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六月  作者: 賀茂史女
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第参部 東征 弐 伊勢国

延暦六年(787年) 秋

坂下郷に、西域人の様な容貌の近衛少将が滞在する事になった翌朝、小角は早朝から、伊登の様子を見に里主の邸を訪れた。

坂下に住むようになってから、小角は髪を緩く結わえ、筒袖の襖に裾長の裳を重ねた娘姿で暮らして居た。

男童子姿を改めていたのは幸いだった。

山部に(ちか)い者に関わる事は避けたい所だ。

気づかれずに済むなら素知らぬ顔を通すつもりだった。

表門を避けて、小柴垣の潜りから伊登の曹司に向かい、庭に足を踏み入れかけた時、植栽の向こうの人の気配に脚が止まった。

昨夜(まみ)えた近衛少将が、深紅色の衣襖姿で抜き身の太刀を持ち、舞っていた。

緩やかで、流れる様な力強い所作に、小角は暫し見入った。

凡そ華美とは言えないが、無駄の無い動きだ。

官人が持つ烏造りの太刀では無く、毛野の民と同じ蕨手刀であることに小角は気づいた。

陸奥駒と共に、蕨手刀も都の武官には高く評価されているのだろうか。

太刀の舞ならばおそらく楽曲は太平楽で舞うのだろう。

父は春秋の大祭では、勇壮な矛の舞を太平楽で舞っていた。

気づかれる前にその場を離れようとしたが、その気配が寧ろ舞手の注意を牽いたらしく、近衛少将は脚運びを止めて振り向いた。

小角が昨夜とはうってかわった姿であるにも関わらず、酒席に侍った者だと一目で判別がついたらしく、笑顔が向けられた。

太刀を納めて歩み寄る少将に、小角が無言のまま袖を袷て礼をすると「今朝この家の主から聞いたが、貴方はこの家の客分で在られるそうだな。昨夜はそれも知らず失礼した」と声がかけられ、礼を返された。

「里主の客分でも身分も位も無い身。都の方が気にかける事ではありますまい」

早く立ち去りたい小角は素っ気なく答えたが、少将は和やかに言葉を継げた。

「飯高の大刀自に(ゆかり)の方と聞いている。私の父も私自身も共々に、飯高内侍にも飯高命婦にも一方ならず恩義がある。私は近衛府の少将で坂上田村麻呂と言う者だ。お見知りおき戴ければ有り難い」

初めて東山で見えた時にも思ったが、響きの佳い声だ。

独特な抑揚が詠うようで、耳に心地よい。

炊屋の端女達が植栽の向こうから小角の姿を見とめ、「お早いですね、鈴鹿様」と呼びかけ、昨夜の事を聞こうと近寄って来たが、傍らに都から来た異容の客人が立っていることに気づくと、物も言わずに蜘蛛の子を散らすように逃げてしまった。

取り繕うのに小角は間が持たない思いをした。

どうもこの男君と二人きりになるのは気まずい。

「ああ、その、今の女達は都の貴人と口を利くことが畏れ多いと思ったのだろう。悪く思われるな」

目を上げて顔を見やると、田村麻呂は端女達の無作法を怒るでも無く、あからさまな恐れを疎んじるでも無く、微苦笑を浮かべて逃げ去る女達の後ろ姿を見送っていた。

「私はこのように肌も髪も眼の色も変わっているので、大抵の人には初めて会うと驚かれる。もう慣れた。これは坂上の(みおや)の血が時おり現れるからだと伝わるが、訪朝使の姿でも無い私は人の目には奇異に映るのだろう。尤もな事だ」

