のように。


 クリスタの顔が、曇った。


 クリスタは、静かに言った。


「...氷の力が...通用しない...?300年間、私は氷を極めてきました。でも、あの闇には...氷が溶けてしまう...私の氷は、闇を凍らせることすらできない...これでは、みんなを守れない...300年の孤独が、無駄だったのでしょうか...」


 エオリアが、風の魔力を放った。


 緑色の風が、影に向かって吹き荒れる。


 しかし、風も影に触れた瞬間、消えてしまった。


 エオリアが、唇を噛んだ。


「...風も効かない...」


 ルミナが、光の魔力を放った。


 黄色の光が、影を照らす。


 しかし、光も影に触れた瞬間、吸い込まれてしまった。


 ルミナが、小さく呟いた。


「...光すら...」


 全ての攻撃が、無効化された。


 封印の間に、絶望感が広がる。


 レオンも、唇を噛んだ。


 物理攻撃では、あの影を倒せない。


 どうすればいいんだ...?


---


 全員が、沈黙した。


 絶望感が、部屋全体を包み込む。


 テラとクリスタは、俯いている。


 エオリアとルミナも、不安そうだ。


 フィルミナとマリーナも、どうすればいいのかわからない表情だ。


 レオンは、必死に考えた。


 なぜ、物理攻撃が効かないんだ...?


 古代の記録には、何か書いてあったはずだ...


 その時、レオンの脳裏に、Chapter 9での研究が蘇った。


 古代の記録に、確かにこう書いてあった。


「破壊ではなく浄化」


 その意味が、今、わかった。


 レオンは、目を見開いて叫んだ。


「...そうか...!物理攻撃では、闇を倒せない...!古代の記録にあった『破壊ではなく浄化』...その意味が、今、わかった...!闇は敵じゃない。バランスを失った存在なんだ。破壊しようとすれば、反発する。でも、調和すれば...浄化できる...!攻撃じゃなく、調和の力で...!」


 クリスタが、すぐに反応した。


 クリスタは、静かに言った。


「レオン様の言う通りです。私が読んだ古代の記録には、こう書かれていました。『六つの力を一つに、対極を調和に。破壊は闇を強め、調和は闇を癒す』...古代の人々は、闇を破壊しようとしたのではなく、調和によって浄化したのです。物理的な力ではなく、精神的な均衡で...」


 テラが、顔を上げた。


 テラは、クリスタを見つめて言った。


「...調和...?私の大地の力だけでは足りない。でも、クリスタさんの氷と一緒なら...大地と氷は、対極です。大地は温かく、氷は冷たい。でも、二つが協力すれば...均衡が生まれる。その均衡が、闇を浄化する力になる...?攻撃じゃなく、支え合うことで...」


 クリスタが、テラの言葉を受けて言った。


「その通りです、テラ。氷は孤独で冷たいですが、大地は包容力があります。私の氷が大地の上にあれば、氷は割れない。あなたの大地が氷に覆われれば、大地は守られる。互いを補完し合う...それが、対極の調和です。フィルミナさんとマリーナさんがやったように、私たちも調和を生み出せます」


