黄色いサンタクロースとトンボのガラス工場
黄色い帽子、黄色いマント、黄色いズボン、黄色いブーツ、これはサンタクロースの見習いの黄色いサンタクロースの姿です。まだトナカイのソリには乗せてもらえないので黄色い自転車に乗っています。世界中に黄色いサンタクロースは、194人います。12月のクリスマスだけでなく1年中働いています。つまり本物のサンタクロースになるために『よいこと』をするのが、黄色いサンタクロースのお仕事です。
たとえば誰かが贈り物をもらったときに「ありがとう」という感謝の言葉と気持ちが自然とわいてくるように…。
または誰かにめいわくをかけたときに「ごめんなさい」とすなおに言えるように…。みんなが、やさしくてあたたかい心をなくさないように…。
そのために『よいこと』をします。
黄色い帽子、黄色いマント、黄色いズボン、黄色いブーツ、これはサンタクロースの見習いの黄色いサンタクロースの姿です。まだトナカイのソリには乗せてもらえないので黄色い自転車に乗っています。世界中に黄色いサンタクロースは、194人います。12月のクリスマスだけでなく1年中働いています。つまり本物のサンタクロースになるために『よいこと』をするのが、黄色いサンタクロースのお仕事です。
たとえば誰かが贈り物をもらったときに「ありがとう」という感謝の言葉と気持ちが自然とわいてくるように…。
または誰かにめいわくをかけたときに「ごめんなさい」とすなおに言えるように…。みんなが、やさしくてあたたかい心をなくさないように…。
そのために『よいこと』をします。
あるところに、トンボのガラス工場がありました。たくさんのトンボが、ガラスのおさらやコップ、びんなどを作っていました。工場のなかは、とてもあつくて、むんむんしていました。
子どものトンボは、ガラス工場で、はたらきたいと思っていました。
「おかあさん、ぼくも、ガラスで何かつくりたい」
でも、おかあさんのトンボは、なかなかゆるしませんでした。
「あそびじゃないのよ。まだ、あなたは、はやいわ」
それをきいていた、おとうさんのトンボが、いいました。
「よし、いちど、ためしてみよう。工場のなかは、とてもき
けんだから、よく注意するんだよ」
「はい。わかりました」
子どものトンボは目をきらきらとかがやかせてこたえました。
さっそく子どものトンボは、ガラス工場ではたらきはじめました。とけたガラスをふいて、かたちをつくります。
でも、子どものトンボは、ふく力がよわかったので、なかなかできませんでした。すぐに、ガラスが、かたまってしまいました。まるくかたまったガラスが、いくつもできました。
それを見て、おとうさんのトンボがいいました。
「ほら、ぜんぜんできないだろう。これで、わかっただろう。まだ、おまえが、はたらくのは、はやいよ」
おかあさんのトンボもいいました。
「さあ、そのまるくなったガラスをすてておいで」
子どものトンボは、まるくなったガラスをあつめて、工場のそとへでました。
「これをどこへすてにいこうかな」
そのとき、黄色い自転車に乗った黄色いサンタクロースが、とおりかかりました。
「子どものトンボくん、どうしたんだい」
「ぼくが、つくったガラスは、こんなになったんだ。だから、これをすてにいくところ。黄色いサンタクロースさん、どこかしらない」
「どれどれ、みせてごらん」
ひとつのガラスだまをとりあげると、それにおひさまがあたって、ぴかりとかがやきました。
「なんて、きれいなんだろう」
「ほんとだ」
子どものトンボも、うっとりしていました。
「そうだ、これをもっていくところがわかった」
そういうと、黄色いサンタクロースは、ガラスだまをぜんぶ黄色い自転車のにだいにのせました。
「さあ、しゅっぱつ!」
黄色いサンタクロースは、げんきよく黄色い自転車をこぎだしました。子どもトンボは、ふしぎそうな顔をしてあとをついていきました。
黄色いサンタクロースと子どものトンボが、やってきたのは、町の市場でした。たくさんのひとが、いろんなものをうっていました。
「ここで、そのガラスのたまをうってみよう」
「ええ、こんなガラスがうれるの」
黄色いサンタクロースは、市場のかたすみにガラスだまをならべました。
「さあ、きれいなガラスのたまだよ。ほら、おひさまのひかりにあてると、こんなに、きれいだよ」
市場のみんなは、ガラスだまのかがやきに、びっくりしていました。そして、黄色いサンタクロースと子どものトンボのところへ、みんながあつまってきました。
「わたしにガラスのたまをください」
「ぼくも、ガラスだま、かうよ」
「ぼくも」
「わたしも」
どんどんガラスだまは、うれました。
そこへ、おとうさんとおかあさんのトンボが、やってきました。
「あの子のつくったガラスが、うれているよ」
「あらまあ」
ちょうど、子どもトンボが、さいごのいっこをてわたすところでした。それをかったひとが、ききました。
「ところで、このガラスだまは、なんという名前ですか」
黄色いサンタクロースが、こたえました。
「トンボの子どもが、つくったものだから、トンボだまといいます」
「トンボだま、いい名前ですね」
それから、トンボのガラス工場では、トンボだまをつくるようになりました。子どものトンボも、トンボだまをつくるのをゆるされました。
おしまい
「ところで、このガラスだまは、なんという名前ですか」
黄色いサンタクロースが、こたえました。
「トンボの子どもが、つくったものだから、トンボだまといいます」
「トンボだま、いい名前ですね」
それから、トンボのガラス工場では、トンボだまをつくるようになりました。子どものトンボも、トンボだまをつくるのをゆるされました。