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み、美奈子――――!

私は最終段階の案を実行すべく、並木に声をかける。


「並木さん」

「あ?」


振り向いた並木に要件を伝える。


並木は驚いた顔をしたが、納得したのか頷く。


そう。


目には目を。


歯には歯である。


並木は滑る足元を気にしながら私から離れていく。


私と皆実は中ボスがいる奥の部屋へと進んでいく。


私は死体の中から軽そうなものを選んで引きずっていく。


「皆実」


「はいよ」


「せーの」


会長室のドアを開けると共に一体の死体を放り投げる。


ババババという爆発音が続く。


ドアを閉める。


「やっぱり飛び道具があったね」


皆実はキラキラした瞳でこちらをみる。


何が楽しいのやら。


「何人いる?」

と問うと皆実は鼻の頭を指で撫でる。


「15人の違う匂いがしたよ」


「多いな」


「拳銃かしら?」


「ああ、トカレフが8丁、ベレッタが4丁、あとは、あれはなんだ? もしかして92式かな? 3丁あったな」


私の説明に上野がびっくりしている。


「なんでそんなのが分かるんだ?」


「音で分かります。私、一度聴いた音は忘れないんで。でも92式があるってことは、この組織の背後に……」


私は異世界に行くまではガンマニアだったので、大方の拳銃の動画は見ていた。


そうした銃を海外で試射する動画がガンマニアの中では大人気である。


だが92式は意外である。アレは中国の公式の拳銃だが、規制が厳しいからそうそう流通しない。急にきな臭さが増して来たな。



微細な足音が床を通して聞こえる。


足音は二人分。


多分、下っ端の二人が様子を見にドアに近づいているのだろう。


私の耳をもってすれば、ドアの向こう側の動きは完全に読める。


弾を詰めなおす音も聞こえる。


中ボスらしき男がどこかに援けを求めている声も聞こえる。


あまり時間の余裕はない。


ドアが開く。


その隙間から一人が腕だけ出して銃を発砲する。


その腕を皆実が切り裂く。


ギャーッという悲鳴。


私はその腕を掴んで引っ張り出す。


落とした銃を皆実が拾い上げ、即座に二発部屋の中に発砲する。


一発がもう一人に当たったのだろう。


悲鳴と共に斃れる音がする。


もはや中ボスとその一味は完全に詰んだ。


これが内開きのドアなら、まだ目はある。


外開きだから、こちらに主導権があるわけだ。


ドアの作り一つで戦況は一変する。


異世界でも私達は砦や城の設計では熟慮した。


外開きは逃げることを優先する。


内開きは守ることを優先する。


それぞれの役割に応じてドアを設計したものだ。


多分、平和ボケの日本ではそんなことも考えていないのだろうな。


そして外開きのドアの部屋に立てこもった時点で負け確だ。


余談だが、将棋というのは元々軍事用だったらしいが、実際に戦場に行くと納得できる。


もちろん、取られたコマを再利用するというのは独特でイレギュラーではあるが、考え方は非常に参考になる。


私達がこれからやるのは詰将棋である。


玉をつり出すことが最重要だ。


それが出来なければ味方の損失を覚悟しなければならない。


その頃になってようやく並木が戻ってきた。


時間がないので、大きい方を奪う。


大きい方は体をよじって抵抗する。


「皆実」


声をかけると皆実がドアを開ける。


そいつの背中を蹴って中に押し出す。


敵だと思った連中が拳銃を撃ちまくる。


ドアを閉める。


中ボスらしき男の悲鳴が響く。



「み、美奈子――――!」


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