英雄の始まり
俺の名前はシュナージだ。今は普通の高校生として青春を謳歌しているつもりだ。
高校生といえば性欲の化け物だけど、俺はそこらへんのガキの何倍も性欲があったと思う。
高校2年の夏、俺は毎日妄想でシコることに嫌気がさして新たなオカズを探していた。
本屋でエロ本探してみたり、動画で検索してみたり。
ただ、どれも今ひとつ。
イマイチなネタでイった後に訪れる虚しさと透き通った思考は俺を導いてはいけない結論に導いた。
シリーちゃんのパンツの匂いを嗅ごう!
シリーはクラスメイトで、大きな目とさらさらの黒髪、透き通るような肌の美少女で、俺は妄想でよくシリーを登場させ●しまくっていた。
考えてからの行動は早かった。俺はプールの授業がある日を見計らって、親に……
「体調悪いから五時間目から行くよ~」
と言って遅刻の連絡をしてもらった。
狙うは4時間目のプールの授業。ここから俺の隠密プランの開始だ。
更衣室はプールに併設されているが、授業の時間は誰もそこには近づかない。
俺はまだ見ぬシリーのパンツとその匂いを想像しながら時が来るのを待った。 パンツへの愛が重過ぎて俺は確か辛かったんだ。
11時半ぐらいだったかな?午前だってのに日差しが厳しくて、今日プールに入ったら気持ちいいだろうなぁなんて、頭の隅で考えながら、俺は女子更衣室の前にいた。
女子更衣室は校舎の陰になっているからここまで来たら見つかるはずはほとんどないんだけど、俺はここに来て緊張していた。
見つかったらどうする?
いじめられるよな……?
俺の善悪の悪魔と天使が争っていた。俺はまだ人間の心を持ち合わせている。故に俺は正常なのだ。訳のわからない理論を構築する。
あぁ、分っているんだ……あと数メートル先にシリーがついさっきまで履いてたパンツがあるんだ。
俺は盛大に期待している。
なにかしら液体がついてるかもしれない。
そして、善悪の悪魔が勝ったのだ。道徳のリミッターが解除されそうだ。
ビビる心を必死に抑え、憤る下半身を頼りに、俺は更衣室に足を踏み入れた。
侵入はあっけない程うまく成功した。シリーのパンツを見つけ出すのもな。
俺はあらかじめ、シリーの使っているプールバッグのデザインを把握していたから発見するのは一瞬だった。
俺はクラスの可愛い女子の所有物はほとんど把握している。誰のものかわからなくても匂いでもわかる。
俺は、触れた形跡が残らないように、シリーのパンツを探すため少しずつ荷物を取り出した。
几帳面に折畳まられた、制服の下、縛られた小さなビニール袋を見つけた。
これだな。俺は震える手を抑えながらビニール袋を開けて中を覗く。
そこには、可愛いらしいストライプの下着がセットになって入っていた。
俺は歓喜に打ち震えながら、それでも冷静に音を立てないように、畳まれていたシリーのパンツを開いた。
シリーのま●こが直接触れていたであろう、部分に黄色いシミがついていて、俺は勃起を抑えられなかった。
恐る恐る、シミの部分に触れる。
驚くことに、そこはまだほんのりと湿っていた……
次の瞬間、俺は左手でシリーのパンツを顔に当てがい、右手で自分のチ●コをしごいた。
シリーの、シリーの、おしっこ……
俺は頭の中でそんな事を繰り返しながら、シリーのパンツから酸っぱい匂いに包まれ、一瞬で発射した。
ズボンを履いたまま、いじっていたからパンツの中が気持ち悪くて、俺はすぐに冷静になった。
俺は一刻も早く更衣室を出たくなった。とりあえずズボンはそのままにして、シリーの下着を戻す。
正直この作業が一番緊張したし、死にたくなった。
射精後の虚無感と冴える頭は、時に人を絶望させるらしい。
急いで片付けを終えた俺は女子更衣室を出た。
空はさっきより一層晴れ渡っているように見えた。
授業が終わるまではまだ時間があるから、とりあえずトイレ
に行ってズボンを洗おう。
そんな風に考えていた矢先のことだ。
校舎の陰に隠れるように、俺のいる更衣室の方へ向かってくる人影が見えた。
俺はとっさに建物の陰に隠れた。
どうやらその向かってきた人物は男子生徒で、俺に気づいてはいないらしい。
男子更衣室と女子更衣室は併設されているから、きっと遅れて授業に参加するつもりなのだろう。
俺は彼が男子更衣室に入るまでそのまま陰でやり過ごすつもりで、じっとしていた。
彼がこちらに近づくたび、曖昧だった輪郭がはっきりとしていき、それが俺の大嫌いかイケメンテニス野郎のタラカだと気づいた。
タラカは荷物も持たず幾分緊張した様子で周囲を伺っていた。
思った通りだった。
タラカは決意を固めるように大きく深呼吸すると女子更衣室に入っていったのだ!
