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ポーション屋の日常  作者: 光晴さん
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第7話 ステータスボード



早苗ちゃんが、自分のステータスを確認するために呪文を唱えると目の前にA四サイズの半透明な板が現れた。


「出たっ!」


「早苗ちゃん、それがステータスボードだよ。

その板状のものに、早苗ちゃんの今の強さが表示されているはずだ」


それに早苗ちゃんは気づいてないかもしれないが、ステータスオープンと唱えたために本人以外にも見えるように現れている。

今回は確認のために、オープンにしてもらったけどあとで教えておかないといけないな、むやみにオープンしないように。



名前  飯島 早苗

年齢  17歳

職業  ―――

レベル 1

生命力 120

魔力  100

スキル 異世界言語 料理[4] 幸運[中]

称号  異世界人 

加護  ユーキュリアの加護


……これは流石、異世界人というところかな。

俺は早苗ちゃんの後ろから覗いているのだが、驚くものがそこに表示されていた。


「店長、これってどうなんですか?」


早苗ちゃんが、よくわからないという顔で質問してくる。

「いや、すごい数字だよ。向こうの世界の人は平均が生命力・魔力ともにレベル1の段階で60ぐらいだからね、早苗ちゃんは基礎が高いということになるね」


「そうなんですか?

あと、魔力があるってことは魔法が使えるってことですよね?」


「勿論、ちゃんと学べば使えるようになるよ。

しかも、加護が付いているだろう?」


「はい、一番下に加護がついてますね。

……なんですか? この『ユーキュリアの加護』って」


向こうの世界の人で加護が付いた人ってほとんどいないんだけど、流石異世界人。

ただ、こちらの世界ではこちらの神様たちがいるせいか加護の力が働いていないようだ。


「ユーキュリアっていうのは、向こうの世界の女神様の名前だよ。

しかも、魔法を司る女神様だからその加護をもらった早苗ちゃんは、魔法がうまくなるだろうね」


「ホントですか? うれしいな~。

あ、あと、この料理スキルの後ろの数字って何ですか?」


「それはスキルレベルだよ。1から10まであってね、料理なら見習いから奇跡までに分かれているんだ。

早苗ちゃんはレベルが4だからベテランってところだね」


「へぇ~、それじゃあレベルが上がると料理の腕が上がるんですね?」


「いや、レベルが上がるから料理の腕が上がるんじゃなくて、料理の腕が上がるからレベルが上がるんだよ。

でも、料理のレベル上げには腕を上げるだけではなくて、いろんなレシピを覚えたり創作したりも必要なんだよ」


「……なんだか大変そうですね。

魔法もすぐに使えるわけじゃないようだし、一から勉強しないといけないのか……」


その大変な勉強もこちらの世界の科学知識と女神の加護で、どんどん覚えていって強くなりそうだな……

俺が、早苗ちゃんのステータスボードを見ていると何か思いついたのか早苗ちゃんが声をかけてきた。


「そうだ、店長のステータス、見せてくれませんか?」


「俺の? 別に構わないけど……ひかないでよ?」


俺は早苗ちゃんに一応の注意をしておいてから、ステータスをオープンにして表示する。



名前  高坂レオン

年齢  32歳 (562歳)

職業  魔法使い

レベル 2410 

生命力 120,500

魔力  771,200

スキル 異世界言語 アイテムボックス 不老

    魔道の極み (すべての魔法、魔術が使える)

    魔力操作 気配察知 魔力察知 幸運[極]

    鍛冶 創薬 錬金術 料理

称号  魔法を極めし者 神の薬師 神の料理人

    奇跡を起こすもの 偽る者 箱庭の主


……俺のステータスボードを見て早苗ちゃんが固まってしまった。

やっぱり常識外れなんだろうな、でも向こうの世界ではレベルを上げる場所はいくらでもあったしこっちの世界に来てからは知識があがったから、ほとんどのスキルレベルが表示不可になったんだよね。


