5 これから
文章が出てこなすぎる件
「お前はこれからどうしたい?」
メルさんは真剣な表情でそう言った。
「ここ神界で悠々と暮らしてもいい。下界の人間の町で暮らしてもいい。色々な世界を旅してもいい。
お前の人生はお前だけが決められるのだから」
メルさんは一息ついて、言った。
「もう一度聞こう。これからどんな風に生きていきたい?」
どんな風に、か。
少し考えた後、メルさんにそう問われた僕は答える。
「下界でのんびりと暮らしてみたいです」
そう答えた僕に、メルさんは整った顔に笑みを浮かべた。
「そうか。ならば俺はお前の人生を応援しよう。"全能神"ではなく、一人の神としてな」
その時、僕の目の前にステータスボードが出現し、こう書かれてあった。
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条件確認。
個体名:タロス、
称号【全能神メルガノスの加護】、取得。
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「これは何ですか?」
僕は突然出現したパネルを指さして聞いた。
「それは俺の加護だ。それさえあれば簡単には死ななくなる」
かなり大事なものをもらってしまった。
「大丈夫なんですか?かなり貴重なものでは?」
「持ってることが知られたらまず崇められてどっかの国に抱え込まれるだろうな」
それは面倒くさ過ぎる。
「それはちょっと遠慮したいんですけど」
「じゃあ隠しておいた方がいい。鑑定されても見えないようにしておく」
「ありがとうございます。なるべく目立ちたくはないので」
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「とはいえ生計を立てるんだったら冒険者にでもなっていた方が色々楽だぞ」
冒険者は…、あの鎧みたいなものを着ていた人たちのことかな?
「そうなんですか?」
「ああ。お前の個技は特別だから使った方がいい。それにうってつけなのが冒険者だ。実際下界の人間の大半が冒険者だといっても過言じゃねえ。いい奴も多い。色々と教えてもらえ」
だったら丁度いいなあ。でも…
「だが冒険者には心身ともに一般人に勝る強さが必要だ」
そうだよね。冒険者は文字通り冒険して生計を立てる。自ら危険な場所に行くんだもんね。
「冒険と死は隣りあわせだ。一つのミスで命を落とす。まあお前が受けてきた仕打ちもなかなかのもんだっただろうけどな」
それはそうだけどね…。
「まあそんなに心配するな。お前が一人前になれるまで鍛えてやるさ」
「ありがとうございます」
「気にすんな。早速今から、といきたいところだがまずは体調を安定させなくてはな。鍛錬は一か月後だ。それまでは神界で自由に過ごしててくれ」
メルさんが僕を優しく撫でてそう言った。
「はい。これからお世話になります」
「さっきから思ってたがそんなに畏まらなくてもいいぞ?まあよろしくな」
神様相手に畏まらないなんてことできないでしょうよ。
夏休み中は頑張る