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シュポンって流れていったよ

皆実を映し出したテレビ番組は、皆実の自宅と思われるマンションの周囲を映し出した。


「先ほど、タレントの川瀬成美さんと、お笑い芸人のふーさんうーさんのふーさんこと本名藤元勇さんの死亡が確認されました。鋭い刃物でめった刺しにされており、殺人事件として警察が捜査しております。また、娘で人気子役として活躍していた川瀬皆実さんの行方が分かっておりません。登校していたとの情報もありますが、何者かに拉致されたという目撃証言もあります。川瀬皆実さんの安否が心配されています。警察は川瀬皆実さんの行方を追っています」


「拉致したの、俺じゃねえか……」


テレビで”何者か”と言われた並木が頭を抱える。


「ふふ。お転婆な方なのですね」


花咲はバックミラー越しに笑っている。


「お転婆の使い方違うからな」


並木がツッコむ。


「なんで殺した?」


並木の質問に皆実は

「ワタシジャナイヨ」

と棒読みでとぼける。


「んなわけあるか!」


並木が皆実の頭をはたく。


「だってえ。起きたら藤元がわたしのアソコみながらシコッてんだよー。もー、キモくてキモくてキンタマ潰してチンチン切り落として、滅多刺しにしてやった。チンチンはトイレに流したわ。汚物だから。詰まりそうになったけど、最後にシュポンって流れていったよ、ケッサク! ウケたー。ママもわたしを売り渡したと思ったら腹が立ってさー、滅多刺し?」


皆実は人差し指を頬にあてて、コテンと首をかしげる。


「お前ら、ほんと気軽に殺すんだな」


並木のため息に

「興味深いお二人ですね」

花咲がミラー越しにニコニコしたまま言う。


「さあ着きました」

と花咲がクルマを止めながら言う。


タクシーを出ると、漁船が並ぶエリアだった。


陽は既に海面近くになっている。


そろそろ夕日に染まりそうな時刻なのだろう。


「ここなの?」

と皆実が問うと、花咲は首を振る。


「ここからは船です。こちらへどうぞ」


花咲が先導する。


その船は大きな漁船という感じだった。


もちろん、遠洋に出るような大きさではないが、一般的な漁船のイメージよりはだいぶ大きい。



花咲の案内で乗り込むと、外観と違って中は相当に近代的であった。


多分、漁船に見せているのはカモフラージュなのだう。


ソファーがあるので、私達はそこに座る。


花咲は

「船を操舵しますので失礼いたします」

とお辞儀をして船首の方に歩いていく。


低音の振動が船内に響き渡る。


わずかな慣性を感じるので、船は進んでいるのだろう。


少し、揺れが強くなる。


湾を出て外海に出たのだろうか。


皆実は大きな欠伸をすると、私に寄りかかる。


私は昔を思い出し、愛おしく頭を撫でる。


安心したのか、数分で寝入ってしまった。


「おい」


並木が、皆実を起こさないように抑えた声で話しかける。


「なんでしょう」


「お前らは一体何者なんだ?」


船室のドアが開き、花咲が入ってくる。


「私もお伺いしてもよろしいでしょうか? あなた方は一体何者なのか」


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