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ポーション屋の日常  作者: 光晴さん


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第44話 町の外での攻防戦



『我らは、この外壁の上から敵を狙い打て!』


ニルベルン軍の俺たちの隊長は、かなり力が入っていた。

それもそのはず、この前合流してきたディリタニア王国軍が『ハブールの町』の中での戦闘を提案してきたからな。


町の中での戦闘ならば身を隠す場所も多くて、戦いやすくなるとか言っていたが俺たちは逆の意見だ。

建物などが邪魔で、遠距離攻撃が当たらない可能性がある。


特に、ニルベルン軍の兵士の武器は『魔導銃』だ。

対人戦では戦いやすいとはいえ、攻撃は弓と違い直線的になる。


だから戦い方を分けた。

敵を誘い込んで、町中で戦うはディリタニア軍。

敵を町の外で倒そうとするのが、我らニルベルン軍となった。



『敵が近づいてきているぞ! 撃って撃って撃ちまくれっ!!』


……隊長、それじゃあ作戦も何もあったもんじゃないよ?

とはいえ、俺たちはとにかく外壁の上から下の敵に向かって撃っていく。



おや? 土魔法で壁を造りながら攻撃している敵がいるな……。

なかなか頭いい戦法だけど、上から丸見えだよ・……。


俺はよく狙って撃ったが、外したみたいだ。

その後連射して撃ってみたが、土壁をドーム状にして防いでいる。


「……くそっ!」


ああなると、残念だけど出てくるのを待つしかない。

だけど、そんな待っている時間に他の部隊が、町に入って行ってしまう。

だから、その敵はあきらめて、他の敵を撃ちまくる。




どんどんと、敵を外壁の上から狙って撃ちまくるんだけど、俺たちは物理的にいきなり衝撃を受けた。


俺たちの足元が爆発したのだ。


……どうやら、俺たちがいた外壁が攻撃を受けたようだ。


全身打撲は運が良くて、大半が体の半分が吹き飛んで死亡。

指揮をとっていた隊長なんかは、顔の皮がはがれた頭部だけが後で見つかった。

また、2人ほど外壁から10メートル下の地面に落ちて死んでいた。


俺は運よく外壁から町の宿屋の屋根に吹き飛ばされて、全身打撲程度で済んだ。

そして、そのまま気を失った。




▽    ▽    ▽    ▽




土のドームに当たる攻撃がやむと、私は顔を出して辺りを見渡す。

キルニーは、まだ早いと私の腕を中へ引っ張るけど外の様子が気になるのだ。


……どうやら、こちらに向いていた攻撃が別の場所へ移ったみたいだ。


「キルニー、チャンスよ!

外壁の上に魔法で攻撃できる? あそこを無力化すれば町の中へ進軍出来るはずよ!」


「待って…」


キルニーは、ちょっとだけドームから顔を出して外壁との距離を確認すると、ドームの中で詠唱しだした。


私は、支援魔法をキルニーにかけると鞄に入れていた魔力ポーションを1本取り出してがぶ飲みする。


「できた」


その言葉と同時に魔法が発動する。

すると、ドームの外で大きな爆発音が辺りに響いた。

ドーム全体を揺するほどの衝撃が伝わってくる。



少ししてドームからキルニーと一緒に顔を出し、外壁を見ると10メートルあった外壁の上が1メートルから2メートルが無くなり、デコボコになっていた。


私たちが、魔法の威力に唖然となっていると誰かの大声が聞こえた。


『上からの攻撃は無くなった! 今のうちに町の中へ押し込め―!!』


「「「「「おおーっ!!」」」」」


傷だらけになりながらも戦っていたオーベス皇国軍は、持てる力を出してニルベルン軍を『ハブールの町』へ押し込んでいく。


町の東側を攻めていた私たちの部隊はついに、町の中へ進軍していく。

そして、他の正面と西側の部隊も少し遅れて、町の中へ部隊が雪崩れ込んでいった。




東門の外で、簡易テントを張り私とキルニーは休んでいる。


「……この位置だと、町からの声がもろに聞こえるんだよね」


「それはお気の毒様、ジェリー。

でも、あれから結構時間たつけどまだ制圧できないのかな?」


「声が聞こえるんだから、まだ戦っているんだろうね……」


テントの中でそんな会話をしていると、外から隊長の声が聞こえてくる。


『全員集合! 全員集合!!』


その声に反応して、私たちはすぐに簡易テントから出るとテントを片付けて隊長のもとへ走って行く。

……10分もすれば、生き残った全員が隊長のもとに集まった。



隊長は、全員の顔を見渡すと…。

「これより、我らの部隊も支援のため町の中へ突入する!

いいか! 町の中は死地だ! 絶対油断することなく全員生き残れ!」


「「「「「はいっ!」」」」」


「部隊ごとに突入! 仲間を見つけたら支援魔法を!

敵を見つけたら倒していけ!」


その号令通り、私もキルニーと一緒に『ハブールの町』へ入っていった……。








第44話を読んでくれてありがとう。


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