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5/13

41~50

武術大会に出る事になった女戦士と剣士!どんな戦いが待ち受けているのか!?

なんだか黒い人達も出てきてただの武術大会で終わらなそうな気配?

41

道場主「本当に出ないのか…もったいない」

女僧侶「私は僧侶です。人を癒す事に生きがいを感じる聖女ですよ?」

道場主「俺はお前に傷つけられた記憶しかないぞ」

女僧侶「それはそうと…賢者という人を知りませんか?その人に会うために私は旅をしているのですが…」

道場主「賢者…ちょっとわからんな…すまん」

女僧侶「そうですか…」

道場主「まあ、大会には人がたくさん集まるから知ってるやつもいるかもしれん。俺も情報収集に協力しよう」

女僧侶「ありがとうございます」ペコリ

道場主「明日には出るぞ。今日はもう休め」

女僧侶「はい」


武術の町

女戦士「こ…この町に剣士君が…ドキドキします」ドキドキ

女僧侶「ひ…人がいっぱい…」ドキドキ

道場主「たしかあそこで待ち合わせを…お、いた」

剣士「道場主さん」

女戦士「剣士君!」

剣士「え…ひぃ!」ガクガク

女戦士「え…」ガックリ

女僧侶「…相変わらずのヘタレっぷりですね」

剣士「え…僧侶?何故ここに」

女戦士「剣士君を探すの…手伝ってくれてるんだよ?」スッ

剣士「ひぃ!?近寄らないでくれ!」

女戦士「…」グスッ

女僧侶「ヘタレここに極まれりですね…」

剣士「トラウマなんだ…」

女武道家「ちょっと!剣士君をいじめないでよ!」

女戦士「え…誰?」

道場主「おお、こいつが俺の娘だ」

女武道家「あんたが剣士君をいじめてたやつね!許さないんだから!」

剣士「…」スッ

女僧侶「女の子の後ろに隠れるなんて…引くわ」

女戦士「そ…それは剣士君に危ないことをしてほしくなかっただけだもん!」

女武道家「はっ!それで自分が剣士君を傷つけたわけ?矛盾もいいところね!」

女戦士「うっ…とにかく剣士君は私が守るから修行の旅なんてしなくていいの!」

女武道家「はぁ?剣士君の意思は無視ってわけ?最低ね!やっぱりあんたなんかに剣士君は任せておけないわ!剣士君は私と…私と…あぅ」

道場主「シャイなくせに本音を言おうとして自滅しとるぞ」

女戦士「剣士君は私のだもん!」

女僧侶「あの…武術大会で決着をつけた方が…ずいぶん目立ってますし…」

ナンダナンダ?

アノ剣士ウラヤマシイゾ!

