結末はあっさりと
「失礼しまーす」
次の日の放課後、結奈はサッカー部の部室に向かった。
「遅い」
航がそう一言怒る。
「すみません!」
ほかの二人はもう来ていて、意地の悪そうな方がニヤつく。
一方でスポーツ少女の方はにこやかに笑った。
「じゃあ夕夏から言いたいことがあるそうだから。聞け。」
航の命令口調には、結奈も部員たちも苦笑い。
その中でスポーツ少女-夕夏は一歩前へでる。
「えっと・・・私、女子バスケの方に入るので辞退します。」
不完全な言葉でも意味は伝わった。
意地の悪そうな子-真梨香がフッと笑う。
結奈にはそれがひどく醜く見えた。
「それじゃあ失礼しました。」
夕夏が扉を閉めたと同時に航が話し始める。
「マネ決めだけどあらかじめ部員の方で投票してあるんだ。陸翔。」
「はーい」
航に呼ばれた陸翔は返事をしながら、航の左隣りに立った。
「マネさんは、結奈ちゃんだよ!」
間もなくすぐに結果が伝えられ、一瞬結奈は呆然とした。
結果を知らされてなかったのだろうか、部員たちからは歓声と「おおー」というどよめきが同時に起きる。
真梨香は、結奈の横で泣いていた。
こうして、部員たちにとって最も危険なマネージャーが誕生した。
地球上でそのことを知るのはおそらく生粋と結奈自身だけであろう。