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プロローグ
どうも私は乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったらしい。
いや、まさかこのセリフを言うことになる日が来ようとは、人生何があるかわからないものだね!
目の前の姿見に映った姿をまじまじと見つめれば、金髪碧眼という在り来りなカラーの気の強そうな幼女がこちらを見つめ返して来る。
何を隠そうこの幼女こそ、私が前世でやっていた乙女ゲーム『迷宮スフィア』の悪役令嬢、エブリン・ロスである。タイトルが乙女ゲームらしくないとか言わないで差し上げて。
彼女は我儘で奔放で、やたらと主人公の恋路を邪魔してくる。しかし極悪非道と言う訳ではなく、一人のキャラクターとしての魅力もあるので、私は結構好きだ。
「お目覚めですか、お嬢様」
振り返ると、お世話係のおばさんの姿があった。
「おはよう!さっき起きたところよ」
元気よく返して、そちらへ駆け寄っていった。
短いけれどとりあえず。