女僧侶「なにより…この視線の多さに私の心が持ちません」

道場主「あ、そうだ。戦士は出場登録しないともうすぐ締め切りだぞ」

女戦士「は…はい!」タッ

女武道家「あ、決着は大会でつけるわよ!覚えてなさいよ!」

剣士「…ところで何故ここに?」スッ

女僧侶「トラウマが去った瞬間に戻るとは。相変わらず切り替えも早いですね」


説明後

剣士「なるほど…賢者についてはちょっとわからないな」

女武道家「私も…」

女僧侶「そうですか」

剣士「あと、私が旅立ったのは以前から剣士になりたかったわけで…戦士のせいではないのだが…一度話をしたほうがよさそうだ」

女僧侶「できるんですか?」

剣士「ああ…一定距離を取れば…たぶん」ガクガク

女武道家「あ、あの…私がついててあげようか?」

剣士「いや。大丈夫だ」

女武道家「そう…」シュンッ


受付

女戦士「よかったー間に合って…痛っ!」ドンッ

黒ずくめ「…すまん」

女戦士「あ、ごめんなさい。私の方こそ…」

黒ずくめ「…」スッ

女戦士「痛て…私にぶつかって平気そうだったな…大体相手の方が痛がるのに…やっぱり大会だから強い人が集まるんだなぁ…大丈夫かな…剣士君」

黒ずくめ「…ふん」

黑髪「どうした?」

黒ずくめ「いや、この大会に出ることにして正解だなと思っただけだ」

黒髪「そうかぃ。さ、町長の所に行くぞ。本当の用事はこっちだからな」

黒ずくめ「ああ。そういえばお前は出ないのか?」

黒髪「でるわけねぇだろ。目立ってどうするんだ。お前も大会中フード取るなよ?」

黒ずくめ「ああ…それでも優勝できるだろう」

黒髪「ふん…さ、急ごう」



42

夜、宿の外

女戦士「明日、怪我しないでね…?」

剣士「ああ…」

女戦士「もうちょっと寄っていい?」ドキドキ

剣士「す、すまない…それはまだちょっと…」

女戦士「あの…あの日のこと、ごめんなさい。私剣士君に危ないことをさせたくなくて…」

剣士「そのなのだが…きっかけは確かにあの日の事だが剣士になりたい、旅にでたい、というのはずっと考えていたことなんだ」

女戦士「…」

剣士「村の友達達から、ずっと弱いからっていじめられてて…君がいつも庇ってくれていた」

女戦士「うん」

剣士「その時から、守られるんじゃなくて守る人になりたい、悔しい…って思っていて」

女戦士「…私が守るもん」

剣士「それじゃダメなんだ…あのまま、君に守られながら生きていければ全部うまくいくかもしれない…でもそれだと私の心は暗く沈んでいってしまうんだ」

女戦士「え?」

剣士「悔しい…守りたい…恥ずかしい…力がほしい…復讐してやる…そういった気持ちに押しつぶされそうだった」

女戦士「…」

剣士「これに飲まれてしまったら、私は誰にも救われなくなってしまう。そう思ったから私は強くなりたいと思ったんだ」

女戦士「そんな…じゃあ私のせいで剣士君をダメにしてしまう所だったんだ…」

剣士「いや、私の心が弱いのがいけないんだ。だからこの旅は剣士として強くなって、心も鍛えるための旅でもあるんだ」

女戦士「そうなんだ…なんか、何から何までごめんなさい…」

剣士「まだ少ししか旅をしてないけれど、君のおかげであの頃よりも世界が広がったよ。すごく感謝してる」

女戦士「…」

剣士「それに私の旅の最大の目的は君を守れるようになることだ。今までのお返しにね。だから待っていてくれないか?」

女戦士「剣士君…それって…」ドキドキ

剣士「と…とりあえずトラウマを乗り越えるのが先だが…」ガクガク

女戦士「…」ポー

剣士「さ、もう遅いし帰ろう。私は先に休もう、明日は互いにベストを尽くそう。おやすみ」サッ

女戦士「…」ポー


物陰

女僧侶「なかなかいい雰囲気でしたね」コソコソ

道場主「…最初からあの二人に入る余地なぞなかったな、これ」

女武道家「…」グスッ

女僧侶「泣きべそかいてどうしたんです?」

女武道家「な…泣いてなんかないもん!」グシッ

女僧侶「明日、頑張ってくださいね」ニコ

女武道家「い…いわれなくてもやるわよ!」フン



43

コロシアム

女戦士「す…すごいところでやるんですね…」

道場主「そうだろう。さ、開会式だ。3人共行って来い!」

剣士「はい!」

女武道家「うん!」


開会式

解説「さて、やってまいりました武術の町武道大会!今年で5年目になります!では町長挨拶から!」

町長「ほっほっほ。決して安くない参加費、そして見物料を払ってこんなに人が集まる大会になったのは、皆のおかげじゃ。感謝しよう」


観客席

女僧侶「…いきなり金の話ですか。嫌な感じですね」

道場主「ああ、ここの町長はそうなんだ…」


観客席

黒髪「その金はすべてこっちにー…ってね。あは」


解説「さて、それでは優勝賞金100万ゴールドを勝ち取るのは誰なのか!さっそく予選スタート!」


観客席→以下略

女僧侶「始まるの早っ」

道場主「引っ張られるよりマシじゃないか」

女僧侶「というかサバイバルマッチ?ごちゃごちゃしてますねぇ」

道場主「どこにあいつらがいるかわからん…」


解説「あーっと、前回優勝の格闘王!圧倒的な強さで回りの選手を倒していくー!」


格闘王「…今回も行けそうだな」バキッ


解説「…それに負けないペースで選手を倒しているのは…黒ずくめ選手ー!」


黒ずくめ「…」ドスッ


黒髪「…あんまし目立つなっつーに…まあトーナメントに上がれば嫌でも注目されるか…」


女僧侶「あ、人が減って3人見つかりましたよ!頑張れー!」

道場主「おー!いけいけー!」


女武道家「はぁ!」ドドドドドド

剣士「真剣禁止だから…木刀はやりにくいな…」

女戦士「えーい!ごめんなさい!ごめんなさい!」ドゴォ!ドゴォ!


