ブロローグ
書きたい事詰め込んだ感じですね……( ・`ω・´)
once upon a time
その昔、豊かな王国に二人の姫君がいたそうだ。祝福と共に生まれた美しい双子の姫達。姉姫は、濡れたような黒髪に透き通るアメジストの瞳。妹姫は天使のように愛らしい銀髪と晴天を閉じ込めた瞳を持っていた。
彼女達の15歳の誕生日。何が起こってしまったのか、誰も知らない。今までもそして永久に。
分かっているのはただ一つ。王城は茨に覆われてしまった。人々も時間も、そして秘密を封じ込めて。
当然のように王国は滅び、国土のほとんどが森となった。その森が現イグノア王国の西部に広がる大森林シュヴァルツヴァルトである。
「で、私はその森に向かい、古城の実態を調査すればよろしいのですか?」
白亜の城と呼ばれるイグノア王城。その一番高い塔にある王の私室は今にも崩れそうなほどの緊張感を漂わせていた。
「すまないな、ナリス。お前にしか頼めないのだよ。」
すまなさそうな、というより怯えたような顔をして口を開く男。部屋に吹きこんだ冷たい春風がナリスと呼ばれた青年の黒髪を揺らす。
「分かりました、兄上。いえ、サライ陛下。明日の朝に発つことにいたします。」
無感情を瞳に漂わせ青年は呟くように口を開いた。
「そ、そうか。ありがとう。」
「では、さようなら。」
マホガニーの扉を開け、振り返りもせずに出ていく弟。同じ両親から生まれたのにも関わらず、俺と弟は明らかに違った。何をやらせても不器用、顔も平凡な俺。神童とも呼ばれ母親譲りの美しさを持った弟。俺が弟であればと幾度願ったことだろう。しかし、それも今日で終わる。俺はこんなにも晴れやかな気分なのに、何故窓の外はこんなにも暗いのだろう。春のにわか雨が騒々しく降っていた。
青い軍服に包まれた痩身が、ベットの上でびくりと跳ねる。
「はァッ……うッ……」
仰向けになり上を向けば白い天蓋。発作が起こる度にいつも見ている景色だ。
ざぁざぁと降る雨に混じり地面に堕ちて果てることが出来たらどんなに楽だろう。胸はさらに締め付けられ、目の前がモノクロになる。今更発作程度に慌てる事も無い。ただ、諦めだけに支配されていた。
このまま死ねればと幾度願っただろう。しかし、この心臓は何度発作を起こしても、止まることは無かった。私の死を望むものはいても、私の生を望むものはいない。それなのに、何故。
明日になれば、死ねるだろうか。中に入った者は帰ってこないといわれるシュヴァルツヴァルツ。私もその一人になれれば良いのだけれど。
静かに上下する薄い胸が深い溜息を吐き出した。
初投稿ではありませんが初投稿みたいなもんですッ!!(強引)
暇人(べ、別にニートじゃないから学生だからね!)なので2日に1度の投稿になるかと。目的も無くただ個人的萌を詰め込んだ作品となる予定ですが、楽しく読んでいただけたら幸いです。