過去編:堺翔吾3話「いよいよ大詰め!?」
【今回は挿絵ありの話となっております。ここで使用した挿絵はみてみん様にも投稿させて頂いております】
暫くして朝の短学活が終わった頃、太郎が戻ってきた。そして僕を見つけると、ギロッと鋭い目線を向けてきた。
かなりご立腹の様子だ。
しかし、これはプラン2に有利に働くだろう。
時は流れ、帰りの短学活が終わった後の事。
─────
皆が鞄に荷物を詰めている間、僕は太郎とその取り巻きの男子に囲まれていた。
勿論、その中央には僕1人しかいない。
「おい、クソ変態が。後で体育館裏にこいや。このお礼は何十倍にもして返してやるよ」
おぉ、まさかの呼び出し場所が定型だ。仮プランの場所と同じじゃないか。
今から慌てて計画を変える必要がないから、とても有難い。
◇
放課後、鞄を持って体育館裏に行く。
「おぉ、ヘタレがよく来たぜ。俺様を舐めてくれたお礼は、キッチリ返させて貰うぞ」
僕を中心に、太郎とその取り巻きの男たちが僕の事を囲む。
「俺様は貸し借りなんて嫌だからなぁ!!野郎共、行け──ッ」
太郎の号令で、取り巻きの男たちが動き出す。
その男たちは僕の事をリンチしようと狙って──はいなかった。
僕は、賭けに勝ったのだ。
…
……
………
作戦会議の時。
「絶対とは言いきれないのですが、僕ちんの予想では、怒り狂った太郎は委員長を襲撃するでしょう。こういう時のセオリーは体育館裏でのお礼参り!!」
「そうでしょぉぉう!!そこでボキュの発明が!!」
テッテレーンという効果音が着きそうな雰囲気で、正樹が発明品を出す。
「これは…?」
「よくぞ聞いてくれました!!これは『催眠装置』!!」
──名前ダサっ!!まぁ、痛い名前よりはマシだけど。
「これで眠らせた者は、何人たりとも10時間は起きません!!」
おぉ、思ったより凄い発明をしている!?
「材料は秘密ですが、これで太郎の部下を眠らせ、奴の側近として"リア僕委員会"の精鋭たちを忍び込ませる!!」
この作戦は見事成功した。
今頃、太郎の部下はトイレの個室で仲良くおねんねしているだろう。
今ここにいるのは、我らが"リア僕委員会"の武闘派の皆だ。1ミリも太郎に忠誠を誓っていない僕の部下たちが、今ここに大集結している。
「なっ──ゴブフォッ!?」
顔面に正拳突きを受けた太郎がよろめく。
「て、てめぇら、裏切ったなぁ!?」
これは計画外だが、ついでに太郎とその取り巻きの関係を断つ事も出来た。
「畜生、リンチなんて卑怯だぞ!!」
それ、自分で言っちゃう?
さっきまで僕にリンチしようとしていた男が、自分にはリンチするなとリンチ集団に語りかけている。本当に笑えてくるわ。
太郎はリンチされて、5分で倒れた。案外あっさり倒れたな。
"リア僕委員会"「太郎撃破部隊」は、太郎の四肢を取り押さえている。そして、取り押さえられている太郎のポケットから、太郎が当たり前のように持ってきているスマホを取り出す。
「これだな。この動画が脅しの材料だな、太郎!!」
…
……
………
僕たちは、太郎の彼女についての聞き込みをした。すると、まさかの驚きの事実が発覚した。
「北里詩織。僕の妹だ…!!」
"リア僕委員会"の所属委員に、太郎の彼女の兄がいたのだ。
「まさか妹が、あんなクソ野郎と付き合っていたなんて……!?」
そいつはかなりショックを受けたらしいが、すぐにある事に気づく。
「太郎が妹の弱みを握っている可能性は…?」
「全然有り得るな。アイツの事だ、やりかねん」
「よし、こうなったら聞き込み調査だ」
こうして、当の北里詩織に聞き込み調査を行った。
◇
「はい。私が花本太郎の彼女です」
詩織は抵抗もせず、自分が太郎の彼女だと認めた。
しっかしよぉ、太郎もよくこんな美女と付き合えたな。これは独断と偏見による推測だが、やはり太郎は詩織の弱みを握っている可能性がかなり高いな。
「では、貴女が太郎と付き合ったきっかけとかって、聞いても大丈夫かな?」
「……はい。では、まずは私と彼との出会いから……」
詩織は太郎との出会いについて話し始めた。その小さな口から出てきた話は、太郎が如何にゲスい男なのかが分かるものだった。