解説「今回はレベルがたかーい!さて、4分の1に人数が減ったところで、予選トーナメントの後、決勝トーナメントに入ります。では一度休憩!」


女僧侶「皆、すごいすごーい!」ピョンピョン

剣士「僧侶…そんなキャラだったか?」ハァハァ

女武道家「戦闘を見てハイになってるんじゃない?」ハァハァ

女戦士「皆残ってよかったね!」ケロッ

道場主「一人だけまったく疲れてないな…」

女戦士「え?」



44

予選トーナメント終了

解説「さて!とうとう決勝トーナメントです!それでは組み合わせと共に、ベスト8に進んだ強者の選手紹介ー!」

ワーワー

解説「まずは!華奢な体に脅威の武術!女武道家ー!」

女武道家「オス!」バッ

ワーワー

解説「そんな武道家と対するのは!大きな体に優しい心!予選中ずっと謝りながら戦っていました女戦士ー!」

女戦士「あわわ…ご、ごめんなさい…」ペコリ

女武道家「…絶対に勝つんだから!」

女戦士「ま…負けないもん!」

解説「おーっと、早くも火花を散らしております!」


女僧侶「大画面に思いっきり映ってるの、わかってるんですかね?」

道場主「周りが見えない位、相手に集中してるんだろう。いいことだ」ウンウン

女僧侶「…」


解説「2組目!酔拳の達人、酔いどれ爺ー!」

ワーワー

酔いどれ爺「ヒック。アハァ」ニタァ

解説「対するは!何でこんなところにいるんだー!世界の治安維持部隊の切り込み隊長!王国兵団1番隊隊長、蒼髪闘士ー!」

ワー!カッコイー!キャー!

