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六月  作者: 賀茂史女
16/53

第弐部 遷都 七 坂上田村麻呂

天応元年(781年) 秋

小角は蛍と共に山背国愛宕郡の賀茂社の重陽神事を訪れた。

嘗ては秋の大祭だったこの神事も趣を変えていた。

賀茂郷に住む者で嘗ての賀茂の里を知る者は、既に誰も生き残っては居なかった。

刀神楽を舞う者はもう誰も居ないのだ。

だが社の背後に聳える神山(こうやま)に父が拓いた龍穴からは今も事代主の力が溢れていた。

祭祀が嘗てのものと変わっても、国つ神は龍脈からその力を得ているのだろう。

小角は社の宿坊で夜を過ごし、翌日、糺森(ただすのもり)を逍遥しながら南へ下り、帰る道すがら、辰砂を探そうと東山に分け入った。

蛍は杣道に入って直ぐの樹に繋ぎ、生い茂った下草を嫌って樹上で地脈を読んでいた時、鹿が危険を報せる声を聞いた。

紅葉の下、舎人一人を連れた若い男君が居た。

大弓に矢をつがえ、鹿に狙いをつけているのが見てとれた。

鹿は立派な角を持つ雄鹿で、少し離れた所に雌の鹿が居た。

夫の鹿が自分が注意を引き付けている間に妻に逃げろと言っているのだ。

矢が弓弦から離れる瞬間、小角は樹上から身を踊らせた。

鼻先に飛び降りてきた小角に驚いて鹿は一足大きく跳んだ。

飛び降りた所へ飛んできた矢を小角は持っていた鎚で叩き落とし、若い男君を改めて見て眼を見張った。

袖幅の狭い深縹の闕腋(けってき)半臀(はんぴ)の欄が覗くほど裾短に着て、白袴の足結(あゆ)いも高く麻鞋(しかい)を履き、胡録(やなぐい)を背負った装束は紛れもなく都の武官の物だ。

だがその若者は西域の異国人(とつくにびと)と見紛う容貌の持ち主だった。

丈高く、骨張った大柄な体躯に比して小さい面は、血色が透けるような白い肌色だった。

相眸は位襖(いおう)の色を映した様な深縹(藍色)で、黒絹の頭巾(ときん)の下から黄褐色の癖のある後れ毛が覗いていた。

都や難波、同じ山背国でも秦氏の住む葛野郡ならばともかく、山深い東山で西域の異国人とは。

しかも身形は訪朝使では無く、官人そのものだ。


矢を放った若い武官は、一矢目を放つと同時に次の矢をつがえたものの、己の眼を疑い、髪の色と同じ黄褐色の直線的な眉を潜めた。

今しがたまで狙いを付けていた鹿が掻き消すように姿が見えなくなり、変わって其処に居たのは、無造作に髪を結い生成の筒袖を垂首に着、鎚を手にした見目の好い男童子だった。

否、男童子ではない、身形は男童子のようだが娘か?。

手にした鎚を見れば渡りの丹生部だろうか?。

一呼吸置いて身構えたまま小角は口を開いた。

「罪なことは止めておけ。大和の神鹿(しんろく)に在らずとも殺生はその身に仇成すぞ」

若い武官は弓を降ろした。

「肺の腑の病には鹿の生き血が効験が有ると聴いている」

詠うような独特な抑揚で、響きの佳い声が簡潔に答えた。

凛々しい口許を引き結んで、一瞬の沈黙の後、弓を背に回し袖を袷せて礼をし、心苦しそうに言葉を継げた。

「失礼した。お怪我がなくて何よりだ」

言葉も挙措も、紛れもなく官人のものだ。

官人と関わるつもりなど小角には毛頭無かったが、その若者の苦しげな目許に胸を打たれた。

心痛の余りか、辛そうに歪めた彫りの深い精悍な面差しに紅葉が照り映えていた。

叩き落とした矢を小角が拾って差し出すと、若者は、玻璃と同じ脱けるような白さの、けれども玻璃の繊細な手とはまるで違う、大きく武骨な掌で丁重に受け取り、謝意を表明するために額に押し戴いた。

