おっぱいがある女性にしか興味ございません(キリッ)
とまあ、かっこいいこと言ってみたわけだが、要点をかいつまめば
おっぱいがある女性にしか興味ございません(キリッ)
ということである。
我ながらサイテーである。
それからも、ひとしきり、異世界のことを語り合いながら待っていたが、
どうやら私と皆実の保護者に連絡が付かないらしいと、
見回りに来た教師は告げる。
まあ私の母親が簡単に連絡付くわけない。
そもそも太客以外の電話は出ない。
連絡がついたら、むしろびっくりである。
私の電話すら出たことがないし、電話すれば帰ってきたら殴られるのがオチである。
皆実の保護者は……。
推して知るべしだな。
異世界で皆実が話した内容が本当なら、あのクズ夫婦はシャブでラリって人間をご辞退しているはずだ。
「でだ」
私は本題を切り出す。
「うん?」
皆実は可愛らしく首をかしげる。
「何をやらかした?」
「うぇ!?」
心底、嫌そうな顔をした。
「なんのこと?」
キョトンとした顔をする。
もう演技モードに入りやがった。
天才子役、恐るべし。
私は皆実の頭をはたく。
演技モード解除の私と皆実だけのプロトコール。
「いだっ」
皆実は大げさに頭をさする。
「さっき会った時に、自重しておけばよかったとか言っていたよな?」
「んー? そうだっけか?」
皆実はとぼける。
ちなみにあの言葉は、喧嘩のことではないのは確かだ。
あんな喧嘩など皆実にとっては、朝のラジオ体操程度のものである。
皆実が自重しなかったと言えば最低限、人は死んでる。
これガチだからね。
こちらでは殺人はめったに起きないだろうが、異世界では死体を目にしない日の方が珍しいくらいなもんだ。
「今日、戻って、朝会った時まで2時間程度か。やっちまったのか」
私の推測は図星だったのか、
「だってえ」
と皆実は頬を膨らませる。
「分からんでもないが、もちっと周到に準備しろ」
私の小言に皆実はしゅんとする。
「起きたらアレよ? もう許せなくて」
皆実は上目遣いで私をみる。
「私がいれば、何とかしたんだがなあ」
私もため息をつく。
「まさか一馬が近くにいるとは思わなくてね。日本のどっかにはいるんだろうなあって。探しに行こうって思ったけど難しいから、むしろ私が大注目浴びて、こうウェーイって一馬に気づいてもらおう的な?」
「何がウェーイだ」
皆実の顔を両手で挟んでヒヨコ口にしてやった。
「家の中がくっさいからさー、窓開けたらほのかに一馬の匂いがしたんだよね。その匂いを追ってきたらほんとにいて、びっくりしたよー」
「相変わらず犬みたいな鼻だなあ」
「犬には勝てると思うけどな」
皆実は自分の鼻を人差し指でツンとつつく。
「どんな状況?」
「一応、風呂に沈めて、お水ちょろちょろと出しておいたから、とりま臭いは大丈夫」
皆実の言葉に私は唸る。
「どう始末つけっかなあ」
私は思案しながら腕を組む。
「後はよろぴく」
皆実はキュルンという音がしそうな仕草をする。
この女は……。
またこのパターンかよ。
私は思わずぼやいた。
色々思案したものの、結局、それは不要なものだった。
学校がなんだか騒がしくなってきた。
後々に思えば、長い旅路の始まりだったなあ……(遠い目)




