表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤンデレを溺愛する。  作者: 壮衣
17/22

嫉妬した光莉を溺愛する。

お冷、書き忘れたので書きました、

それだけです。

「シュークリーム!」


その言葉に目を輝かせる光莉。


「そう、あそこのシュークリームちょっと特殊でね

 ちょっと温ったかいんだよ」


「あったかい?」


光莉がきょとん、として聞いてくる。


「そう、

そのおかげでカスタードがさらにトロトロになって

めっちゃうまい」


シュークリームは普通冷たいのだが、

カフェIMAMURAのシュークリームは

一味違う、温かいのだ

これはシュー生地に

冷めたカスタードを入れるのではなく、

熱々のカスタードを冷まさないで、

シュー生地に入れることでカスタード

がさらにとろとろになって美味い。


「なにそれ!めっちゃ気になる!」


「うん、じゃあ食べに行こう。」


俺はそう言うと歩き出した。


光莉は俺が歩いていくのを見ていたが、

俺の左腕にガバッと飛びついて自分の右腕を絡め、

そして、左手を光莉の左手で握り。

腕を組みして着いてきた。


俺の左腕は光莉にがっちりホールドされ、

全くと言って良いほど動かない。


まぁ、好きな人に密着されているし、

押し付けられている胸の感触がとてつもなく良い物だから全く不憫はしないが。


さらに光莉は俺の顔も見つつ、

商店街の女性たちにこまめに殺気を放っている。


なんとも器用だ、しかも俺の方を見るときだけ

満面の笑み、かわゆい。


おかげで俺たちが通るところだけ、

何故か女性が店の奥に隠れたり、逃げたりして

居ない。


それほどまで光莉の殺気は強いのだ。


カフェまではそこまで遠くないのだが、

油断はしないらしい。


「別にそこまでしなくても、俺は光莉の“物”だよ?」


「物」のところを少し強くして言うと光莉は


「だーめ、佑樹くんは私の“物”だけど、

立場をわかっていない雌犬どもが、

寄ってくるかもしれないでしょ?

