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平井からの電話
翌日、平井から電話があった。
「名前、聞いたぞ」
「まじで」
「うん」
「漢字とかわかる?」
「漢字?」
「姓と名、両方」
「あー……ちょっと珍しい名前だったしな。わかると思う」
「まじで。メールで送ってくんね?」
「わかった。すぐ送るわ」
「助かる」
「そうだ」
平井が何か思いだしたふうだった。
「競争率高いらしいぞ、あの人」
「競争率?」
「結構いろんな人があの人のことをかわいいって言ってるっぽい」
ぼくは息を止めた。軽く動揺してしまった。平井に悟られないように、ふうん、と相槌を打った。
「ま、頑張れよ」
「わかった。ありがとう」
電話が切れてすぐ、平井からメールが届いた。あの人の名前がわかった。




