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ポーション屋の日常  作者: 光晴さん


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第23話 王都到着



乗合馬車に乗り旅を続けること6日目、もうすぐお昼になろうかというところで王都の城壁が見えてきた。

馬車の中で王都に住んでいた母親の女性、名前をレミナさんというそうで、姉弟のお姉ちゃんはレニ、弟はアルダ君というそうだ。


で、そのレミナさんの話だと王都の中央に大きな城が建っているが、その城は見せ城で本当の王族などがいる城は、そこから北西に少しずれたところにあるそうだ。


また、貴族の住む地区も見せ城から北の辺りと本当の城の北西辺りにあるとのこと。

理由を聞いたら、この国『ディリタニア王国』は建国当初、何度も王都に攻め込まれた経験から貴族や王族の住む場所を決めたのだとか。


王都の住民の間では、北地区辺りには秘密の向け道が存在するとかの噂がまことしやかに囁かれているそうだ。



王都の住人たちが暮らすのは、主に南地区。

また見せ城から南と東西に大きな通りが存在しており、大きな商会はその通り沿いにあるとか。

また、王都の北東部は騎士や兵士たちの宿舎があったり訓練場があったりして、その場所から王都の治安を守っているとか。


それと、ギルドなどは見せ城のある中央に本部を置いて、支部を王都のあちこちに散らばせて利用しやすくしている。



……そうか、ギルドにあった冷蔵庫のような箱。

確か情報交換が便利になったとかいうあの箱は、本部と支部とを結んで瞬時に情報のやり取りができ、いちいち人を走らせなくなって時間のロスをなくしたものだったのか。


確かに、ギルド間の情報交換は便利になるな……。


「後、王都の南地区の東西には気をつけてください」


王との情報をあらかた教えてもらってから、レミナさんが真剣な顔で注意してくれた。


「王都の南地区の南西の端と、南東の端はスラムになっているんです。

しかも、南西が最も治安が悪いそうで住人や冒険者でも近づきません」


「そ、そうか。冒険者が近づかないとなると、相当だな……」


冒険者のグリムさんが、考え込んでしまうほど危険な場所ってことか。

俺も気を付けよう。



その後は、王都の名物や屋台なんかの情報を教えてもらった。

レミナさんの話では、王都はかなりの広さがあるのでスラムに迷い込むことはないが一応気を付けてと再度注意されて王都に到着した。




王都、その入り口のひとつである東門は三つの入り口が存在する。

まずは、通常入り口。

ここは主に歩いて王都に入ってくる人たちようだ。

王都から出て、用事を済ませて再び王都に帰る人が主に通る。


二つ目が馬車専用入り口だ。

乗合馬車をはじめ、商人たちの馬車もここから入っていく。

特に、商人たちの荷物を載せた馬車が主で高さがとられているのも特徴だ。


最後が貴族専用の入り口だ。

年に何回か開かれる王族主催のパーティーで、地方からの貴族が通るためとか。

ただし、緊急連絡の兵士の馬が通ることもあり使われることが少ないなりに利用されているようだ。



俺たちが使う入り口は馬車専用入り口だ。

乗合馬車に乗ったまま、ゆっくりと東門を通る。

俺は、東門の作りや芸術性に感心しながら外を眺めていると、1人の兵士が乗り込んできた。

ゆっくり進んでいるから、乗り込みやすいのだろう。


「門兵のブルックといいます。

皆さんの身分証を確認させてもらいます」


馬車の後部に乗っている俺たちの身分証を確認していく兵士さん。

俺の番になった時に、気になることを聞いてみる。


「はい、身分証を確認しました」


「ブルックさん、王都に入るのに入場税とかはないんですか?」


「ああ、それはこの乗合馬車の料金に入っているんですよ。

他にも王都に来るまでに寄ってきた町や村の入場税も加算されているはずですよ」


そうか、それで王都までの提示料金が高かったのか。

料金のことを思い出している間に、兵士は馬車を降りて上役に報告している。

その光景を見ながら俺たちの乗った馬車は、王都の中へと入っていった。



馬車から少し乗り出して、王都を見るとまず目を引くのが中央に見える見せ城だ。

大きく立派なお城なんだが、あれが見せ城とは思えなかった。


王族が住んでいなくても、何かに使っていないのかレミナさんに聞くが、王都のただの住人であった彼女では分からないそうだ。


また、馬車がゆっくり通っていく通りを見ればいろんな人たちが歩いている。

ざっと見た限り、俺がいた頃よりも人種の種類っていうのかな?それが増えているようだ。

少し眺めただけでも、ハイエルフを発見した。


ハイエルフは、人とエルフの間に極稀に生まれるらしい。

俺がいた頃は、ほとんど見かけなかったが今は普通にいるのかな?


キョロキョロと馬車の中から人を見ていると、檻に入っている男性を発見した。

奴隷の証の首輪をしているから、奴隷を扱っている商人の店か。


俺がこっちにいた頃も奴隷売買はあったが、大半が借金奴隷か犯罪奴隷だったな。

店に並ぶのは、借金奴隷が主だったけど。

犯罪奴隷は、鉱山や地方に送られて労働をさせられていたからな……。


犯罪者を奴隷にしたからといって、側におきたい奴はまずいないだろうが。


奴隷商を過ぎると、中央に近くなり各ギルドの本部が見えてきた。

その本部の1つに、乗合馬車王都停留所が見えてきた。


これで、王都までの馬車の旅が終わるのか……。








第23話を読んでくれてありがとうございます。


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