突然訪れた胸の痛みに、小角の声はやや冷やかになった。

「今は鹿の妻問いの季節。あの鹿は妻を我が身で庇おうとしていたぞ。哀れと思って見逃されよ」

年嵩な舎人は同じ事を案じていたと見え、主に声をかけた。

「此の者の申す通りです。殺生をしては神仏の加護も得られますまい。お方様の病には他の手立てを捜しましょう」

若者は僅かに項垂れた。

「だが、河鹿(かじか)よ、私は高子(たかいこ)が蒼ざめた顔で血を吐くのを見ては居られない」

語る若者の血こそが滲むかのような声音だった。

()の病の為なのか。

肺の腑の病ならば、鹿の生き血より薦められるものがあるかもしれない。

「私が拝見してみよう。何れ程の事が出来るかは分からぬが」

小角は自ら申し出てみた。

「貴方は、呪禁師か?」

若者の藍色の瞳が光を戻した。

「そのようなものだ」

素っ気無く答えた小角の声音には気付かないものか、若者は丁重に頼んできた。

「加治祈祷は既に様々に試みてはきたのだ。だが来ていただけるならば、邸は此処から程無い粟田にある。同行して頂けようか?」

小角は中つ道を下って井手に寄るつもりだった。

夕暮れまでに井手へ行ければ良かろう。

蛍の手綱を解いて山道を下り、やはり馬を待たせていた二人と合流した。

若者は蛍を見て何か言いたげだったが口には出さなかった。

粟田の住まいは歴とした郷士の邸と見えた。

高子と呼ばれていた女君の肺の病は重く、血の流れが良くないため胸に血水が溜まっていた。

小角は玻璃に教えられた様に術を施した。

己の気を巡らせて胸に溜まった血水を取り去り、身体の隅々まで血の気を行き渡らせた。

狼児のように外へ向かう力を持たない己でも、こうして人を楽にしてやれるのだ。

玻璃に教えて貰うまで、こんな力の使い方があるとは思ってもみなかった。

肺の腑の病の巣は根が深く、取り去ることは出来ないが、一時的には楽になるだろう。

それまで加治祈祷しても効験の無かった呼吸が穏やかになり、あえかな佳人の寝顔が安らかになった事に若者は心から感謝した。

やがて眼を開けた女君と若者が睦言を交わす様子を見た小角は、侍女を促してそっと席を外した。

几帳の陰で若者が「私にとっては共に生きてこその幸いなのだ」と語る声が聞こえて小角は眉を潜めた。

炊屋を教えて貰い、夫人に薬効と滋養のある物を食べやすく調理して差し上げるようにと、侍女と端女に事細かに説いた。

山芋、玖子、韮などの調理法を教えていると若者がやって来て、目許を潤ませて小角の手を取り、額に押し戴いて感謝の言葉を述べた。

若者が近寄ると麝香草の香りがした。

小角は若者の顔を見て何と切り出したものかと考えあぐねた。

若者は小角の困惑した表情に気付いた。

「気の毒だが」

小角は言いにくそうに告げた。

「あの方はもう長くは生きられまい」

若者の絶望に満ちた表情に小角の胸も痛んだ。

「どうあっても助からぬのか」

すがるような声音に無情な答えしか告げられない事が無念だったが、あれは例え狼児でも玻璃でも救えまい。

「そうだ」

ややあって、居たたまれなくなった小角は言った。

夫人(おおとじ)はあの方だけでは在るまい」

先程からの若者の挙措や身に付けている物、仕える者達を見ても、此処が本邸とは思えなかった。

都か氏族の本貫地に邸が在って、此処は別業なのだろう。

小角の言葉に若者は静かに言い切った。

「他に()幾人(いくたり)居ようと高子は一人きりだ」

声が微かに抑えきれない憤りを含んでいた。

この若者はこれほどにあの佳人を糸惜しんでいるのだ。

小角は己の無神経さを深く悔いた。

「済まない。失礼なことを言った」

小角が袖口を袷せ、命婦風の礼をすると、若者は慌てて答えた。

「いや、此方こそ申し訳無い。苦しんでいた者を楽にして戴いたと言うのに。己の無力さに声を荒げてしまった。どうかお気になさらず」

深々と礼を返した仕草は隅々まで端麗で、この若者が昨日今日の下級官人の家柄では無いことが窺えた。

「せめて最期まで楽になるようしてさしあげてくれ。」

小角は咳込んだときの薬の調合法や部屋の湿度を上げる方法などを細々と教えた。

「都から離したのは病人にとって善いことだった。都に居ては病が進むばかりか他の病まで引寄せてしまうだろう。今の都は健やかな状態ではないのだ」

平城の都(ならのみやこ)は大きな河川が無く、遊水効果が無い為、汚れも気も澱む。

疫病や災いの種が尽きない。

小角の淡々とした言葉に若者は真摯な面持ちで頷いた。

「今上は東宮であらせられた頃からそれをご心痛だ。近く遷都の立案をなさるだろう」

