I miss you. Please come back here...
始まりの鐘が鳴る。
僕の決心は、何もかもを変えた。
失うものなどもうない。
家族も友達も何もかも。
だって
はじめから持っていないのだから。
Do you ×××× me?
魔女はにやりと笑う。
「貪欲だなぁ…。でも、その貪欲さ、僕は好きだなぁ。」
「…貴方に好かれても嬉しくないですね。」
魔女はふふふと不敵な笑みを漏らした。
「ただで人間にしてもらえるなんて思ってないだろうねぇ?」
「…に。」
「え?」
僕は語る。息継ぎの暇さえない程僕は本音を語った。
「別に僕には失うものなどもうないので人間になる為に何かを失うとか言われてもあぁそうですか、としか思えないんですよね。あ、別に体の一部だとかと引き換えでもいいですよ。それで愛されるならなんだって捨てられますよ。必要ならば貴方を裏切る事だってできますよ?えぇ、それ程までに愛してるんですよ。僕の命と引き換えでも彼女を守れる、それ程の愛です。××したい程好きなんですよね。僕ってば独占欲の塊だなぁ。別にいいけど。あぁ、早く独り占めしたい。愛されたい。いっそ彼女を鎖で縛ってしまおうか。
あぁ、貴方には僕の瞳でも捧げましょうか。
彼女を見つめるのは片目だけで十分だ…。
どうです?魔女さん。のってもらえます?」
魔女は冷や汗冷や汗と言った表情で僕を見ていたが、いきなり笑いだし、そして恍惚な表情で僕の頬を持ち上げた。
「気に入ったよ。その覚悟、受け取った。
覚悟相応の容姿を醜い黒猫に授けよう。」
僕の瞳を伏せさせ、右目にキスをする。
すると光に包まれて、僕は自分の前足を見た。
「あぁ…。」
前足じゃない。これはもう手だ。
彼女に触れられる、愛しい手だ。
「彼女と偶然出会ったと装えば、きっと彼女の心を奪えるだろうね…。
さようなら、穢れた少年。また何かあるのなら…そしたら呼び出しなさい?服はそこにおいてあるから…。」
そう言って魔女は遥か彼方へ消えていった。
I want your ××××
「…あれ?」
少女は辺りを見回す。
いない。朝はいたはずの黒猫が、優がいないのだ。
「…行っちゃったのかな。」
少女の心の隙間は、広がっていく。
ベッドに寝転がって、ふと窓の外を見下ろした。
2階から見る外の景色は美しく、恐怖さえも消えていく。
「…?あれ…。」
目に焼き付いた、それはーーーーーーー