プロローグ
NTRの世界に転移した少年。
俺は元の主人公のようにはならない。
俺が元のストーリーを崩壊させ、すべてを手に入れてやる。
部屋の中には一人の若者がいる。
*ガシャン* 若者は本を部屋の隅に投げつける。
「くそっ、この話の結末、めっちゃ腹立つ! 主人公をNTRする悪役が勝つなんて馬鹿げてる。しかも、もっと馬鹿げてるのは、主人公が裏切りや愛する人たちの浮気を受け入れて、ただ諦めるだけなんだ。対抗するどころか、復讐もせず、負け犬のようにはうように去っていく。NTR系の物語の主人公には共通点がある。裏切られたり、愛する人が他の人と浮気しているのを見ても、臆病になってしまうんだ。」
この物語は、俺にある思い出を呼び起こす。幼馴染の彼女が、バーに行って金を使うことしかできない、ろくでもない男に俺を裏切ったこと。彼女の浮気を知って、別れることにした。彼女が正気に戻って、またやり直せるようになることを願っていたけど、彼女はその男と一緒にいた。その後、彼女を再び見たとき、俺はすごく落ち込んでいた。でも時間が経つにつれて立ち直り、次の恋愛では明るくて居心地のいいオーラを持つ女の子と付き合った。彼女こそ運命の人だと思った。でも、彼女も俺を裏切った。相手は俺たちの上司の息子で、金をひけらかし、宝石や車をプレゼントしていた。当時の俺は平均的な給料しかもらってなかった。上司の息子は俺の目の前で、まるで誇らしい成果のように俺をバカにした。俺は会社を辞めることにしたけど、その前に復讐した。違法な取引や資金の横領、杜撰なプロジェクトの情報をすべてリークした。その情報のおかげで、会社は5ヶ月後に破産宣告した。
その間、俺は新しい仕事を見つけ、運動したり、アニメの世界にどっぷり浸かるなど、新しい趣味を探し始めた。そんなとき、インターネットを徘徊していると、あるフォーラムでNTR系のマンガに出会った。最初は好きじゃなかったけど、こういう物語を読み進めるうちに、ある程度の耐性ができた。納得できる物語もあれば、めちゃくちゃなものもある。そんな中、特定の物語に目が止まった。
その物語では、主人公が幼馴染、母親、そして主人公の母までもNTRされる。作者はNTRの部分を主人公のせいにしようと正当化する。主人公は浮気を知って、NTRする相手(身近な人物)と対峙するけど、失望してその相手と一緒に引っ越し、3人の女性を監視して救おうとする。
結果的に、主人公はNTRする相手を支える側になり、その相手を変えようと努力する。でも、その相手が結婚した後も、親友だと思っていた男にまた妻をNTRされ、自分の子じゃない子を育てることになる。そして、すべての努力が無駄だったと知り、自ら命を絶つ決断をする。もし違う選択をしていたらどうなっていたかという後悔を残して。
この結末は、NTRする奴がいつも勝つという思いを俺に抱かせる。そして、こういう物語の主人公は、報復もできない頭の空っぽな奴らだ。
もし俺がNTR系の物語の主人公だったら、どうするだろう……
正しい選択をするのか、それともNTRする相手にどう立ち向かうのか……
ヒロインたちに対してどう感じるのか……
こんな考えはもうどうでもいい! ビールを買って、ラーメンでも食べよう。
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