表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

黄色いサンタクロースとトンボのガラス工場

作者: 黄色いサンタ

 黄色い帽子、黄色いマント、黄色いズボン、黄色いブーツ、これはサンタクロースの見習いの黄色いサンタクロースの姿です。まだトナカイのソリには乗せてもらえないので黄色い自転車に乗っています。世界中に黄色いサンタクロースは、194人います。12月のクリスマスだけでなく1年中働いています。つまり本物のサンタクロースになるために『よいこと』をするのが、黄色いサンタクロースのお仕事です。

 たとえば誰かが贈り物をもらったときに「ありがとう」という感謝の言葉と気持ちが自然とわいてくるように…。

 または誰かにめいわくをかけたときに「ごめんなさい」とすなおに言えるように…。みんなが、やさしくてあたたかい心をなくさないように…。

 そのために『よいこと』をします。


 黄色い帽子、黄色いマント、黄色いズボン、黄色いブーツ、これはサンタクロースの見習いの黄色いサンタクロースの姿です。まだトナカイのソリには乗せてもらえないので黄色い自転車に乗っています。世界中に黄色いサンタクロースは、194人います。12月のクリスマスだけでなく1年中働いています。つまり本物のサンタクロースになるために『よいこと』をするのが、黄色いサンタクロースのお仕事です。

 たとえば誰かが贈り物をもらったときに「ありがとう」という感謝の言葉と気持ちが自然とわいてくるように…。

 または誰かにめいわくをかけたときに「ごめんなさい」とすなおに言えるように…。みんなが、やさしくてあたたかい心をなくさないように…。

 そのために『よいこと』をします。



 あるところに、トンボのガラス工場がありました。たくさんのトンボが、ガラスのおさらやコップ、びんなどを作っていました。工場のなかは、とてもあつくて、むんむんしていました。


 子どものトンボは、ガラス工場で、はたらきたいと思っていました。

「おかあさん、ぼくも、ガラスで何かつくりたい」

 でも、おかあさんのトンボは、なかなかゆるしませんでした。

「あそびじゃないのよ。まだ、あなたは、はやいわ」

 それをきいていた、おとうさんのトンボが、いいました。

「よし、いちど、ためしてみよう。工場のなかは、とてもき

 けんだから、よく注意するんだよ」

「はい。わかりました」

 子どものトンボは目をきらきらとかがやかせてこたえました。


 さっそく子どものトンボは、ガラス工場ではたらきはじめました。とけたガラスをふいて、かたちをつくります。

 でも、子どものトンボは、ふく力がよわかったので、なかなかできませんでした。すぐに、ガラスが、かたまってしまいました。まるくかたまったガラスが、いくつもできました。

 それを見て、おとうさんのトンボがいいました。

「ほら、ぜんぜんできないだろう。これで、わかっただろう。まだ、おまえが、はたらくのは、はやいよ」

 おかあさんのトンボもいいました。

「さあ、そのまるくなったガラスをすてておいで」

子どものトンボは、まるくなったガラスをあつめて、工場のそとへでました。

 「これをどこへすてにいこうかな」

 そのとき、黄色い自転車に乗った黄色いサンタクロースが、とおりかかりました。

「子どものトンボくん、どうしたんだい」

「ぼくが、つくったガラスは、こんなになったんだ。だから、これをすてにいくところ。黄色いサンタクロースさん、どこかしらない」

「どれどれ、みせてごらん」

 ひとつのガラスだまをとりあげると、それにおひさまがあたって、ぴかりとかがやきました。

「なんて、きれいなんだろう」

「ほんとだ」

 子どものトンボも、うっとりしていました。

「そうだ、これをもっていくところがわかった」

 そういうと、黄色いサンタクロースは、ガラスだまをぜんぶ黄色い自転車のにだいにのせました。

「さあ、しゅっぱつ!」

 黄色いサンタクロースは、げんきよく黄色い自転車をこぎだしました。子どもトンボは、ふしぎそうな顔をしてあとをついていきました。


 黄色いサンタクロースと子どものトンボが、やってきたのは、町の市場でした。たくさんのひとが、いろんなものをうっていました。

「ここで、そのガラスのたまをうってみよう」

「ええ、こんなガラスがうれるの」

 黄色いサンタクロースは、市場のかたすみにガラスだまをならべました。

「さあ、きれいなガラスのたまだよ。ほら、おひさまのひかりにあてると、こんなに、きれいだよ」

 市場のみんなは、ガラスだまのかがやきに、びっくりしていました。そして、黄色いサンタクロースと子どものトンボのところへ、みんながあつまってきました。

「わたしにガラスのたまをください」

「ぼくも、ガラスだま、かうよ」

「ぼくも」

「わたしも」

 どんどんガラスだまは、うれました。

 そこへ、おとうさんとおかあさんのトンボが、やってきました。

「あの子のつくったガラスが、うれているよ」

「あらまあ」

 ちょうど、子どもトンボが、さいごのいっこをてわたすところでした。それをかったひとが、ききました。

「ところで、このガラスだまは、なんという名前ですか」

 黄色いサンタクロースが、こたえました。

「トンボの子どもが、つくったものだから、トンボだまといいます」

「トンボだま、いい名前ですね」


 それから、トンボのガラス工場では、トンボだまをつくるようになりました。子どものトンボも、トンボだまをつくるのをゆるされました。

                                   おしまい


「ところで、このガラスだまは、なんという名前ですか」

 黄色いサンタクロースが、こたえました。

「トンボの子どもが、つくったものだから、トンボだまといいます」

「トンボだま、いい名前ですね」


 それから、トンボのガラス工場では、トンボだまをつくるようになりました。子どものトンボも、トンボだまをつくるのをゆるされました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