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これ、私がやりたーい

学校内が何だか騒がしいので、

昼休みか?

と時計をみるがまだ四時間目の途中である。


授業中なのに、なんだか大騒ぎに聞こえる。


なんだろう、と思っていたら保健室のドアが乱暴に開く。


一人の男子生徒が飛び込んできた。


「き、木原くん! き、来てくれ!」


だれ、あんた?


あ、二年生の時のクラスメイトの高梨くんだったかな。


偶にモデルガンとかプラモデル系の話をしていたな。


オタク系の中学生ではある。


そんな彼が何の用だろうか。


まあ暇なので私と皆実は高梨くんについていく。


段々、怒声や悲鳴のような声が大きくなってくる。


んん?


聞いたことがない声も複数聞こえる。


私は一度聴いた音や声は忘れないので、同じ中学の連中なら思い出すはず。


新入生は知らない場合もあるが、それにしては大人の声である。


何が起きているんだか。


高梨くんはどんどん騒ぎの大きい方へ向かう。


階段を上って廊下に出ると、騒ぎの現場が見えてきた。


明らかに中学生ではない、その筋っぽい男が数人大声で叫んでいる。


「木原ってヤツをだせ! 木原一馬ってヤツだ! 早くしろ!」


それを数人の教師達がへっぴり腰になりながら押しとどめようとしている。


「あ。木原は私です」


と声をかけた。


「き、木原! に、逃げろ!」


若手の男性の先生が必死の形相で私に声をかけてくれた。


んん?


あ、末次先生だわ。


二年生の時の担任だったけっか。


体育の先生でもあったな。


角刈りで筋肉質の良い身体をしている。


元柔道選手だったと話していたな。


身体能力もさることながら、体を張って生徒を守る精神も善き。


私の部下になれば鍛えがいがありそうだ。


やっぱ民を守る騎士ってのは体力と責任感が大事。


などと、どうでも良いことを考えていたら


「てめえが木原か」


一人の金髪の男が私に近づいてくる。


小柄だが、鋭い目をしている。


二十代前半くらいかな?


それを末次先生が止めようとするが、ひと薙ぎで吹っ飛ばされる。


あの身体で大柄な末次先生を軽く倒してしまうとは。


よほど体幹が強いとみえる。


こいつはヤバい。


異世界の鍛えた体なら雑魚だが、こちらの身体ではチト不安だ。


私は思わず身構える。


私の腕にぶら下がっている皆実がすっと前に出る。


「これ、私がやりたーい」


強い相手をみると、すぐこれだ。


「こら。そんなんだからお前はトラブルメーカーだって団長からも怒られるんだぞ」


「あはは。なついー。よく怒られたなあ」


皆実はテヘペロという顔をする。


「さあ来いやー」


と皆実はウィンクしながら金髪男を手招きする。


まあ、可愛いよなあ。


自分の妻ながら、可愛いさは間違いなく世界一だなあ。


だが、その可愛さに近づいた男は、私以外は大抵地獄を見るんだけどな。


尚、この場合の地獄は、生き地獄ではなく、死に地獄になること請け合いだ。


異世界では最初の十年くらいは、皆実は割と大人しい子だった。


まあ、十年とはいえ、向こうの成長速度で言えば五年に満たないが。


武術の力を身に付けて自信が付いてから、段々と常軌を逸していった。


実のところ、彼女は戦闘狂とも言える性格だった。


私は荒事が嫌いなんだが、彼女に巻き込まれること数千回。


いや数えちゃいないんだが。


とにかく、血がたぎるのか、気づくと彼女は先頭に立って、敵に突っ込んでいる。


それを必死にサポートするのが私の役目だったりした。


金髪の男は皆実を無視して、私を睨みつける。


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