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001.誰かを救える存在になりたい

1話目は飛ばして問題ありません。

8話から物語が動きます。




 現在、僕は将来について悩んでいる。

 恥ずかしい話、自分がなれそうな職業などが見つからないのだ。

 まあ、普通の会社くらい入れそうな学歴があったら違ったんだろうけど、僕は低学歴。

 たとえ低学歴でもそれを補えるほどの知識があったら悩むことはなかったかもしれないが、残念なことに社会に出て通用できそうな知識はないのである。

 今から勉強するのも悪くないが、それができる誠実さもない。

 面接とかで長所を問われたらノーコメントというね。


 本当にこのまま人生を歩めば、無職確定。


 僕は現在、高校3年生。

 大学受験をする予定はない。

 というか受験して合格できるほどの学力がないから無理なのである。

 たぶん最底辺の大学でも無理なんじゃないかな?

 だって小数とか分数の計算もまともにできないんですよ。本当によくここまで人生を歩めたものだとむしろ自分を褒め称えたいくらいだ。


 まあ、最悪の場合これから四年間は無職でも親は許してくれるかもしれない。でも、その四年間は罪悪感のオンパレードで地獄と化すだろう。

 だが仮に四年経ったところで、僕を雇ってくれる会社なんてあるのだろうか?

 いや、ないな。

 僕だったら絶対に雇いたくないもん。


「プログラミングとかできたら人生イージーモードなのになー」


 何回も同じことを言っている気がする。

 だって今の時代、プログラミングとかできたらIT系に就職できそうだし? なんなら自分で会社を設立することだってできるだろうさ。

 だから一応プログラミングの入門書は買ってみたんだよ。そして勉強嫌いの僕が6時間くらいかけて一通り読み終えた…………しかし何も理解できん!


 変数ってなんぞや?


 しかも勉強した翌日雨降ったし。

 こんな僕がプログラミングを始めようと思ったのがいけなかったんだな。

 だってIT業界なんて天才の縄張りみたいなイメージあるしさ。

 たぶん僕のような理解力に乏しくて、おまけに努力できるほどの根性もないクズが踏み込んでいい世界ではないのだろう。


 じゃあ僕ができそうな仕事ってあるのか?


 僕は悩みながら部屋を歩き回る。

 僕の部屋はゲーミングPCと、ライトノベルや漫画が大量にある本棚に、普通のベットだけという……オタク極まりない環境だ。

 カーテンも一日中閉めている。これが落ち着くんだよね。

 そして、そんな部屋の主は本棚の前に立ち止まり、一冊のライトノベルを取り出した。


「ラノベ作家ね…………」


 僕は普通の人よりも物語を読んできた。

 だからストーリーの知識なら普通以上だと思っている。

 でもストーリーが浮かんでも、文章が書けなければ意味がない。

 学校の作文だってまともに書けない僕が300ページなんてさ…………うーん。全くイメージできないぞ。

 300ページ分のストーリーが浮かんでも、形にするのは至難の業。実際に試したことがあるから分かる。6ページで断念した。

 300ページなんて、かなり誠実性が高くないと無理だと思う。

 でも頑張ろうと思えば進めなくもない世界である。

 だけど僕には無理だろう。


「漫画家とかイラストレーターも大変そうだよな」


 僕はライトノベルの表紙を見て「絵を描くのもありじゃないか?」なんて一瞬思った。

 イラストレーターなら子供のころから絵も上手かったし、やれるかもしれない。

 だけどよくよく考えるとかなり難しい職業だと思う。

 イラスト一枚描くのにかかる時間とか想像を絶するだろうし、かなりの技術や想像力、そして並々ならぬ努力が必要となるだろうからね。


 漫画家なんてそれ以上だと思う。

 ストーリーも考えて、静止画状態でキャラクターが動いているように見せないといけないんだから、もはや神業でしょ。

 この業界も生半可な気持ちで踏み込むのは、本気で頑張っている人に失礼な気がする。

 