まさかこの若者の口から遷都が語られるとは思ってもみなかったが、空々しく訊ねてみた。

「遷都か。どなたかが帝に奨められたのか?」

「いや、今上のお考えと聞いている。皇太弟も賛同されて、寺社の協力も得られそうだ」

皇統の身内ではあるが、結局、頼るのは僧侶かと、小角は心の内で思ったが顔には出さなかった。

山部の弟は以前東大寺で良弁に師事していたと聞いたが、今は東宮か。

年若い武官と見えたが帝や東宮の名が出るところを見ると帝に近しい者と思われる。

早く退散した方が良さそうだ。

「ああ、済まぬが今の話は忘れてくれ。漏れ聞いた話なのだ。名乗るのが遅くなってしまったが私は近衛将監、坂上田村麻呂。御名は?」

突然、若者は和かな笑顔を向けてきた。

坂上氏。

瀬田大橋で真備を庇って負傷し、阿倍の殯宮で狼児を説得したあの(いくさのきみ)は確か曾布(大和国添上郡)の坂上氏の者だった。

東漢直の者が重用されていると真備は言っていたが、やはりこの若者も帝に近しい者か。

「名乗るほどの者ではない。今の話も忘れよう。陽が傾いてきたようなので私は失礼する」

小角はそそくさと別れを告げた。

先程見た光景に、言葉に、忘れたはずの胸の痛みが蘇ってきた。

あの若者の、色の明るい髪や肌の為だろうか。

陸奥から帰って七年(ななとせ)も経ったというのに。

共に生きてこその幸い。

夫人が幾人居ても高子は一人だけ。

そう言い切れる強さと迷いの無さはどうだ。

私にはその様に考えることは出来なかった。

そしておそらくは玻璃もそうだったのだ。

己の心の弱さを突き付けられたような気がした。

玄昉が曾て葛城王と氷高皇女の強い絆を揶揄するように「意志の強さとは裏返せば頑なさと言うことだ」と皮肉な笑みを浮かべたことがあった。

葛城王も氷高皇女も頑なでなくては互いの絆を守りきれなかったのだ。

だがこの男君は頑なさではなく、真実、あの佳人への思い遣りから言っているのだと思われた。

この様な男君も居たのだ。

中門へ案内しながら侍女が小角のただならぬ顔色を見て控え目に言った。

「主には確かに多くの夫人(おおとじ)がおいでですが、主が自ら望まれて迎えられたのは此方のお方様御一人なのです。それで」

小角は足を止めて侍女を見た。

「そうか。お方様はお幸せな方だな」

小角の口許に浮かんだ笑みを見て、侍女は安心したように「はい」と答えた。

厩から蛍を連れて表門へ向かうと、先ほど河鹿と呼ばれていた舎人が居て、小角の姿を見ると黙礼した。

この邸は主の寛容さがそうさせるのか、仕える者も皆腰が低く丁重だ。

「邪魔をしたな。一つ教えてくれ。お前の主は帝とどういう関わりの方だ?」

「主の妹君、全子(またこ)様は帝の許に上がられておいでだ」

小角は内心臍を噛んだ。

寄りによって山部の外戚とは。

「そうだったか。非礼があったら許してくれ」

何食わぬ顔で礼を返して表門を出た。

遠ざかる小角の背を見ながら、河鹿は頚を捻っていた。

身形を見れば、賤し気な渡りの丹生部の様に見えるが、仕草も物言いも、まるで宮の内の女官の様だ。

しかし、今、宮に在って主の名を知らぬ者など在るまい。

我が主は良くも悪くも、生まれも容貌も、人目を引く方だ。

やはり只の野の呪禁師か。


小角は中つ道を井手へと向かいながら考えていた。

山部の後宮には数多の妃が居ると聞いていた。

外戚も多く居るわけだ。

井上の忌の言葉では無いが、酒人はそれで幸せなのだろうか。

山部はあの時、私の顔も姿も見えなかっただろうが、山部と親しい者と縁は持たないに越したことは無い。

真備の遺言でもあったが政に関わる危険は少しでも避けたい。

大銀杏の事が気に病まれるが、葛城に戻ったら暫く機内を離れるか。

井手の玉津岡社で小角は一夜を明かした。

この社は嘗ての葛城の守り手女の長、標女(シメ)の死を葛城王が忍んで、下照媛を祀ったものだ。

社殿は里の者が良く手入れをしてくれてあったが、訪れるものは鳥達だけと見えた。

標女は小角の小刀と刀神楽の師だったが、父が捕らえられた時、婆様を守って命を落とした。

だから玄昉に子蛇と笑われた応龍の舞は子蛇のままだ。

小角は高宮に帰り着いて愕然とした。

大銀杏の命は今まさに尽きるところだった。

小角の脳裏に閃く物があった。

これ迄も幾度か大銀杏と同化した事がある。

玄昉と隠れ鬼をした時にもこの大銀杏と同化したのだ。

それで玻璃に教えて貰ったように己の気を巡らせれば或いは救えるのではあるまいか。

行表はああ言ったが、やはり私には受け入れられない。

小角は急いで意を凝らした。