 フィルミナが、励ますように言った。


「そうです。私たちも、最初は戸惑いました。でも、互いを信じ合えば、調和は生まれます」


 マリーナも、明るく言った。


「炎と水が調和できたんだから、大地と氷も絶対できるよ!」


 テラとクリスタが、互いを見つめ合った。


 二人の目には、決意が宿っている。


 テラが、クリスタに手を差し出した。


「クリスタさん、一緒に」


 クリスタが、テラの手を握った。


「ええ、テラ。一緒に」


 レオンは、二人を見て微笑んだ。


 調和の力。


 それが、闇を浄化する鍵だ。


---


 レオンが、二人に言った。


「テラ、クリスタ、君たちの番だ」


 テラとクリスタは、頷いた。


「わかりました、レオン様」


「大地と氷のペアとして、協力します」


 二人は、向かい合って立った。


 テラが、クリスタを見つめて言った。


「クリスタさん、私の大地の力は強固ですが、柔軟性に欠けます」


 クリスタが、テラを見つめて言った。


「テラ、私の氷の力は柔軟ですが、脆さもあります」


 テラは、深く考えて言った。


「でも、二人が協力すれば...大地が氷を支え、氷が大地を守る。クリスタさんの氷は、私の大地の上でなら割れない。私の大地は、クリスタさんの氷があれば、より強固になる。対極だからこそ、補完し合える...!私は一人では柔軟性がないけれど、あなたの氷が私を柔らかくしてくれる...!」


 クリスタは、静かに微笑んで言った。


「その通りです、テラ。300年間、私は一人で戦ってきました。でも、あなたと出会って、初めて本当の力を知りました。氷は孤独を象徴しますが、大地と共にあれば、温かさも持てる。私たちの調和が、『絶望の翼』を止める...!あなたの大地の温かさが、私の氷の冷たさを包み込んでくれる...!」


 二人が、手を取り合った。


 その瞬間、大地の茶色の光と氷の青白い光が、二人の手から溢れ出した。


 二つの光が、混ざり合う。


 茶色と青白が混ざり、緑色の波動が生まれた。


 レオンは、目を見開いた。


「大地と氷の調和...均衡の力だ...!」


 フィルミナが、驚いて言った。


「緑色の波動...生命の色...」


 マリーナも、感動して言った。


「テラとクリスタが...調和してる!」


 エオリアが、手を叩いた。


「すごい!二人とも、やったね!」


 ルミナも、優しく微笑んだ。


「大地と氷が、一つになって...」


 シグレが、レオンに言った。


「レオン殿、二人の調和は成功だ」


 レオンは、頷いた。


「はい。フィルミナとマリーナの炎と水、テラとクリスタの大地と氷...二つのペアが調和を生み出しました」


 緑色の波動が、封印の魔法陣に向かって流れていく。


 魔法陣の中で、二つの紋章が輝き始めた。


 大地の紋章と、氷の紋章だ。


 紋章が、力を取り戻している。


 しかし、まだ弱い。


 「絶望の翼」の黒い波動は、まだ強い。


---


 レオンは、封印の魔法陣を見つめながら考えた。


 Chapter 9で、僕たちは六体共鳴を研究してきた。


 対極のペアが協力することで、個別では達成できない力を生み出す...


 その原理が、今、実践されている。


 フィルミナとマリーナ、テラとクリスタ...


 そして次は...


 レオンは、エオリアとルミナを見た。


「エオリアとルミナ、君たちも準備してくれ」


 エオリアが、元気よく答えた。


「うん、レオン!風の力、全開で行くよ!」


 ルミナも、優しく答えた。


「はい、レオン様!光の力で、闇を払います!」


 シグレが、レオンに言った。


「レオン、君の判断は正しい」


 レオンは、シグレを見て言った。


「でも...物理攻撃が効かない以上、別のアプローチが必要です」


 シグレが、頷いた。


「調和の波動か」


 レオンは、確信を持って言った。


「はい。古代の記録にあった『破壊ではなく浄化』...その意味が、今、完全に理解できました。闇は敵ではなく、バランスを失った存在。破壊しようとすれば、反発する。でも、調和すれば...浄化できる。六体の力を一つにして、調和の波動を生み出す...!それが、古代の人々が信じた方法です...!」