「じゃあ僕ってなにもできなくね?」


 結局は何かしらの理由をつけて逃げている。

 昔から努力から逃げる癖があったし。


 でもカ〇ジやウ〇ジマくんみたいな世界の人間にはなりたくない。

 だけどこのままいけば確実に、闇の世界に突入する。


「なら、僕のやりたいことってなんだろう?」


 結論から言うと、沢山ある。

 でも、それを成し遂げられるほどの才能も誠実さもない。

 僕は結局、中途半端な人間だ。

 何もまともに達成できたことがない。


 でも、どうすれば成功できるか僕は理解している。

 結局、人生における勝利法は二つしかない。


 天才に生まれるか。

 何かを極めるか。


 正直言って子供のころからこれを理解しておくべきだった。

 何故その時の僕は気づけなかったのだろうか。

 あのときに気づいていれば多少なりとも何か変わっていたかもしれない。

 

 僕はこの二つの勝利法とは程遠い世界を生きている。


 まず天才に生まれるのはほぼほぼ不可能だったけど、何かを極めることはできた。

 現に今も何かを極めようと思ったら極められるかもしれないけど……。

 しかし、そんな余裕を社会が与えてくれるはずがない。


 何かを極めたという次元まで到達するには人生の大半を捧げなければならないだろう。


 その間どうすする? まあフリーターとして生きるのも悪くない。


 僕みたいな人間でも最低限の生活はできると思っている。

 現在も高1から続けているバイトがあるから、他にも増やしてなら生活には困らない。


「でも、それで楽しいのかな」


 おそらく楽しくはないだろう。

 こんな人生じゃラノベみたいに美少女と良い感じの展開になることもないだろうし、誰のためにもならない。

 僕の一番の願望としては、一度でいいから『誰かの役に立ちたい』。

 急に何を言ってるんだ? となるかもしれない。


 でも幸せそうな人とか成功者って世界を変えるために仕事をしていたり、ラノベの主人公だって誰かしら救って幸せにしてるだろ?


 たぶんだけど、何か一つでも極めることができていたなら誰かしらを喜ばしたり幸せにしていたはず。

 そして自分に自信を持てていたと思う。


 僕の最大の過ちは、何か一つを継続できなかったことにある。


 正直言って何かを極めるなんて一つのことだけ淡々とこなせばいいのだから、頭の中だけだと簡単だ。

 でも実際は色々なノイズが入ってしまう。


「その仕事だけど食っていけるのか?」

「将来的にもそれは役に立つのか?」

「お前みたいな人間はまた中途半端に投げ出すんだろ?」


 周りからも自分の内側からも発せられるノイズ。

 それでも自分の信念を曲げずに生きれる成功者とかに本当憧れる。

 たぶんそういう人も天才に分類されるのだろう。


 でも一番のノイズは僕の経験上、他に可能性を感じられる物事だと思う。


 他に良いものを見つけるとそれも欲しくなってしまう。

 これもできたら成功確実じゃん、とか思った時点で負け確定。

 沢山やることが増えて、結局は両方とも中途半端に終わる。


 結局は強制的に自分を制御できるようなシステムが無いと僕は変われないのだと思う。

 極めるどうこうよりも、普通に生きるのがやっと。


「もう最高の人生ルートは無いのかもしれないな」


 たぶん何か一つを極めることができなかった時点で負けは確定していた。

 もしも人生をやり直せるなら、欲張らずに何か一つのことを極めるとしよう。

 まあ、そんなことはあり得ないんだけどさ。


「ラノベみたいに異世界転生できたらな」


 異世界でなくてもいいんだけどね。

 でも魔法とか夢あるじゃん?

 魔法で一つの属性だけ極めて見るとか? そしたら無双とかいう夢みたいな人生プレイができる。

 冒険者になったり、騎士団とかに入ったり? 将来には困らなそう。


「はぁ…………」


 でも、もう諦めよう。

 過去を悔んだり、違う世界を望んだり、成功を欲しがるのは自分で自分の首を絞めるようなものだろうからね。

 結局は僕みたいな人間が何かを極めようと思ったり、何かを考えたところで無駄なんだろうさ。


「寝よう」


 なんか色々と考えすぎて疲れた。

 異常なくらい頭が痛いし、気持ち悪い。

 もしかしらた色々と将来に不安を抱えすぎて脳がパニック状態なってしまったのかな?

 寝れば治るかもしれない。


「でも一度は世界を変えたり、誰かを救ったりしたかったな」


 僕は電気を消しながらそんなことを呟いていた。

 そしてベットに寝転がり、絶対に叶わぬ願いだと思いながら、僕は瞳を閉じる。




初心者なので色々と壊滅的です。

それと作者はバカです。感想欄で色々と指摘してください。

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