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とある高校生の英雄譚  作者: 懺悔を謳歌セシウム
夏の慈悲なき慟哭
4/9

英雄の夢

タラカが取ろうとする。


「待て」


俺は止めた。


「ここで取ってもパンツ事件は解決しないだろ?俺たちで解決するんだ」


俺の考えた作戦はまず、固定カメラをセットする。サカモがシコるのを撮影する。その後シリーパンツを回収する。映像は匿名で送り付ける。完璧だ。


そして俺たちは固定カメラをセットし解散した。


明日が楽しみである。俺は布団に潜る。


長い夢を見ていた。真っ暗な、いや、どこか心地がいい気がする。安心感がある。


俺は小さくなってシリーちゃんの子宮の中へワープして時間軸を操作して胎児へと戻ったのだ。


だから喋れないのか。ここがシリーちゃんの子宮の中か、感覚が全くないからすごく惜しい。


俺がシリーちゃんから産まれたら周りの人はどう思うだろうな、表情、声、シリーちゃんの匂い、周囲の女子の反応……


想像するだけであまりにもキモすぎて濃密かつ客観的で真理に迫る感じがした。


俺は感覚がないがあることに気づいてしまった。俺がずっとここにいても死ぬ運命なのだと。


シリーちゃんと俺の繋ぎのへその緒が存在しない。


当然だ。俺は侵入者だ。いずれにせよ死ぬ運命だ。せめて死ぬ間際までシリーちゃんを堪能しておこう。


そして俺はシリーちゃんの子宮で死んだ。


「朝か……子宮の感覚が忘れられない」


俺は朝すごく汗をかいていたが、それは死への感覚によるものだったのだろう。だがそれに至るまでの快楽は相当なものだった。


さて、カメラどうなっているかな?











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