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女神の憂い
世界に災厄が復活する度、聖女になるべき者へ加護を与えてきた。
沢山の神聖力がある者。魔法の扱いが上手い者。武術に秀でた者。優しき者。野心がある者。
しかし、災厄を封印することはできても根源たるものを滅ぼす事は誰1人として出来なかった。
災厄は恐ろしく強く、そして狡猾で、生命力やそれと同等の価値の物を代償としてやっと封印できるくらいの脅威だった。
その封印も時間が経てば綻び、災厄自身の強い抵抗もあっていつかは破られてしまう。
封印のお陰で世界は救われ多くの命が助かりはしたが、世界を救うという使命を授かった者達はいつも犠牲になった。
加護を与える度にいつも思う。どうか無事に帰ってきて欲しいと。人は皆我が子も同然だから。
神は人の世に直接干渉はできない。
精々声を届けるか、加護を与えるか、本当にその程度しかできないのだ。
干渉しすぎてはならない、それが神界の掟。
位の高い神ならまだしも、私ではだめだ。
歯痒い思いをしながら送り出してきた。
あぁ…、また封印が綻び始めた。
でも今回は
どんな者を選べばいいか私の中ではもう答えがでていた。
ついに現れたのだ。
相応しい者がやっと…
最も強き者が。