「祖の血か」

東漢氏の中でも坂上氏は最も旧くからある家柄だ。

祖は秦氏や葛城の民と同じく大陸から来た民だが、葛城の民とは違い、早くから倭人と馴染み、交わりながら勢力を拡げた氏族だ。

祖の中に、大陸の西の涯に住む、肌や髪の色、顔立ちが違う民が居たのだろう。

「では尊ばれて育てられただろう」

父の八咫も、その優れた体格や異能の力は祖の血の顕れと言われ、尊ばれていた。

「ああ、その通りだ。よくおわかりになるな」

田村麻呂は晴れやかな笑顔を向けてきた。

この男君には心の襞というか、歪みや陰影をまるで感じない。

それだけこの男君の心が強靭であるのか、或いは心の響きが鈍いのか、判別がつかない。

捉え処の無い男君だと小角は思った。

「鈴鹿殿と謂われるか」

再び人懐こい表情を向けられて、名乗らずに済んだ事にやや安堵した。

「鈴鹿峠に住んでいるのでな」と小角はにべもなく答えたが、田村麻呂は気にも留めていないようだった。

「お独りでか?。危うき事よ。背の君はこの屋敷の方か」

大真面目に案じられて小角は言葉に詰まった。

背の君と聞いて思い浮かんだ面影を打ち消そうと、微かに眉を潜めた。

「背の君など。ここには娘御の」言いかけて治療とは言えず、更に言葉に詰まった。

「伊登に用があって来ているのだ」

しどろもどろの答えに気づかぬように田村麻呂は答えた。

「お一人なのか。では賊の掃討が終わるまで、この屋敷に留まられるよう里主に申し入れて来よう。危い目に合わせるわけにはいかぬ」

危い目だと?。

か弱きものとして扱われた事の無い小角には、まるで侮りの言葉のように感じられた。

「少将殿は賊の討伐にお出でと聞いた、私の身など案じて戴くことでもあるまい。賊については何か聞かれたか?」

皮肉を交えた小角の問いに、田村麻呂は含まれた棘には気づかぬものか、考え深げに答えた。

「国府で、襲われた里の所在を襲われた順に聞いてきた。加太峠の街道を挟んで行きつ戻りつしながら次第に北へと移動していたものが、この夏から加太峠辺りにも街道にも現れなくなっている。名主から鈴鹿の峰の地形について聞いたが、あの山並みは概ね東側が険しく西側が緩やかな峰となっているとの事だった。峰沿いに塒を移したのだろう。坂下は国府に近いので皆安心していたろうが、次にはこの坂下が襲われよう。恐らく賊は、鈴鹿関が狙いなのだ」

小角は其処まで考えが及んでいなかった。

関には駅馬も養われ、蔵には穀類も武器も蓄えられている。

しかも平常時の警護は国府とは比べ物にならないほど手薄だ。

「関を襲って、馬で東国へ逃れるつもりなのだろう」

この武官は思っていたより思慮深いと眼を見張った小角が、恐れているのだと思い違いをした田村麻呂は、急いで言葉を継げた。

「案じられるな。そうなる前に絡め捕るつもりだ」

「塒に心当たりはあるのか?」

更に訊ねた小角に、田村麻呂は沢を遡れば直に知れようと答えた。

その為に国府の兵は連れず、まずは単身坂下を訪れたのか。

この武官が失敗(しくじ)れば、その時その時で討伐が繰り返されようが、次もまた聡い武官が来るとは限らぬ。

それならいっそ、今一絡めにしてもらうが良かろうか。

尤もこの思慮深さなら要らぬ世話かも知れぬが、この少将殿を早々に都へ立ち帰らせるには協力するのも一つの方法かも知れない。

「賊が塒にしている場所に思い当たる所がある」

小角の言葉に今度は田村麻呂が眼を見張った。

「少将殿がお望みなら案内しよう」

お願いすると答えた田村麻呂の衣襖姿を眺めて小角は言った。

「陽のある内がよかろうな。私の用は伊登に会えば済むのでいつでも伴は出来るが、だが少将殿の姿は目立ちすぎまいか」

午刻を過ぎた頃、河鹿も共に、田村麻呂は粗末な生成りの亜麻の筒袖の襖と袴に着替え、太刀も佩かずに、徒歩で鈴鹿の峰に向かった。

道すがら、小角が、賊が元は流民であろうと語った事から、流民が増える理由として、造営、干魃の影響で租税が引き上げられている事などが話題に上った。

「干魃?、ああ、ここいらは晴れるも降るも時宜に叶っていたが、そうか。西国は日照りか。この度は干魃でも調は減じられぬのか」

東も富士の山は今のところ微睡んでいるが、いずれまた目を覚まそう。

小角の表情は暗くなった。

田村麻呂は淡々と語った。

「大君というものは、民の暮らしを案じても、国力の衰退を憂えばそうそう調を減じるわけにいかないものだ」

長岡の都の造営は捗らず、宮ではこの日照りを、亡き皇太弟の祟りではないかと囁く者が増えてきた。

調を減じたところで官民の不満は絶てず、飢えて死ぬ者が劇的に減るでもない。

「それでも誰もがみな各々に、己のみが損せぬように、献じる調を減そうと腐心するのではないか。受領は官人が求めるからと民から余分に搾取して懐に収め、寺社は僧侶や下部の人数や持つ田畑を少なく申し上げ、とな。人は政を利しようと己の秤で辻褄を合わせるものだ」

小角がぽつりと呟くと田村麻呂は驚いたような眼を向けてきた。

「大君は尊ばれもするが、同時に政の責を負い、そういう不正の恨みまでをも一身に受ける。今の朝堂には大君を身近で支える者は居るのだろうか」

田村麻呂は感心していた。

聡い娘御だ、大人の男でもこういう答えはなかなか聞けるものではない。

だが一歩間違えれば政道批判とも採られよう。

「大君は強い方だ。皇太子はまだ年若であらせられるが、朝堂には大君を慕うものも多い。殊に先帝の皇女で斎王の母君、酒人内親王様は大君にとって無二の方であらせられる。だが、もうこの話は終わりにした方が宜しかろう」