俺はおかしくてたまらなかった。
あのイケメンが、スクールカースト上位の野郎が、鼻の穴と股間を膨らませて女子のパンツを漁っている姿を想像したら笑いが止まらなかった。
俺はタラカがパンツを漁ってる姿を発見したていにして、追い詰めてやろうと、再び女子更衣室のドアを開けた。
そこには、シリーのパンツを顔に当てがいチ●コをさすっているタラカがいた。
タラカと目があった。
そういえばタラカには多少問題があってな、アイツは完璧主義者で恥ずかしい目にあうとすぐキレるのさ。
この情報のソースはオレ。少し前にアイツの弁当を床にぶちまけたんだよな。だけど犯人はあやふや。っていうので片付いたんだけど俺にはわかるアイツは俺を見ていた……
「お前はどれだけ俺を惨めにさせたら………気が済むんだ!シュナァァジィィィ!!」
タラカはパンツの隙間から俺を見た瞬間に憤り出した。これが見られた人間の本来の姿だ。本当に恥ずかしいのだろう。
敵意を剥き出し過ぎている……俺は煽ろうとした。正直こいつのこと嫌いだしな。陽キャだからだ。
「まさか…お前がーー」
「うるさい!!お前はいつも俺を……」
「ハハ、俺に見られて残念だったね〜」
「クソ、お前みたいなやつがこんなところは現れて、事態を引っ掻き回して…許せないんだよ!」
タラカは手元からバタフライナイフを取った。
タラカは俺が悪いみたいな感じで論じてきた。こいつを抑え込まなければ、もっと大惨事になる、俺が死ぬ……
「お前、まさかやる気か?やめといた方がいいぜ」
タラカはパンツをもとに戻し、バタフライナイフを握りしめる。
こんな争い、やめないと、本末転倒だな。その時だ。どこからか音がした。
「もうやめるんだ!」
女子更衣室の掃除道具入れの中から男が出てきた。
「お前は…マサンズ」
「タラカ!一体何の為に争っている!これが本当にお前が望んだことか!」
マサンズはまさか俺が来る前から張っていたのか。あまりにも恐ろしいやつだ。マサンズは俺のクラスメイトだ。あまり話したことがない故に初見だ。
「何だ…と…」
タラカはマサンズの方に見る。
「新手か…邪魔をするなら!」
「これが本当にお前が望んだことか!」
「黙れ!」
タラカはマサンズを切りつけようとする。人の羞恥心が限界突破するとここまで人格が変わるのか…
「こんなことをして、どうなるっていうんだ…」
マサンズはタラカを押さえつけて拘束した。俺も協力はした。しかしマサンズ…お前は何をやっているんだ。
「あのーマサンズーー」
「タラカ、シュナージ、俺はお前たちの英雄的行動に賛辞を送るよ。お前たちはシリーのパンツを匂った。」
マサンズはどうやらシリーのパンツでするのが日課になっていたらしい。
「そうだよね…あのパンツ、酸っぱくていい匂いがするよね…湿っててさ」
タラカは反応する。
「お前ら…まさか…俺と同じことを……」
「そうだよ、俺たち全員はシリーのパンツを匂った仲間なんだ」
俺たちはなんやかんやあったが、和解をした。マサンズは俺が女子更衣室に入る前からシリーのパンツを匂っていたらしい。
まさかこんな偶然があるなんて運命なのか…
「どうして、そんなにムキになったんだよ。タラカ」
「抗えないのさ、匂ったという事実には…」
「だからって…」
「事実を認めるしかないだろ…全てをひっくり返してもとに戻すなんて、不可能なんだから」
俺たちの友情はここから始まった。
すぐにその場を離れた俺たちはその日の放課後、隣町のファミレスで集まり変態談義に花を咲かせていた。
性癖に多少の違いはあれど、俺たちは意気投合した。
側から見たら面白い光景だっただろう。イケメンがエロ話で大いに盛り上がっているなんて。
俺たちはあっという間に仲良くなった。互いにエロ情報を提供し合うことで、性の知識も凄まじくなった。
こんな3人だ。あの計画が生まれたのも自然だったのかも知れない。
ある日いつものようにエロ話をしていると、タラカは心底後悔してる様子でこういった。
「俺あの時イッてないんだよな~」