大銀杏の幹に手を触れ、同化しようと試みた。

突然掌に小さな衝撃が走った。

拒まれたのか。

何故?。

小角が大銀杏の梢を見上げた途端、視界が惚け初めた。

光に満ちたこの感覚は、大銀杏と同化した時の感覚に似ているが、何かが違う。

土地の記憶を見ているのだろうか。

誰かの掌が触れてきた。

大きく暖かく、肉厚で武骨な手が大切な物に触れるように細心の注意を払っていた。

(ぬし)よ。お前は役目を終えて命尽きようとしておる」

聞き違える筈もない深く、豊かな声が聞こえた。

玄昉の声だ。

「真火が泣いていた。今吾が主を癒したところでいずれまた主の命は尽きてしまうだろう。だが今暫く真火の慰めとなるように、主を癒させてくれ」

声のした方を見下ろすと紛れもなく玄昉が、見たことも無いような真摯な表情で此方を見上げていた。

ではこれは大銀杏の記憶なのか。

紫衣も金糸銀糸の袈裟も無く、梔子色の衣の玄昉は、嘗て龍蓋寺に居た頃の若き学僧に戻った様に見えた。

玄昉は両の(かいな)を幹に廻した。

父の八咫(やた)を思わせる広い腕の中はそれだけで暖かく、心地よく、安らぎに満ちていた。

「再び主の命尽きる時、真火の側に居てやれぬのが心残りだ」

玄昉は二度と都へは戻れないと知っていたのか。

己の命が尽きかけている事も解っていたのか。

「真火よ、これが吾の別れの手向けだ。願わくはこれをお前が知ることの無いように」

強い眼光を宿すその眼が閉じられた。

唇が僅かに動き、梵語が呟かれたが小角にはその意味は解せなかった。

だが龍脈の息吹が一時、大地を通じて流れ込むのが解った。

玻璃の持つ御白様の和魂の力にも似た、大きく、力強く、心地よい気の流れが導かれて来るのを感じた。

玄昉が海龍王経で得たのは役公(えだちのきみ)と同じく、龍脈を導く力だったのか。

私は少しも気付けなかった。

玄昉は父が敢えてこの能力を私に伝えなかった事を知っていた。

だから何も知らせず、去ったのだ。

玄昉が別れも告げずに去って、私は同胞に見捨てられた様に感じていた。

なんと愚かだったのだろう。

どうして気付けなかったのだろう。

小角は大銀杏の幹に縋り付いて座り込んで居た。

留める術も無く、涙が流れるに任せて、息絶えた大銀杏の根本で、泣き続けた。

蛍が心配そうに脚を踏み替え、首を下げてその背中を鼻面で押した。

向き直った小角は蛍の頭を抱いて、童子の様に声を挙げて泣き出した。


平城の都の宮で、酒人内親王の産んだ皇女は朝原と名付けられ、内親王宣下を受け、健やかに育っていた。

嘗て恵美押勝の乱で新皇に担ぎ上げられて命を落とした塩焼王の妻、不破内親王は酒人の叔母に当たるが、朝原内親王が生まれてから、よく酒人を訪れた。

不破の子達は恵美押勝の乱の後、不破が関わった厭魅騒ぎで阿倍の怒りを買い、皇族としての地位を剥奪されていたが、阿倍の死後、光仁の皇后であった姉の井上の執り成しで不破自身は内親王に復権していた。

姪にあたる酒人内親王は、唯一の親族となったこの一家を出来る限り支えようと心がけていたが、不破の目にはそうは映らぬと見え、度々無神経な言葉で酒人を悩ませた。

酒人を前に、安積、井上の不遇に始まり、酒人自身も、生まれてきた朝原内親王も本来受けて然るべき扱いを受けていないと嘆き、憤っては帰っていく。

酒人が気を付けていても、自然、山部の耳にも不破の言動は入った。

恵美押勝の乱に至る経緯を、少年期に弱小王族として見てきた山部には不破の行いは愚かとしか言い様の無いものだった。

実際に不遇を囲っていると言いたいのは己の身の上についてなのだろう。

これ迄もあの内親王は煽動的な考え方と物言いや振る舞いで、幾度も不遇を囲ってきているというのに、学ばぬものだ。

人を焚き付ける様なあの性質はどうにも矯まぬとみえる。

母と子は似るものなのだろう。

ようやく従五位下となった氷上川継も不破に似て、己の不満を声高に唱えて憚る事を知らなかった。

式家藤原田麻呂と種継の話では、近頃は遷都の話を嗅ぎ付けて、朝堂や東宮で遷都を望まぬ者達と共にとやかく言っているらしい。

何事についても報われないのは己に理由があるとは考えない性質であり、認めない周囲の者に、或いは環境にその理由を求めたがる者達だ。

雌狐奴、二度とその鳴き声が宮に届かぬように計らってくれようと、山部は心の中で呟いた。


年が暮れゆく頃、光仁上皇は崩じた。

近衛将監は四等官の判官 順位は三番目 従六位上相当職

深縹は七位以下の色

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