表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学校では地味な陰キャとバカにされている俺は実はボディーガード 〜地味に生きたいのに、以前助けた有名人の幼馴染が離してくれない〜  作者: 木嶋隆太


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/79

第62話


「……」

「それじゃあ、どうする? 普通に買い物にでも行く?」

「うーん、そうですね。お店でセンパイを着せ替えして遊びますか?」


 次の日の朝。友梨佳が全員の朝食を作り、それを頂いていたのだが……二人は未だ帰る様子がなかった。

 というのも……二人とも、今日は休みなのだそうだ。

 これはもしかして、一日付き合わされるのではないだろうか? ……いや、別に嫌ではないが、外に出るとなるとまた話は別だからな。


 彼女らは変装するとはいえ、誰かに気づかれる可能性は十分にあるからな。


「……休みでも、色々やるべきことあるんじゃないか? ほら、レッスンとかあるだろ? 日々の鍛錬が大事なんじゃないか?」


 俺が二人にそう提案する。しかし、二人から完全に俺は無視される。


「色々な店があるショッピングモールとかがいい?」

「そうですね! あっ、友梨佳さんは別に来なくても大丈夫ですよ?」

「それは、こっちの台詞。美月は別にいいから、さっさと帰るといい」


 じろーっと二人は言い合っている。お二人ともそろそろ帰ってくれていいんだけどな。

 朝食を食べ終えた後、あれよあれよと着替えることになる。

 ……とりあえず、女装させられなくてよかったとほっとする。

 普通の服に袖を通しながら、すでに準備を終えている二人を見る。どちらも変装はばっちりだ。……とはいえ、な。


「おまえら、一応有名人なの覚えているよな? 一緒に外にでて、スキャンダルになったらどうするんだ?」


 二人は変装していくことになるだろうが、それでもバレないとも限らない。特に、二人はどちらも人を魅了する声を持っている。

 気づく人はすぐに気づく可能性がある。


「うちの事務所、週刊誌とつながりあるから大丈夫」

「私も大丈夫です。バレたときは仕方ありませんね。炎上覚悟で結婚発表です」

「……結婚は飛躍しすぎだろ」


 かなり能天気な二人にため息をつきながら、俺たちはアパートを出た。

 庭では、花壇に水やりをしている管理人がいた。


「おやおや、女を二人も連れて……仲良しじゃのぉ?」


 管理人がからかうようにこちらを見てそういってきた。


「以前はありがとうございました!」


 美月が丁寧に頭をさげていうと、管理人が首を振って笑った。


「いいんじゃよ、気にしないでくれ。それにしても、雄一は二人も侍らせてどこで何をするんじゃ?」

「侍らせてねぇよ」

「うん、侍られているのは一人、私のみ」


 美月の体を突き飛ばすように友梨佳が俺の腕に抱きついてきた。

 美月は頬を膨らましたあと、逆の腕をつかんできた。


「おまえら……敷地外でそれをやるなよ?」


 ため息をつきながら、俺たちはショッピングモールに向かって移動した。



 〇



 俺が暮らしている場所は都会から少し外れているからか、どちらかといえば田舎に近い。

 近場で便利な場所といえば、ショッピングモールくらいだ。

 

 二人とも、俺の家の立地を完璧と言えるくらいに把握しているため、迷うことなくショッピングモールにはついた。

 それから、三人で歩いていく。

 ……友梨佳も美月も顔の半分近くは隠れているが、それでも纏うオーラが違うため、微妙に注目を集めてしまっている。

 まあ、マスクを外さない限り、バレる心配はなさそうだが。


 そんなことを考えながら、俺は二人とともに歩いていく。

 ほぼ無理やりに連れていかれたのは、服屋だ。


「それじゃあ、片っ端から服を着て行ってもらう」

「そうですね! アンナさんほどじゃないですけど、私たちもモデルみたいなことをすることはありますし、コーディネートは任せてください」

「……つっても、俺服買うような金ないぞ?」


 そもそも、服に大した興味もなかった。

 あれもこれも服をもっていても、洗濯するのが面倒なだけだ。

 どうせ、タンスの下のほうで皺だらけになる。


「私が奢るから気にしないで」

「私も奢ってあげますから」


 女性……それに一人は年下に奢ってもらうとか、さすがに情けない。


「いや、それはいいから。自分の服くらいは買うが……あんまり高いのは選ばないでくれよ」

「わかってる」

「センパイってそういうところしっかりしていますよね」


 断るが二人はずいずいと引っ張っていく。

 ……まあ、二人は楽しそうだからな。一応金自体は持っている。……あくまで、服に使いたい金を持っていないだけでな。


 そんなこんなで着せ替え人形にさせられ、二人の趣味にあった服を購入したあと、一度二人はトイレに向かった。

 俺が近くのベンチで休んでいると、


「おっ、陰キャじゃーん!」

 

 ……他クラスの陽キャグループ、四人組がニヤニヤとこちらに近づいてきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 毎度お馴染み噛ませ犬の登場。 以前より美少女が増えてるけど、なんてリアクションするのかな? ってか、そろそろ気付こうか。 「陰キャ(仮)と仲の良い美少女がいる」 「暴力に訴えても彼には絶対…
[良い点] 2人とも可愛く表現してあって惹き込まれる文章 [気になる点] 次はどんな陽キャPTが出てくるのやら [一言] 陽キャはもうお腹一杯
[良い点] 久しぶりのクラスメート(●´ω`●)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