「店長!」


「な、何かな?」

涙目で俺を睨まないでくれ……


「いろいろとツッコミどころ満載のステータスですが、質問に答えてくれますよね?!」


「ど、どうぞ…」


「ではまず、一番上からお聞きしますが、

この名前は何ですか? 向こうの世界の人がなぜこの名字を?」


そこから聞いてくるのか…

「この名前は、こちらの世界に来てから身分証を作るときにもらったものだよ。

今では気に入っているから、ステータスに表示されたんだね」


「……どうやって身分証を作ったかは、聞かないでおきます」


「あ、ありがとう」

早苗ちゃん、めんどくさいことになるから聞かないでおこうという考えが表情に表れているよ?


「では次に、この年齢は何ですか? 歳をとらないなんて羨ましすぎる!」


女性にとったら羨ましいスキルなのかもね、不老は。

「それは『不老』というスキルのおかげだね、向こうの世界にあるダンジョンを単独で制覇するともらえるスキルだよ。

欲しいのなら、強くなって挑戦してみるといいね」


……向こうの世界には長命種族のエルフやハイエルフなんてのがいるから、歳をとらないってめずらしくないんだよね。他にも薬1つで若返りもできるし。


「職業はいいとして、このレベルや生命力、魔力の数値は異常じゃないですか?」


「ん~、そうかな?

ステータス表示の数値は基礎数値にレベルをかけるものだ。

俺の場合は基礎数値がレベル1の時点で50だから、レベル2410となればこんなものだろう」


うん、おかしくはないよ。計算も合っているし。


「いえ、私が言いたいのはレベルに上限はないのかと……」


「レベルに上限があるなんて聞いたことないよ?

でもまあ、レベル1000を超えるにはそれなりの時間が必要だからね」


「……まあいいでしょう。

スキルは『不老』とか『魔道の極み』とか聞きたいことはあるけど、

まずはレベル表示がないのはどうしてなんです?」


「スキルレベルは、最高のレベル10になると表示不可になって見えなくなるんだよ。

でも最高レベルの数字を見なくても分かるから実害はないだろう?」


「……確かに、表示されてないということはマスターしたということと同義ですしね。

では、この称号というのは?」


「称号はどんなことをして付くかは分からないんだよ。

ただ、称号が付くと特典としていろいろとおまけ能力がついたりするみたいだ」


「特典ですか……あれ? これ『魔法を極めし者』になってますよ?

魔道の極みを持っているなら『魔道を極めし者』になるんじゃないですか?」


「よく気が付いたね。実は、魔道の極みスキルには魔法の他に魔術も入っているんだ。

だから、『魔法を極めし者』ってことは魔術をまだ極めていないってことなんだよ」


「店長にも、勉強不足な所があるんですね……

あと、店長には加護ってないんですね?」


「向こうの世界で生まれ育った人で、加護を持った人はほとんどいなかったよ。

俺が知っている加護持ちの人って、召喚された勇者だったり、巻き込まれたっていう異世界人ばかりだったね」


「そうなんですね……

では、最後に空間魔法を覚えるにはどうすればいいですか?」


「まずはレベルを上げること。

早苗ちゃん、空間魔法の収納空間は魔力依存になっているんだよ。

だからレベルを上げて魔力を増やさないと収納できる空間が小さくなってしまう。


魔力を増やしたら、後は空間魔法を勉強すること。

でもこれは、この世界の知識がある早苗ちゃんからしたら簡単だろうね。

だから、今やるべきことはレベルを上げること」


難しい顔をして考えているな早苗ちゃん……

でもすぐに答えをだしたみたいだ。


「店長、私に戦い方を教えてください!」


……なるほど、手伝ってくださいじゃなくて自力で頑張りたいのか。

早苗ちゃんらしい考え方だね。









第7話を読んでくれてありがとうございます。


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