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「さあ、どうするんだ?行くのか、行かないのか」

 

 俺に決断を迫るルイス。

 ただ、答えを出す前にひとつ聞きたいことがある。

 

「全員行くつもりなのか?」

「うん。ヴァルが残ってくれるなら僕たち全員で行ってくるよ」

「俺だけ安全なところに置いて、お前らは危険に飛び込むってのか?」

「話し合った結果だ。ヴァル、お前の懸念も分かるが、生きている可能性が少しでもあるなら俺たちは探しに行く。ただそれだけだ」

 

 俺以外の全員。全員の心はもう決まってしまっている。

 今更どうこうできるような状態じゃないってか。

 

「はあ……クソ。分かったよ、俺も行く。しかし条件はつけるぞ。

 シェルターを3つ見ていなかったら帰る。それ以上の長旅は認められない」

 

 この付近にシェルターがいくつあるかも分からない。

 ここにも、あっちにもいないとなって奥深くまで進んでしまえばキリが無いし、本当に危険だ。

 

「了解だ、リーダー」

「結局こうなるんだよねー」

「あのなあ……全く、なんでこうも命知らずしかいないんだ」

 

 数時間前の険悪は雰囲気は無くなり、皆いつもの調子に戻る。リラックス出来ている証拠だ。

 

「で、もう出発するのか?」

「あー待って待って。誰か1人は残ってディアとエマを見てないと」

「そんな!?わたしたちも行きたいです!」

「お願いします!連れていってください!」

 

 部屋の隅で話を聞いていた2人は俺の裾を掴んで懇願してくる。

 だが確かに、ハルの言う通りこの子たちは連れていかない方がいい。

 言葉は悪いが、完全に足手まといだ。

 

「ごめんな2人とも。早く移動して早く助けるためにも、俺たちだけで行かなきゃならないんだ」

「……分かりました」

「気をつけてくださいね」

 

 2人は本当に物分りが良い。ちょっと口がへの字になっているようにも見えるが、それでも納得はしてくれる。

 

「それでね、ヴァルが行かないって言ってたから全員で行くことになってたんだけど、さてどうしよっか」

 

 話が着いたからか、ハルが申し訳なさそうに聞いてくる。

 そして何故か手は、握りこぶしを作って軽く揺らしている。

 

「いや、その決め方はしないぞ。エリスとダエル。お前たちが残ってくれ」

「え、私が残されるのは分かるけど、なんでダエル?1番強いのにー」

 

 最もな反論。だがだからこそだ。

 

「シェルターだって完全に安全じゃないと分かったことだし、数日は帰って来れないだろうから、その食料集めとかに必要なんだ」

「本当に俺が居なくて平気か?」

 

 壁にもたれ掛かり、腕組みしながら聞いてくる。

 俺たちより1歩引いたところから見てくれている安心感。

 今回はそれがない。だが

 

「大丈夫だ。会敵しない限り戦闘はしない。それよりも、そっちこそ食料にやられんじゃねえぞ」

「ふん。言ってろ」

 

 さて。

 遅ればせながら俺の心も決まった。

 武器の手入れは問題ない。

 体のコンディションも万全。

 

「よし。皆もう行けるか?」

「ああ、さっさと行こうぜ」

「ルイス、お前が言い出しっぺなんだから、しっかり働けよ」

「分かってるよ」

 

 

 俺たちは最後にディアとエマにひと声掛けたり頭を撫でたり。

 それぞれのやり方で別れを告げる。

 

「ジャンヌお姉ちゃんをお願いします!」

「みなさんも無事に帰ってきてくださいね!」

「もちろんだ。誰1人失うことなく帰ってくるよ」

 

 それでは、ついに出発だ。

 向かうは南。

 房総半島の最南端だ。

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