蒼髪闘士「よろしく」ペコリ


女僧侶「本当に…何でいるんですか?」

武道家「んー。まあ休暇を使って骨休めじゃないか?1番隊長は戦闘狂って聞くし。リラックスして戦えるこの大会を楽しみに来たんだろ」

女僧侶「休暇でまで戦闘って…やだやだ」ハァ


黒髪「…やっかいなのがいるな。しかも観客席には…赤眼と緑石までいやがる」


王国兵団兵士総長、赤眼騎士「あいつ優勝できるかな?」

王国兵団2番隊隊長、緑石槍士「…できるでしょうけど、その賞金で何をするつもりだ?」

赤眼騎士「え…そりゃあ兵のために…」

緑石槍士「女に使うつもりだろ」

赤眼「はぁ!?」

緑石「賞金没収します」

赤眼「」


解説「3組目!予選では圧倒的な強さ!その無慈悲な攻撃に相手は戦意喪失!黒ずくめー!」

シーン

黒ずくめ「…」


黒髪「くくっ…引かれてんじゃねぇか」

町長「見学ですかな?」

黒髪「お、町長殿。こんなところで俺と話していいんですか?」

町長「なに、ただの世間話です。大会はどうですか?」

黒髪「面白いですねぇ。俺も次回出ようかな」

町長「それは世界的に大問題になってしまいます」

黒髪「くくっ。変装すりゃ大丈夫っしょ」

町長「まあ今回は黑づくめ様の優勝ですかな?」

黒髪「そりゃあ…まあ、大会前にあいつは面白そうなやつがいるって言ったからそれなりに苦戦はするかもねぇ」

町長「ほほ…まあ平和に大会が終わりますよう、ご協力お願いしますよ」

黒髪「互いにおいしい大会ですからねぇ。来年以降も続けれるようにしないとね。あは」

町長「王国兵もいますが…大丈夫ですかな?」

黒髪「大丈夫っしょ」

町長「信じますぞ…」ザッ

黒髪「ふふ」


解説「さて!これは1回戦で事実上の決勝戦かぁ!?前回優勝、今大会も圧倒的な強さ!格闘王!」

格闘王「…」

黒ずくめ「よろしく。楽しい試合をしよう」

格闘王「…ふん」

黒ずくめ「…」

解説「おーっと!こちらでも静か…だけど強力な火花が散っているぅー!」


解説「4組目ー!ビビりながら戦ってるように見えるけど、剣の腕は確かー!剣士ー!」

ワーワー

剣士「…」ドキドキ


女僧侶「あがってますね…」

道場主「ああ、あがってるな」


解説「対するは!王国兵団2番隊隊員!王国槍士ー!」

ワーワー

槍士「よ…よよよよよろしくお願いします!」ペコリ

剣士「よ、よろしく…」


赤眼「何、あいつ」

緑石「うちの新兵だ」

赤眼「何故出場を」

緑石「あいつは腕はいいが心が弱いからな、鍛練のつもりで推薦したんだ」

赤眼「確か…準優勝は30万ゴールドだったな」

緑石「…」ギクッ

赤眼「菓子か?」

緑石「は?」

赤眼「この大会が終わったら沢山お菓子が食べれるールンルン♪って思ってるのか?って聞いてるんだ」

緑石「そんなわけないだろう」

赤眼「没収な」

緑石「」



45

解説「それでは1試合目!女戦士対女武道家!試合開始です!」


女武道家「さっそくあんたとやれるなんてね…行くわよ!」ダッ

女戦士「!」

女武道家「はぁああああ!」ダダダダダダ


解説「すごい連撃だぁ!そして戦士はそれを全部受けているー!武道家有利か!?」


女戦士「痛た…いい攻撃だね!」

女武道家「く…あんまし効いてない…!?」

女戦士「ううん。ダメージは全然ないよ!」ダッ

ドゴォン


解説「おーっと!棍棒でリングの一部が壊れたー!何という威力!」

ワーワー


道場主「やばい、うちの子死なないかな。あれ」

女僧侶「それは無いでしょうけど…相変わらず化け物じみてるわね…」


女戦士「…すばしっこいなぁ」

女武道家「…けほっ。痛っ…瓦礫か…」

女戦士「ダメージはあったみたいだね!」ブン!

女武道家「かは!」ゴッ

女戦士「まだ…やる?」

女武道家「当たり前じゃない…」

女戦士「もうやめようよ…お願い」

女武道家「そんなに剣士君をいじめたいわけ…」ハッ

女戦士「違うよ!剣士君は関係なく、もう武道家ちゃんを攻撃したくないの!」

女武道家「…なめるなぁ!」ダッ

女戦士「うっ」ザッ


解説「おーっと!武道家の渾身の一撃が入ったー!」

ワー


女武道家「私はね…もう剣士君の事はあきらめたの…」

女戦士「え?」

女武道家「剣士君の旅の目的があなたなんだもん…最初から勝てるわけないじゃない」ポロポロ

女戦士「そんなの…」

女武道家「私は一選手として、対等に試合したいだけよ!」グシッ…ダッ!

女戦士「そんなの、ダメだよ!」ダッ!


