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家族のかたち  作者: yoyo
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寂しい3日間⑵

 時計を見ると、もう9時を回っていて、足早に家路へ向かう。

 ここ1ヶ月程、激務が続いていた。

 勇がいるため、出来るだけ定時に上がれるように、日中は仕事を詰め込んで、休日出勤する事もあった。

 特にこの1週間は、残業することも多く、幸司にもだいぶ負担をかけた。



 勇はもう寝たかな……幸はテスト前なのに悪かったなぁ……


 そんなことを考えていると、冷たい風が吹き込み、ブルっと体が震えた。

 



 翌朝起きると、喉の違和感があり、唾を飲み込むと激痛が走る。

 体を起こすと、重く、気だるい。


 まずい……やっちゃったかな……




 リビングでは、幸司がすでに起きて朝の用意をしていた。

「おはよ……ん?大丈夫?顔色悪いよ」


 なかなか……するどい……


「ん?ん〜」

「具合悪んだろ。父さんは、調子崩すとすぐ熱出すから!」

 そう言うと、体温計を押し付けられる。



 ピピピッ……


 36.8℃……寝起きでこの体温……ちょっと、いや、だいぶマズイか……

  元々体温は低く、特に寝起きはいつも35℃ちょっとしかない。


「何度?」

「ん〜、36℃……」


 すかさず、幸司に体温計を奪われ、睨まれる。

「ったく、何で子どもっぽいウソつくんだよ!!」

「ス……スミマセン……」

「確か昨日で、ひと段落ついたんだよな。今日仕事休めないの?勇のこともオレがやるし」

「そうだったんだけどね……今日は朝、顔出さないとまずっくって。でも、午後から半休取って帰って来ることにするよ」


 心配そうに見つめる幸司の肩を2回叩き、身支度を始める。








「勇、ゆーう」

 布団をたたかれて、目が覚める。


「幸兄ちゃん……?」

 カーテンと窓を少し開けている、幸兄ちゃんがいる。


「おはよ」

「おはよう……ゴザイマス」


 あれ?幸兄ちゃん?いつもは広くんが起こしに来るのに……

 隣の布団にも広くんの姿はない。


「父さんは、ちょっと風邪気味みたい。勇にうつさないようにって」

 幸兄ちゃんの手が頭に乗り、撫でられる。

「ちょっと窓開けて、空気の入れ替えしてるから、早く着替えて降りておいで」

 そう言うと、幸兄ちゃんは行ってしまった。


 なんだろう……なんだかモヤモヤ……すごく寂しい……

閲覧ありがとうございます。

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