梅雨曇 お節介と 関わらぬ罪
仮設で迎える梅雨は過酷だ。寒い上に、湿気で洗濯物が乾かない。次第に部屋の中はかび臭くなる。とにかく乾燥剤を部屋にばら撒く。ホームセンターで安いカーペットを買い、布団に包まる。
梅雨の曇り空を見ていると、気が重くなる。この間までは、外に出るのが楽しみだったが、雨のせいなのか、それとも隣の事件のせいなのか、外出する気にならない。さすがに隣に入ってくる物好きはいないので静かだが、そのため隣のことを色々妄想してしまう。
仮設に暮らす人々は、集まった地域もばらばらだし、いずれ離れ離れになってしまう。なので僕はあえて関わらないようにしていた。時々、僕は間違っていたのだろうかと自戒の念にかられる。もし昼間家にいて、隣の人ともう少し話をしていたらどなっていただろう。彼は人をあやめることはなかったのだろうか。あるいは、僕が刺されていたのだろうか。
今となっては解らないが、彼を止めることができたんじゃないだろうか。こんなことを考えるのは、重たく垂れ下がった雨雲のせいなのだろうか。
「思い悩むことはありません。人には運命があります。これは、そう簡単にはかわりません。運命を変えるのは周囲ではなく、自身です。あなたがどう関わろうが、彼自身にその気がなければ同じことです。逆に、彼が変わろうと努力すれば、おのず彼の周囲も違ったはずです。己の未熟さが、悪しきものを引き寄せるのです。」
住職は僕を慰めてくれた。僕には仏教はよくわからないが、身から出たさびということなんだろう。