解説「おーっと!二人の攻撃が同時に入ったー!」


女戦士「うっ…まだ気持ちを伝えてないんでしょ?ちゃんと言わないと!じゃないと武道家ちゃんの心が昔の剣士君みたいになっちゃう!」ガッ

女武道家「くっ…余計なお世話よ!私はそんなに弱くないわ!っていうか手を引くって言ってるのよ!おとなしく受け入れなさいよ!」ダダダダ

女戦士「いや!そんな勝ち逃げうれしくない!」ガッ

女武道家「はぁ!?じゃあフラれるのわかったうえで告白して、その上であんたに譲れっての!?」バッ

女戦士「ただ私は正々堂々と勝負したいだけ!」ゴッ

女武道家「ならしてやるわよ!私は剣士君が好き!一緒に訓練してた時からずっと好きでした!付き合って下さい!これでいいでしょう!?」ドドドド

女戦士「…」ハァハァ


解説「戦闘しながら告白しております!珍しい光景だー!さあ、相手はなんて答えるのかー!」


剣士「え…ごめん。私は武道家の事をそういう目で見る…というよりも妹のような感情で…」


女武道家「…うわーん!この鬼!」ダダダダ

女戦士「つらいと思うよ…でも私にはその気持ち、わかるよ」ガガガガガ

女武道家「…」フッ


解説「おーっと!武道家が攻撃をやめたー!」


女戦士「武道家ちゃん…」ギュッ

女武道家「もう…いいわ。純粋に戦闘をしたかっただけなのに…心も折れたし。戦闘でも勝てそうもないし…降参よ」

女戦士「私がついてるからね…」ギュウッ

女武道家「あぃー!痛たたたた!降参って言ってるでしょ!離して!」バタバタ


解説「えっと…女戦士選手の勝利ー!終始女戦士選手の勘違いと暴走で繰り広げられた戦いでしたが、いい勝負でした!」

ワーワー


女僧侶「道場主さん」

道場主「ん?」

女僧侶「私、とっても恥ずかしいです…」

道場主「そうだな…少なくとも彼女の2回戦までは他人のふりをしておこう」

女僧侶「はい」



46

解説「それでは2戦目!酔いどれ爺対蒼髪闘士!試合開始ー!」

ワー

蒼髪闘士様ガンバッテー

爺帰レー


爺「すごい歓声じゃのう。超アウェーじゃ」ヒック

蒼髪「よろしく」

爺「早速はじめようかの」ヒュッ

蒼髪「おっと…お年を召してる割にいい攻撃ですね」スッ

爺「酔うともっと調子が出るぞ」グビッ

蒼髪「では次はこちらが!」ガッ

爺「おっと」イヒ

蒼髪「…(今たしかに手ごたえがあったが…)」

爺「当たったと思った?でも避けてたんだよねー」

蒼髪「…なるほど。すれすれで避けていたのか。すごい動体視力だ」

爺「…わしの強みをすぐに見破るとはやるのう」

蒼髪「…わかりました。ならそれを上回る速さで!」ダダダダダ

爺「!」ガガガガガ

蒼髪「今度は避けれなかったようですね」

爺「うぐ…やはり現役には勝てんか…」ゴホッ

蒼髪「降参します?」

爺「…それはできんのう」ニヤ

蒼髪「仕方ない」ハア

爺「酒代が欲しいからのう!」ダッ


10分後

解説「もう…やめてくれと観客席から声が上がっています…蒼髪闘士選手の圧倒的な強さ…酔いどれ爺選手が痛々しい姿で戦っております…」

爺、降参シロー!

死ヌゾー!


爺「…」コヒューコヒュー

蒼髪「割と本気で殴ってるんですけど…気絶もしてくれないし、これ以上したら俺が悪者です…降参しません?」

爺「嫌じゃ」ニヤリ

蒼髪「酒代なら出しますよ?」

爺「…」ピクッ

蒼髪「そうですね…好きな酒10本分位なら…」

爺「…だ、ダメじゃダメじゃ」ブンブン

蒼髪「(ちっ…ちょっとうまくいきそうだったのに)」


おじいちゃんがんばれー!


蒼髪「ん?」

爺「な…何でいるんじゃ…?」


子供「お医者さんが少しならいいってー!」


蒼髪「…降参できない本当の理由がありそうですね」

爺「病気のあの子がこの大会のファンでのう。ええ恰好を見せたいだけじゃ」

蒼髪「…お金があれば、あの子の病気が治るのですか?」

爺「…お前には何から何まで勝てんのう」ヒック

蒼髪「ふふ…なら、降参しなくていですよ?最後までお互いに全力で戦いましょう!」ダッ

爺「おう、頼むわい」グビッ


5分後

解説「すごい…すごい戦いです!さっきまで劣勢だった酔いどれ爺選手が少し攻勢に出ています!」

爺、イイゾー

爺イケー!


蒼髪「はぁ!」ガッ

爺「ぐぅ…」

蒼髪「はぁ…はぁ…」

爺「…もう立てんわい…お前の勝ちじゃ」


解説「壮絶な試合にあっけない幕切れー!蒼髪闘士選手の勝ちです!観客もスタンディングオベーションです!」

ワー

ヨクヤッタゾー

パチパチパチパチ

解説「おーっと!蒼髪闘士選手が酔いどれ爺選手を抱きかかえたー!」


蒼髪「もし俺が優勝したら…あの子の医療費は俺が出します」

爺「…それは困るのう。負けたんじゃ。違う方法で金を稼ぐわい」

蒼髪「勝者の俺がそうすると言ってるんです。敗者なら従って下さい」

爺「…ありがとうのう」フッ

蒼髪「さあ、早く医務室へお願いします」

大会スタッフ「は、はい!」


子供「おじいちゃん頑張ってくれてありがとー!」

蒼髪「君のおじいさん、強かったよ!」

子供「…うん!お兄さん、次も勝ってよ!」グスッ

蒼髪「わかった!俺が1位でおじいさんは2位だ!だから君も病気に負けるなよ!」

子供「…」コクリ


解説「このやり取りに、今大会1番の盛り上がりを見せています!」

ワー!