あの時とはもちろん、変態同士の友情が芽生えた日である。確かにあの時、タラカは俺の登場によってオ●ニーを中断していた。
「だからもう一度忍び込もうと思う」
そういったタラカの顔は決意に満ちていた。
俺たちの通う学校ではプールの授業は2年で終わりだ。今は9月。シリーパンツを嗅げるチャンスも、あと、僅か。
俺だって、再びシリーのパンツを嗅ぎながらオ●ニーしたかった。
だから、タラカが女子全員のパンツを盗もう!と言い始めた時、俺とマサンズは半ば呆れながらも協力を引き受けた。
タラカの計画は単純だった。
3人のうち誰かが学校を休み、プールの時間にクラスの女子全員のパンツを盗み、自宅に持ち帰る。
ブスのものも盗むのは、外部の犯行に見せかけるためだ。
残った1人は、学校で様子を伺い、計画が実行可能か携帯で連絡を行う。
見てわかる通り、実行犯がおかすリスクがかなり高い。
だから報酬で差別化を図った。
クラスの女子でおかず足り得る女の子は10人。そのうちシリーを含む8人の下着を二人の実行犯。
残り2人の下着を連絡犯でわける。残り数名の価値のないブスの下着は可燃ゴミにするか、川に流すかして処分する。
そうした段取りだった。
タラカの自宅は兄弟が多く下着を隠すのに困難なため、マサンズと俺が実行犯となった。
「ここに来るのは久しぶりだな」
俺とマサンズは懐かしいあの更衣室の真ん中にいる。
「よし、今のうちに可愛い女の子とブスを分別するぞ」
「了解」
俺とマサンズは神経を集中させながら名札を見て、分別をした。これをしなければ命取りなのだ。
マサンズはそんな状況の中シコりだした。どうやらお気に入りの女の子の下着を目前に我慢できなくなったらしい。
マサンズが早漏だと願いつつ俺は分別を遂げようとする。
かなり時間が経ってしまった。早くパンツたちを収容して出ていきたい。マサンズはどうやら至ったようだ。
「終わったな、こっちがブスでこっちが女の子のやつな」
キーン〜コーン〜カーン〜コーン〜
タイムオーバーだ。そして遠くから女子の声が聞こえてくる。
「まずいな、マサンズ…更衣室からバレずに出る方法はないのか?」
「あの窓枠ならいけるだろう。だが問題が発生する。パンツを入れた袋をどうやって持って帰るかだ」
「確かにあの窓枠なら人だけなら出れるが何か物を持って移動はできないな」
俺たちは今決断を迫られている。パンツを置き去りにするのか……
「この10枚のパンツから4枚厳選するんだ」
マサンズは俺にガチで真剣な顔で言った。辛い葛藤を乗り越えたんだろう。
「そうするしかないな……シリーちゃんは確定として……」
俺たちは女子が来る前に炎上する前に4人厳選してポッケにしまい込んだ。
「よし、マサンズ先に行け」
俺はマサンズを先に行かせた。残った俺はブスの下着と残った女の子の下着をばら撒いた。荒らしのように見せかけた方が後々いいことがあると思ったのだ。
女子の声がめちゃくちゃ近くなっている。俺の鼓動が早くなる。
マサンズはもうすでにに出ているが、俺は今から窓から出る……
確実に間に合わないだろう。故に俺はマサンズが隠れていた掃除道具入れに身を隠すことにした。
そして女子が到達。
「キャーーー!」
案の定の大惨事である。そして教師も現れた。俺は掃除道具入れの隙間から様子を見ている。
こんな事態でも俺は女子が着替えるのを強く願望している。
散らばっていることが意外と役だった。
「荒らし?動物でも入ったのかな?」
シリーちゃんが言ったのだ。なんて優しい子なのだろう。いや、心が綺麗で純粋なのだろうか。シリーちゃんごめん。君のパンツは僕のポッケの中です。
時間だ経つにつれ一部の女子のパンツが無いことが発覚する。それで女子は別の場所で着替えることになった。なんでだろう。
まぁいい次の授業の時間に抜け出せば大丈夫だ。そう思っていた。だが、普通人が来ないはずの時間に1人の人の足音が聞こえる。
やばい、人がいなくなる時間がない。タイミングがない。周りが見えないから時間の感覚と外の気配だけしか頼りにならないのだ。
あれは……