酒人が。

そうか。

井上の死んだあの夜より以前からなのだろうが、山部と酒人が関わりを持ってから、二人ともその心に変わりは無いのか。

例え政の支えで無くとも、山部自身の心を支える者は居るのだ。

「ああ、そうだな」

と、相槌を打ちながら、小角は何故か心が安らいでいくのを感じた。


小角は賊に気づかれぬよう、三子山から尾根づたいに、賊の塒近くを流れる沢の上流から田村麻呂と河鹿を案内した。

雨風を凌ぐよう、木と茅で造られた粗末な庵がいくつも造られ、まるで集落のようになっていた。

年齢も様々な賊達の多くは髷を結わず、髭も伸び放題な大童姿で、垢染み、破れた衣からは、刀傷や鞭の痕がこれ見よがしに覗いていた。

足を引き摺っていたり、横になっている者は怪我人と思われた。

頭目とおぼしき壮年の男を囲み、焚き火の跡の傍らで酒が酌み交わされていた。

車座に居る男達は皆、どこから手に入れたものか、太刀や弓を持っていた。

やがて口論となったらしく激しい掴み合いとなり、頭目らしき男が一喝した。

「都人が居ようが居まいが、坂下で戴ける物は戴くのよ。女が欲しくば坂下以外で探せ。これ以上警戒させてどうする。東国まで逃げるには関を襲ってもまだ馬が足りないというのに、(うぬ)ら勝手な事を抜かすでないわ」

怒鳴り散らして唾を吐き、辺りの男達を睨み付けると、頭目とおぼしき男は立ち去った。

三人は顔を見合わせ、無言のまま沢沿いに尾根へ出た。

稜線で暫く田村麻呂と河鹿は周囲の地形について話し込んだ。

名主の屋敷に戻る道すがら、田村麻呂は言った。

「山狩りの準備に一両日はかかろう。坂下は今夜はともかく、明日の夜あたりが最も危ういと思われる。私は一度国府に戻って兵を集め、関を固めるよう使者を出す。貴方も名主の屋敷に留まられた方がよかろう」