 全員が、レオンを見た。


 フィルミナが、力強く言った。


「はい、レオン様!」


 マリーナが、明るく言った。


「レオン、信じてるよ!」


 テラとクリスタが、同時に言った。


「私たちも、レオン様と共に」


 エオリアとルミナも、同時に言った。


「レオン、一緒に頑張ろう!」


 レオンは、全員を見回して微笑んだ。


 七人の絆。


 それが、僕たちの力だ。


 古代の人々は、六体の力を一つにして、闇を封じた。


 僕たちも、同じことができる。


 いや、僕たちには七人目がいる。


 僕が、みんなを繋ぐ。


 古代を超える力で、『絶望の翼』を封じる。


---


 レオンが、全員に言った。


「みんな、六体共鳴を発動する準備をしよう」


 フィルミナとマリーナが、前に出た。


 二人は、まだ手を繋いでいる。


 白い蒸気のような光が、二人の手に宿っている。


 フィルミナが、力強く言った。


「炎と水のペア、準備完了です」


 マリーナも、明るく言った。


「いつでもいけるよ!」


 テラとクリスタも、前に出た。


 二人も、手を繋いでいる。


 緑色の波動が、二人の手に宿っている。


 テラが、静かに言った。


「大地と氷のペア、準備完了です」


 クリスタも、優しく言った。


「ええ、私たちも準備できました」


 エオリアとルミナが、互いを見つめ合った。


 二人は、まだ調和を生み出していない。


 でも、準備はできている。


 エオリアが、元気よく言った。


「風と光のペア、これから準備するね!」


 ルミナも、優しく言った。


「はい、すぐに準備します!」


 レオンが、全員に指示した。


「では、対極のペアごとに配置につこう」


 六人が、封印の魔法陣の周りに配置された。


 魔法陣には、六つの頂点がある。


 それぞれの頂点に、一人ずつ立つ。


 フィルミナとマリーナが、向かい合って立った。


 炎と水のペアだ。


 テラとクリスタも、向かい合って立った。


 大地と氷のペアだ。


 エオリアとルミナも、向かい合って立った。


 風と光のペアだ。


 レオンが、中央に立った。


 レオンは、全員に言った。


「まず、互いを信じ合って。対極だからこそ、支え合える」


 六人が、ペアごとに手を取り合った。


 フィルミナとマリーナ。


 テラとクリスタ。


 エオリアとルミナ。


 レオンは、真剣な表情で全員に語りかけた。


「それぞれのペアで、調和の波動を生み出してください。そして、僕が七人目として、三つの波動を一つに統合します。それが、六体共鳴...古代を超える、僕たちの力です。信じています、みんな!僕たちには、絆がある。一人では弱くても、七人なら強い。対極だからこそ、補完し合える。調和の力で、闇を浄化するんだ!」


 全員が、同時に答えた。


「はい!」


「レオン!」


 六体の光が、それぞれ輝き始めた。


 フィルミナの赤い炎の光。


 マリーナの青い水の光。


 テラの茶色の大地の光。


 クリスタの青白い氷の光。


 エオリアの緑の風の光。


 ルミナの黄色の光の光。


 六つの光が、封印の間を照らす。


 レオンは、中央で両手を広げた。


 僕が、みんなを繋ぐ。


 七人の絆で、古代を超える。


 「絶望の翼」を、再び封じ込める。


 戦いは、これからだ。


 でも、希望がある。


 僕たちは、一人じゃない。


 七人で、未来を切り開く。


 封印の間に、六つの光が輝いている。


 レオンの周りに、調和の波動が集まり始めた。


 次は、エオリアとルミナの風と光の調和だ。


 そして、三つのペアの波動を、一つに統合する。


 六体共鳴の、本当の力を見せる時だ。


 レオンは、決意を新たにした。


 古代の人々が信じた未来を、僕たちが実現する。


 フィルミナとマリーナ、テラとクリスタ——二つのペアが調和を実現した。そして次は、エオリアとルミナ。三つの波動が一つになる時、古代を超える力が生まれる。六体共鳴の完成は、もうすぐだ。

第101話、お読みいただきありがとうございました。


物理攻撃が通用しない展開から、調和による浄化へ。

テラとクリスタが互いを補い合う場面を書いていて、キャラクターの絆が深まるのを感じました。


次回は風と光のペア、そして六体共鳴の完成に向かいます。


次回もお楽しみに。


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