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加奈の楽しみ
トントン
「はいはい、どうぞどうぞ。」
「だんだん対応適当になってきてない?」
弘樹は苦笑いで彼女のいる病室へ入ってきた。
「毎日くるあんたがわるい」
「へいへい、わるうござんしたー」
加奈の毒舌に負けじと反論した彼だったが、その言葉は彼女の怒りをかい頭を叩かれていた。
そんな理不尽な、という彼の顔をみた彼女は満足げにたたくのをやめたのだった。
「じゃ、今日は将棋でもやろうか」
「叩いたせいであんたの頭も古くなったのね」
「違うわ!ええ、断じて違うとも!違うはず!」
そんな雑談をしながら将棋は始まった。
「詰み!」
「んなっ!?」
だが、やはりというべきか。
彼は彼女に勝てないのであった。
今夜も彼はいったい、彼女に何で勝てるか、それを探す事になるのだった。
余命 残り5日