表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/28

ネイルがとてもキレイだ

山下サンの瞳孔が開いている目と合ってしまった。


恨むなら自分の性癖を恨んでね。


私は心の中でそっと合掌する。


「発情ってどういうことだ?」

と並木が聞いてくる。


「皆実は異常に鼻がいいんです。相手が発情した匂いを察知できるんです」


「犬みたいだな」


「犬より高性能らしいです」


「じゃあ、俺も発情していたらコレか」


「そういうことです」


「おっかねえなあ」


「おっぱいに発情する私達は勝ち組ですねえ」


「ああ、確かに俺もおっぱいが好きだわ」


私と並木は男同士のなんだかわからん絆のようなものを感じた。


知らんけど。




良い感じに血を流している山下の足を持って、

ジャイアントスイングの要領で廊下の奥へ放り投げる。


血液はこのツルツルした廊下の床では滑ることだろう。


ここが主戦場になりそうである。


私はリュックからお徳用のサラダオイルと洗濯用洗剤を取り出す。


一セットを並木に渡す。


「これ階段に撒いといて、上って来たヤツは片っ端から殺してくださいね」


「お、おう」


「躊躇したらウチらやアンヘルの皆様も全滅ですよ?」


「お、おう」


並木は頷く。


私はもう一セットを廊下にばら撒く。


それから持ち込んだガラス製品を投げて割り続ける。


おまけに大量のL字型やら凸型の金具をばら撒く。


その音に気付いたのか、いくつかあるドアの一つが開く。


「うるせえ……。うわっ! え?」


皆実が油と洗剤でツルツルと滑る廊下を何の苦も無く走る。


「shhh!」


その男の首をナイフで切り裂く。


血しぶきがまき散る。


そのまま、その部屋に飛び込んで行ってしまった。


まだ、その部屋は場が整ってないのになあ。


怒号がその部屋から聞こえる。


まあ奇襲だから、どうにかなるだろう。


私は他の部屋の動向を監視する。


耳を澄ます。


三番目の部屋だ!


私は滑るように廊下を移動する。


ドアが開いた瞬間、顔を出した男の首を切り裂く。


血しぶきを上げた男の身体を廊下に放り投げる。


当然、その部屋も大騒ぎなる。


後ろのドアが開く。


同じように無警戒で顔を出した男の首を斬りつける。


それを数回繰り返すうちに、数人の死体が廊下に転がった。


その頃合いには皆実が部屋から出てきた。


ギラギラとした瞳で周囲を見回す。


そう。



これが皆実だ。




王国最強の麗しき殺戮者と畏れられた皆実なのだ。


皆実に近づき、

「後はよろしく」

と私は声をかける。


「あん? そんなのはいやー」

と皆実は首を振る。


「いつもの!」

とおねだりである。


「はいはい」

私は皆実の耳元で囁く。


「はい!」

と元気よく返事すると、皆実はニヒーっと満面の笑みだ。


わからん。


何がいいのか。


まあ皆実がやる気になるからいいか。


私は皆実のいた部屋に入る。


8人ほどだろうか。


全員こと切れている。


若い女性が倒れている。


事務の女性だろうか。


虚空を見つめている。


もがくように腕が伸びている。


ネイルがとてもキレイだ。


どういう人生を歩んできたのだろうか。


なぜ、こんな組織で働いているだろうか。


表向きはまともな仕事なのかもしれない。


本当に普通の人なのかしれない。


家族は今日も彼女の帰りを待っているのかもしれない。


彼氏かもしれない。


でも、そんなものは関係ない。


戦場とは、そういうことなのだ。


明日になれば、この事件はテレビで流れるだろう。


死者50人と数で発表されるだろう。


ガザ地区で、シリアで、ウイグル地区で死者2万人とかと変わらない。


単なる数である。


戦争で、みんなが興味あるのは死者の大小であって個ではないのだ。


一人死亡。大したことないな。


千人死亡。凄い被害なんだな。


その程度になる。命が軽いとはそういう世界を云う。


それが戦場なのだ。


そして、いつでもどこでも戦場になる可能性がある。


それは日本だって例外ではない。


そして、負けた側にいれば蹂躙される。



だから絶対に負けてはいけないのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