忠誠よ、主がそれを忘れても、我等の絆が覚えているぞ
ズラリと並ぶ書物群
最前線から退いてはや21年
あの時あの場で起こったことの裏に何があったのかを知るために、私は今、連邦の機密にその名を連ねる事にした
連邦地上軍 防空軍 海軍そして各軍傘下の空挺軍 強襲軍
彼らとは別に独立した、とある組織が存在する
《アスティア連邦 国家安全保障省 中央保安機構 A局》
通称《藩屏の黒騎士》
帝国時代から続く、非公式な軍事行動を行い未然に国家の危険を消し去る
その性質上、出自は明らかとなっていない
帝国黎明期、当時の皇帝が自らの地位を固めるが為に設立したとも、皇帝近衛軍や帝国軍、当時の国家安全保障省内で秘密裏に設立されたものが、時代と共に統合されたとも言われている。
ともあれ彼らは時を経てもその意志を受け継ぎ、今も尚連邦の藩屏となりて、仇なそうとする無礼者共を底の見えないクレバスに突き落とし続けていた
戦力も定かでは無い
一説には1個旅団とも1個大隊とも、様々な憶測が飛び交っている……と言っても、これを知る数少ないものだけの間であるが
しかし一つだけ、定かになっているものがある
部隊の標語……モットーの様なものだ。
それとは……
Meine Ehre heißt Treue
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新連邦歴44年 彗歴2035年
連邦北西部 スリャトビア州 ログツィヤ市
都市から遠く離れた草原の上を、超低空で駆け抜ける6機の影があった
A局特殊作戦群 第12空中機動旅団 第2大隊所属のMi-28NMが2機と4機のKa-60Mである
彼らが何故こんな所に居るかと言えば、中央保安機構の国内情報局からとある情報が上がったからである
『当該都市に置いて、大規模同時多発テロの兆候ありを認む。而今に置いて連邦の平安を保つはA局にあり。至急の措置を求む』
つまりは『テロリストが暴れる前に皆殺しにしろ』という事だ
情報によれば予測地点は7箇所、いずれも大都市である
出撃が下令されたのは第12空中機動旅団2個大隊
第17機械化歩兵旅団3個大隊 バックアップに第4特殊作戦旅団と、殺意丸出しの編成であった
「包囲封鎖と監視体制の構築が完了しました。包囲環内に目標以外の人間は無いとの事、また環外2kmにもないとの事」
「やりやすいな。目標は崖付近に洞窟を掘って内部に武器とテロ用の物資を保管しているんだな?」
「はい。こんな事も有ろうかと火炎放射器を要請しておいて良かったですね。」
「使うとしても最終手段だがな。無闇矢鱈に洞窟を燃やしてみろ、みんなまとめて酸欠でくたばる事になる。」
「わかってますよ」
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1個小隊は攻撃機×2 輸送ヘリ×4で構成され、各輸送ヘリに10人が乗り込む
10人で1分隊を構成し、分隊長と副官、盾持ち2名 小銃手2名
選抜射手 LAT 機関銃手 衛生兵は各1名で構成されている
共通しているのは5つのグレネードを持っている、そしてサプレッサーの使用が義務付けられているということである
今回の作戦に際した武装/装備は以下の通り
第1~3分隊
分隊長/副官:AK-12M(60発マグ×4) 戦術指揮官端末
キンジャールАセット
小銃手:AK-12M(60発マグ×5) MP443M(2)
小銃手の内2名はGP-30をマウントし、1名はマスターキーを装備
キンジャールАセット
選抜射手:SVDM(20発マグ×5) SR-3(44発マグ×3)
キンジャールСセット
LAT:RPG-29/RPG-7V3 AKS-74UM(60発×6マグ)
キンジャールБセット
機関銃手:PKP SP(100発マグ×2) MP443M(4マグ)
キンジャールБセット
衛生兵:SR-3(44発マグ×5) 治療器具1式×2(重傷2 軽傷6人分)
キンジャールСセット
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第4分隊
分隊長/副官:AK-12M(60発マグ×4) MP443M(18発マグ×2) 戦術指揮官端末
キンジャールAセット
小銃手×2: AK-12M(60発マグ×5) MP443M(30発マグ×2)
キンジャールAセット
戦闘工兵×3:SR-3(44発マグ×4) RPO-AM(サーモバリック弾型3筒)
キンジャールДセット
機関銃手×2:PKP-SP(100発マグ×3)
キンジャールБセット
衛生兵×1: SR-3(44発マグ×5) 治療器具1式×2(重傷2 軽傷6人分)
キンジャールСセット