それにもしここにトラックが突っ込んできたら、

佑樹くん一人で死ぬなんて許さない、私も一緒に死ぬから。」


くぅ〜、

かわいいこと言ってくれる。

心がぴょんぴょんとはこのことか。



商店街から少し外れるとだんだん人も店も少なくなってきた。


人、めす…女性も少なくなってきたので光莉の

殺気も、少しづつ治ってきた。

ちょっと、あの空気を重くする雰囲気で

目を合わせるだけで人を殺してしまいそうな

ヤンデレ光莉ちゃんが見れなくて寂しいが

普通の光莉も好きだ。



そして着いた。


場所は駅から反対な為人が少し少なく、

日当たりの良い道路にある一軒の店だ

レンガでできた壁が落ち着いた雰囲気で

窓が大きく、店先横にウェルカムボード

が立てられている。


「へー、なんか雰囲気いいね」


光莉はウェルカムボードを見た。

そこには「カフェIMAMURA」と

おしゃれな感じで書いてある。


「さ、入ろ」


光莉に腕を抱かれているので、

俺は腰に手を回して扉を開けた。

ちりりんと扉についていたベルが軽く鳴った。


店内は外観と違い木を多用しておりシックで

少し狭い気がするが、

逆にこの狭さが落ち着く空間を作り出している。

流れているボサノバbgmも

店の雰囲気に合っている。

また、駅の反対でこの時間だからか

客はいなく、思う存分イチャイチャできる。


ちらっと、光莉を横目で見てみると、

この雰囲気が結構気に入った様子で


「良い店だね、こんなところあるんだ…」


「そうだね俺はここ結構好きなんだよ、

取り敢えず適当に座ろうか」


俺はそう言いながら、

光莉と窓際のボックス席に向かい合って座った。


すると、扉に着いたベルの音にやっと気がついたのか、奥から女性の店員が出てきた。


出てきた店員は20代後半の

セミロングの髪質の明るい、ゆったりした目を持った

かなり綺麗な女性で、

カフェ制服も似合っている。

そこにいるだけで雰囲気が明るくなりお姉さんみたいな、

ヤンデレの光莉の正反対のタイプの人だ。


「この時間にお客さんなんて珍しいなぁ、

お、佑樹くんか、……あれれ?、

そこの()はもしや?」


「そうですよ、俺の彼女です。」


俺はこの店にちょくちょく顔を出しているので、

この人とは顔見知りだ。


これは光莉が嫉妬し…


「佑樹…くん?」


急に《真横》から光莉に名前を呼ばれた、

そちらを向くと、

光莉がいた。

さっきまで向かい合って座っていたのだ。

なのに今は俺の横に座って左腕を鷲掴み、

少し首を傾け、

その漆黒の瞳に俺を映していた。


「ねぇ、佑樹くん、

佑樹くんはこのお店にはよく来るんだよね?

この店員、佑樹くんの名前知ってるしね?」


光莉はさらに顔を俺の顔に近づけ、

そして光莉は、声をいっそう低くしていった。


「で、コノ女誰?」


光莉はこの店員さんに

とてもとても嫉妬していた。


めっっっっちゃかわいいなぁ。


このままさらに真っ黒になっていく

光莉を見ているのもいいだろうが

いかんせんこの誤解だけは解かなくては。


俺は光莉に抱かれている方の手を彼女の背中に

回し、空いている右手で光莉の頭をぽんぽん

と撫でながら


「大丈夫だよ光莉、

俺は未来も過去も浮気はしない。

だって俺光莉のこと大好きだから。」


と、耳元で囁いた。


すると光莉は、

抱いていてわかるくらい顔を熱く赤くしていた。


そして少し恥ずかしそうに顔を上げると、

照れながら言った。


「そ、そうだよね、

佑樹くんが浮気とかするわけないよね、

だって佑樹くん、わたしのこと大好きっ子だもんね。

ごめんね、疑って。」


「いいよ、むしろあの光莉超可愛かったし、

嫉妬は愛されてるって実感するから。」 


ゴッホん!


ことの発端のあの店員さんが咳払いした。

俺たちはそちらへと視線を向け、

俺はこの人を光莉に紹介した。


「えーと、光莉、この人は平坂春乃さん

この店の店長、そして結婚してる。」


そして春…平坂さんに光莉を紹介する。


「そしてこの()が俺の彼女の…」


「東條光莉です。

で佑樹くんとはどう言った関係だったのでしょう?」


光莉はさっきのデレデレから

冷静だがヤンデレの光莉に戻った。


「えーと、普通に店員と客だね、

それ以上の光莉ちゃんが想像している様な

関わりはないかな、

わたしには旦那がいるし、」


「呼んだかー?」


そう言って厨房から出てきたのは、

お盆にお冷を持ったをコック姿の背の高い

男性だった。


「この人、この人、これがわたしの旦那、

名前は平坂(たける)よろしくね」


「え?、あぁよろしく、」


いきなり自分のことを紹介されて一瞬戸惑ったようだが、状況を理解して挨拶した。


そしてすぐ春…平坂さんはお盆のお冷を健から

受け取るとテーブルに置き。


「はい、じゃあ健は厨房戻って、」


「ええ!?」

と健を厨房に押し込んでいった。

戻ってきてポケットからメモとペンを取り出し、


「では、ご注文は?」


「「シュークリーム」」


俺と光莉は声を合わせて言った。


お読みいただきありがとうございます。


またしてあんまり進まなかった、

シュークリーム喰べたい。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 雌犬ってw主人公もちゃっかり雌犬って言いかけたなw
[一言] ヤンデレの狂気がシュークリームにどのような影響を及ぼすか想像するのも憚れますね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