パチパチパチ


女戦士「剣士君どうしよう…次やりにくいな…私」

剣士「…それで手を抜く方が相手に失礼なんじゃないか?」

女戦士「そうかなぁ…うぅ…」


緑石「あれ、賞金絶対あの子供に使うぜ、あいつ」

赤眼「そうだな…」ガックシ

緑石「まあ、風俗位自分の金で行け」

赤眼「大きい声で言うんじゃねぇ!」



47

解説「さあ!3戦目は黑づくめ選手対格闘王選手の対戦!今までで一番の高レベルな戦いが繰り広げられるでしょう!さあ、開始です!」

ワーワーワー


格闘王「うぉおお!」ダッ

黒ずくめ「…」スッ…パシッ

格闘王「ぐ!?」


解説「おーっと!黒ずくめ選手、格闘王選手の攻撃をさらりとよけ、一撃を加えたー!」

シーン

解説「あまりの速さに、観客席もシーンとしております!」


格闘王「くっ…今のは偶然だ!」ダッ

黒ずくめ「…」スッ…パシッ

格闘王「ぐぁあああ!」


解説「おーっと!格闘王選手の腕が折れたかー!?」


5分後

格闘王「ふー…ふー…」フラフラ


解説「これは…予想に反して一方的な凄惨な試合になってしまいました…」

シーン


格闘王「貴様…何故本気を出さない…」

黒ずくめ「?…殺したら失格だろう?」

格闘王「ぐ…なめるな!」ダッ

黒ずくめ「…」スッ…バシ

格闘王「ぐぉおお…」ゴロゴロ

黒ずくめ「お前本当に前回優勝者か?今回に比べてどれだけレベルが低かったんだ?」

格闘王「ぐ…」ギロ

黒ずくめ「お前は戦争を知ってるか?」

格闘王「戦争…?」

黒ずくめ「過去にこの世界であった戦争だ」

格闘王「…参加はしてないな。まだ子供だったから」

黒ずくめ「そうか…なら、なおさら弱い理由がわかった」ギロ

格闘王「?!…ぐ」ガクッ

黒ずくめ「…」シュパッ

格闘王「ぐ…あ…」バタッ


解説「く…黒ずくめ選手の勝利ー!スタッフの方!早く格闘王選手を医務室へお願いします!」

シーン


黒髪「いやー、バレなくてよかったー。案外ヒヤヒヤするな。あはは」


女僧侶「道場主さん」

道場主「え?」

女僧侶「出番がありません」

道場主「…何の話だ?」



48

解説「さあ!4戦目は剣士選手対王国槍士選手の対戦!直前の試合が凄惨だったのでシーンとしてますが…この試合で盛り上がるのでしょうか!さあ、開始です!」


槍士「よ、よろしくお願いします」ペコリ

剣士「よ、よろしく…」

槍士「さっきは大変でしたね」

剣士「あ、ああ…まあ、さっきも今も同じ位緊張してるが…」

槍士「ぼ…僕もです」


解説「おーっと!戦闘そっちのけで会話をし始めたー!」

ハヤクヤレー!

ヤルキアンノカー!

解説「観客が違う意味で盛り上がっております!」


槍士「あわわ…い、行きます!」ダッ

剣士「うわ!」ガッ

槍士「これを受けるとは…やりますね!ふっ!」

剣士「は…速い!(リーチもある…)」


解説「木刀対木の槍!目にもとまらぬ好勝負です!」

ワーワー


女僧侶「剣士様、結構やりますねぇ」

道場主「うちで修行したからな」フフン

女僧侶「ヘタレも治してくださいよ」

道場主「性格はそう簡単に変わらん」


剣士「く…受けることしかできない…」カッカッカッ

槍士「はぁあああ!」カカカカカ


赤眼「…攻撃に夢中になりすぎだな」

緑石「…まだ新兵だからな。鍛えなおしだ」

赤眼「お菓子、残念だったな」ニヒ

緑石「うるせぇ」


槍士「はぁあああ!」カッカッカッ…

剣士「く…!?(ここだ!)」スッ

槍士「しまっ!?」


解説「おーっと!一瞬の隙をついて懐にもぐりこんだ!」


剣士「…いい経験になった」

槍士「くっ!」

剣士「はぁ!」バシィっ

槍士「ぐあ!」ダッ

剣士「一本…」

槍士「…参りました」


解説「おーっと!降参かぁ!?ダメージは無いように見えますが…剣士選手の勝利ー!」

ワー!

