色付く音の世界

音に色を感じる、色聴と分類される共感覚を有する女子高生、佐伯 綾。
彼女は姉の勧めで、自らの見る世界を写し出した絵を、国内最大のイラスト投稿サイト『絵師になろう』に投稿することを決める。
『彩』のペンネームで投稿される綾の絵は、不可思議な、しかし色彩鮮やかな美しい絵だった。
徐々に彼女の描いた絵はネットで人気を博していく。
それに喜びながら日々を過ごす綾だったが、ある日同級生の児島 花火にネット上の『彩』が綾であることがバレてしまう。
花火は、綾の秘密を守る代わりに一つ願い事をしてくる。「次のピアノコンクールで私がピアノを弾く姿を描いて欲しい」と。