告って溺愛する。
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誤字と表現変えました。
「あなたが、斎藤佑樹くんがずっと好きでした!
私と付き合って下さい!」
「えっ?」
今なんて言った?
じゃなくて、こっこれは告白?…だよな?
しかも俺の名前言っていたし、
「俺への」だよな?
自分で言うのもなんだけど
こんな夕方わざと
黄昏れてるようなイタいやつだぞ?
んー?
ああー
オーケーオーケー
分かったぞ
ドッキリか罰ゲームだな。
夕方黄昏れてるバカ(自分)がいるっていう噂を聞きつけて、誰かドッキリしたんだな。
そうだよな…
はぁー
「佑樹くん?」
「あぁ、ごめん、ごめん、」
「それで…あの…その…私と付き合ってくれるの?」
顔を真っ赤にして恥ずかしそうに彼女は言う。
どうしたものか、
ここはドッキリに乗って了承して笑いものになるのが正解か、
それとも断って、どうせ見ているのであろう
ちょっとヨクワカラナイやつらの舌打ちを聞くか…
うーむ…
考えるほどのものでもないか。
うん断ろう、こんなドッキリで俺のヤンデレ道は
折れないぞ。
「ごめん、君とは付き合えない、おれは…
えっ?」
静かに俺の言葉を聞いていた彼女だが、
付き合えないという言葉を聞いた瞬間、彼女はそれ
をブレザーのポケットから取り出した。
ナイフだった。
刃渡りは7、8cmくらいの折りたたみナイフで
彼女はそれを展開すると
両手でしっかりナイフのつかを握り。
笑顔でナイフの刃先を俺に向けた。
「…らない、
私の事を好きじゃない佑樹君なんて要らない!
認めない!」
彼女の表情は色で言えば黒、一色だった。
自分を愛する者が自分を愛していない、
そんな現実壊してしまおう、
そんな表情だった。
俺にはそれが…とても美しく見えた。
その表情が、言動が、立ち姿が、
その自分に向けられたナイフが
俺には神々しくすら見えた。
俺はそれに見惚れていた。
そう思っているとは思ってもいないであろう彼女は、
躊躇いもなく両手で持ったナイフで俺を刺しにかかって来た。
全体重をナイフに掛けるようして体全体で刺しにくる。
見惚れていた俺はとっさに動き出した。
自分の腹に近づく、
ナイフを持っている彼女の両手を押さえようとする、
だが、前から手を出したため、
左手のひらにが深々ナイフと刺さって手を貫通した。
「くっ!」
手に刺さった瞬間不思議と痛くは無かったが、
鳥肌がぶわーと体全体を駆け巡る。
そのまま行くと腹に刺さるため、
無理やり手に刺さったナイフごと彼女の両手を左側
へ避ける。
その時に俺はほぼ無意識に
右手で彼女の左手ーナイフから解いた、
彼女はそのままナイフに込めた両手の威力を殺せず
左側へと流れていく、
彼女の表情は絶望一色だった、
伏せた目元からはキラキラと僅かに光るものがある。
彼女にとって振られた、そして殺せなかったと言う
事実はとても耐えがたいものなのだろう。
このまま誤解を解かずにいると、自殺したり、
また俺を殺そうとしかねない。
言動などからほぼ彼女はヤンデレだろう。
せっかく俺を好きなヤンデレ美少女が来たのだから。
彼あの告白は了承するほかないだろう。
それに俺は、ヤンデレだから彼女に見惚れていたのではなく。
彼女、光莉そのものに見惚れていたのだ。
つまり俺は光莉が好きだ。
俺はそのまま右手で彼女を抱き寄せると
光莉の唇に自分の唇を重ねた。
光莉の表情から絶望が消えた。
光莉はとても驚いた様だった。
しばらくして、お互い閉じていた唇をゆっくりと開けた。
そして、舌を絡め合う。
「んんんん〜、んてぅ…ふぁ…」
最初は驚いてガチガチだったが。
途中から受け入れてくれた。
それはとても幸せな一時だった。
「ぷぅ、ふぁ~」
唇を離すとお互いの間に白銀の橋が出来ていた。
余韻がとても恋しかったが、
それよりも大事なことを俺は言った。
「さっきはごめん、光莉さん、
いや光莉、俺と付き合ってくれ。」
「っはい!」
彼女の顔は喜びの涙で溢れていた。