1話 異世界に飛ばされるようだ。
「あっつ…これは辛いな…」
夏のうだるような暑さの中、街の中を俺は歩く。最近は地球温暖化の影響で夏の気温も上昇している。
何時も見ている街の風景。変わり映えのしない風景に何故かため息が漏れる。そんな時だった。
俺の胸に強烈な痛みと熱さが走った。「ウグァ…ッ!!」自然と、そんな声が漏れる。何が起こったのか?思考がまとまらない。痛い、痛い。死んでしまう……!!何も聞こえない。段々と瞼が重くなって来た。そして何故か戻って来た思考で最後に考えたのは「人生ままならぬものだな…」と言うものであった。
「ん……?」
気がつくとそこは白い空間だった。あの痛みも感じない。まさかこの殺風景なとこがあの世。とかそんなのなのか?と、考えていると目の前に人影が現れる。誰だ?てかなんでここにいるんだ?
「あ、気が付きました?」
………幼女だった。どう言うことだ。なんでこんなとこに幼女がいるんだよ………俺は困惑した。理解不能である。
「何がなんだかわからない。って感じですね?まぁ仕方ないのかもしれませんが……あなた、街中に通り魔に刺されて死んじゃったんですよね。それでここに来たって事です。ちなみに私は一般的に転生神と言われる神です。で、私の役目は成人せずに死を迎えてしまった人々に選択の機会を与える事です。その選択肢は、転生神、つまりは私に希望を言って異世界に転移する事。もう一つは通常の転生の輪に入り新しい生を受ける事です。どちらを選びますか?」
「…聞きたいことがある。その異世界とは俺らの世界の小説やらによく描かれる魔法やらなんやらがあるファンタジー世界か?」
「はい、その通りです。魔法もあれば魔物もいます。更にエルフやらドワーフもいますね。あとステータスと言われるものも存在し、スキルなんかもありますね。希望はこのスキルと言う枠で叶えられる事が多いです。」
「わかった。では異世界への転移を選ばせてもらう。俺の希望は全属性魔術への適性。それと冶金技術だ。」
「わかりました。では鍛治のスキルと全属性魔法の適性を授けます。身体能力もオマケで強化しときますね。では、良い異世界生活を。」
俺の体は光に包まれ、視界が暗転した。ここから、俺の異世界ライフが始まるらしい……
主人公、名前出て来ませんでしたね。次回で出てくると思います。