庵には蛍が待っている。

そんなわけにいくかと思いながら小角は「私にも帰りを待つ者が居るのでな」と答えた。

田村麻呂の藍色の目がほう、と見開かれ、髪と同じ黄褐色の直線的な眉が持ち上がった。

縁者は既に亡いと聞いたが。

「ではその方もお連れになるがよかろう」

簡単に言ってくれると思いながら小角は答えなかった。

田村麻呂は、嘗て東山で出会った丹生部の様な呪禁師と、目の前にいる飯高氏縁の女君がよく似ている事が気がかりだった。

七年も過ぎている。

あの頃とさほど変わり無い年頃と見えるのは不思議だが、或いは本人で無くとも、縁者ではないかと考えていたのだが。

あの後、高子は一年程を穏やかに生き、苦しむこと無く息を引き取った。

もしあの呪禁師に再び会えたら礼を言いたいと予々思ってきた。

「貴方は縁ある者は既に無いと申されたが、飯高の丹生部のお生まれか?」

突然の問いに、小角は後ろめたさから切り口上になった。

「飯高にも丹生部にも血の繋がる者は居ない。姓も無い身だと言わなかったか」

「これは失礼した。貴方に大層よく似た方を見知っているのだ。予々礼を言いたいと思ってきたが行方の知れぬ事とて訊ねたのだが、気分を害されたなら済まなかった」

田村麻呂は小角の声の冷ややかさを無礼とも思わぬ様に謝罪した。

いつぞやもそうだったが、身分無い女にまで礼をするこの男君は、本当に近衛少将なのだろうか。

矜持というものが無いのではあるまいか。

馴染みの無い苛立ちが何処から来るものか解らず、小角は益々居心地が悪かった。


庵に戻った小角は、小さいながらも蛍の為に造った厩で、水桶と飼い葉桶を満たした。

藁で蛍の体を擦ってやりながら、明日の事を考えると気が重くなった。

伊登の事は気がかりだが、名主の屋敷に行ってあの近衛少将と顔を合わせれば、またきっと山狩りが終わるまで留まれ等と言うだろう。

蛍は賢い馬だが、盗人相手ではどうにも出来ない。

小角が此処を留守にしている間に、山に火でもかけられては結界も役に立たない。

いっそ前鬼か後鬼に留守居をさせるか。


翌日、小角は再び早朝から里主の屋敷に向かった。

前栽に気配を感じて足を止めると、田村麻呂が昨日と同じように太刀の舞を舞っていた。

見つかりたくない小角は、今度は気配を殺した。

昨日はそのまま国府に残ったかと思ったのだが、戻っていたのか。

背後から眺めている内に、所作の一つ一つが、洗練されてはいても優美では無いのは、この舞が太刀運びに伴う動きそのままだからなのだと小角は気づいた。

動きが緩やかなので気付かなかったが、舞というより、これは太刀の修練なのか。

所作が進むにつれて、舞手の集中力が高まるのが解った。

意の集中が神気と呼べそうな程に高まった時、田村麻呂はいつの間にか、間合いを詰め、振り向き様に大きく一歩踏み出して、小角に切っ先を突きつけていた。

太刀を向けられ、目を見張っているのが小角だと気づき、田村麻呂自身も驚いた様子で「失礼した。気配を殺して潜んでいる者かと、いや、申し訳なかった」と太刀を納めた。

気配を消して居たのは確かだ。

顔を合わせるとまた何かと口を出されそうで、すぐその場を立ち去るつもりだったのに、見入ってしまったのだ。

間合いを詰められていることに、太刀先が喉元に来るまで気づけなかった己が口惜しかった。

この男君は振り向かないまま、私が気配を殺していることまで察知したというのに。

答えない小角が怖じているのだと思ったのだろう。

藍色の眼が動揺していた。

「済まなかった。中々心が平らかにならず、熱が入りすぎてしまった様だ」

この男君が狼狽える姿を見るのは初めてのような気がした。

「私は覗き見していたのだ。咎められてもしかたあるまい。今の所作を見ていて少将殿が良き使い手だと、よく解った」

小角が仏頂面で答えると、田村麻呂は更に困り果てた表情になった。

時折見くびられている様には感じるが、この男君の業が優れている事は確かだ。

「私も教えて貰えるだろうか」

思いもよらぬ言葉が小角の口から出て田村麻呂は返す言葉を失った。

「太刀の修練の為の舞なのだろう。私にも教えてくれまいか」

ややあって、見上げる小角に田村麻呂は「貴方にはご不要のものと思われるが」とようやく答えた。

「あれが修練だと、よくお分かりになるな。一族の男児はこの舞で太刀筋を覚えるのだ」

小角が口ごもりながら「私も受け継いだ小刀の舞があるのだが、師を喪って久しい。今の少将殿の舞から何か得るものが有るように思われるのだが」と言うのを聞いて、田村麻呂は「では、一通り型と足運びをお見せしよう」と答えた。

小角は心得があるだけに呑み込みが早く、半刻程で一通りの所作は覚えた。

田村麻呂は、所作を急がず、緩やかで正確な動きと呼吸を心がけられよと言った。

小角が感謝の言葉を述べると、田村麻呂は和やかな笑顔を見せた。

「貴方は名主の娘御の怪我の治療にお通いなのだそうだな。娘御の具合は如何だろう?」

訊ねられて、小角は何故それがこの男君の耳に入ったものかと驚いた。

「怪我は直に癒えるだろう」とだけ答えた小角の表情を見遣って、田村麻呂は「遅くとも明日には山狩りが始まる。(おみな)独りの住まいは危ない。山狩りの間だけでもこの屋敷に逗留されるが御身の為だ」と、諭すように言った。

「私は賊をできる限り殺さずに捕らえるつもりだが、それが却って、貴方の様に近在に暮らす者の障りとなるかもしれない。貴方もご覧になったように相手は武装しているのだから」

小角は田村麻呂の顔を見上げた。

この男君は、私が普通の年若な娘だと思うからこそ、こうして案じてくれているのだ。

身分に拘泥しないのは人柄なのだろう。

私が居心地悪く思うのは、この率直な男君の前で己の姿を偽っているからなのか。

だがやはり蛍を庵に置き去りにはできない。

「今日も国府へ行かれるのか」

「ああ、そのつもりだ。だが陽が落ちる前には戻ろう」

「少将殿は国司になった事はおありか」

「いや、私はまだ無いが、父は外官(地方官)を歴任した」

「なぜあの賊達が武具(もののぐ)なぞを手に入れられたと思われる?」

小角が重ねて問うと、田村麻呂は苦々しげに答えた。

「国府の正倉の中から消えた物があるのだろうな」

だが、と口調を改めて小角に真摯な眼が向けられた。

「その事を追求する権限は私には無い。出来ることを果たすまでだ。私に課せられたのは、伊勢国の安泰と、東海道(うみつみち)の安全を図る為に賊を捕らえよという命だ。では、私は国府へ行くので失礼する」

東海道(うみつみち)の安全と聞いて、小角は再び毛野の民に禍が及ぶのではないかと漠然とした不安を感じた。

以前真備は、十年(ととせ)に一度の陸奥国の調の事を独り語ちていたが、間も無く二度目の京進の年となる。

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