イイ試合ダッタゾー!

スゲー!


槍士「またやりましょう」グッ

剣士「ああ…頼む」グッ


女僧侶「…一番地味な試合でしたね?」

道場主「まあ、勝ったからいいじゃないか」

女僧侶「でも次、あの黒ずくめの人とですけど…」

道場主「あ」

女僧侶「…」



49

解説「さあ!ベスト4が出そろいました!さっそく2回戦第1試合!恋する乙女、女戦士対優しい強者、蒼髪闘士!試合開始です!」

ワーワー


蒼髪「はあああ!」ガガガガ

女戦士「く…(女武道家ちゃんよりも攻撃が重い!)」ガガガガガ


解説「女戦士選手!今回は全部ガードしているー!ガードできたのね!」


蒼髪「…強いね」

女戦士「あなたこそ…」ブゥン

蒼髪「!?」ヒュッ


解説「蒼髪闘士選手、華麗に躱わしたー!しかし、女戦士選手の攻撃はリングを破壊し、その破片が蒼髪闘士選手を襲う!」


蒼髪「ぐ!?」ヨロ

女戦士「間髪いれない…!」シュッ

蒼髪「ぐあ!」ドォン

女戦士「く…カウンター…」ヨロ


解説「なーんと!蒼髪闘士選手、攻撃を受ける前にカウンター攻撃をしていたー!これは女戦士選手にとって今大会最大ダメージだぁ!」

ワーワー


蒼髪「なんて力だ…」フラ

女戦士「フフ…戦ってこんなに楽しいのは初めてです…」フラ

蒼髪「次の一撃で終わりそうだね…行くぞ!」ダッ

女戦士「…」ダッ


解説「二人ともよけずに攻撃ー!ストレートパンチがクロスしています!」


女戦士「…」バタ

蒼髪「…くっ」フラ


解説「蒼髪闘士選手が立っています!蒼髪選手の…」


女戦士「…」ガシッ

蒼髪「なっ!?足を…ぐあ!」ブゥン

女戦士「…ハァハァ」フラ

蒼髪「」


解説「女戦士選手、蒼髪闘士選手をブン投げたー!これは、女戦士選手の勝ちです!」

ワー

ツエー


赤眼「なんてこった…あいつ何者だよ」

緑石「金入らないのが決まったからってショックを受けすぎだ」

赤眼「」


子供「うう…あいつも負けちゃった…」グス


蒼髪「…強かったよ。賞金の使い道は決めてるのかい?」フラ

女戦士「はい…剣士君へプレゼントを…」

蒼髪「そうか…」

女戦士「と思ってたけど、あなたに譲ります。あの子に使うんでしょう?」

蒼髪「いいのかい?すまない…」

女戦士「いいえ」ニコ


解説「おーっと!今日一番の笑顔が大画面に咲いています!素晴らしい試合でした!」

パチパチパチ


子供「ねーちゃん、決勝頑張れよー!応援してるからなー!」


女戦士「…(がんばらなくっちゃ)」グッ


女僧侶「すごく気合入った顔してますね」

道場主「相手が剣士でも本気でやる気かね?」

女僧侶「…トラウマが再発しないといいですけど…」

道場主「…」



50

解説「準決勝2戦目です!観客をも黙らせる圧倒的強さ、黒ずくめ対前回好試合の剣士!試合開始です!」

ワーワー


剣士「はぁ!」シュッ

黒ずくめ「…」スッ…バシッ

剣士「くっ!」カッ

黒ずくめ「!」

剣士「さっきの試合を見てたからな…そう簡単にはやられんぞ!」

黒ずくめ「…」ニヤリ

剣士「!」

黒ずくめ「ではこちらから行こう」ダッ


解説「おーっと!この試合では黒ずくめ選手が積極的に動いています!」


黒ずくめ「ふん!」ボキッ

剣士「!?ぐあ!」


解説「剣士選手の右腕が折れた!?」


黒ずくめ「ふん!」バキィ!

剣士「ぐあああああ!」


5分後

解説「これまた…凄惨な試合となってしまいました」


黒ずくめ「…もう動けまい。降参するか?」

剣士「はぁ、はぁ…」ブン、ブン

黒ずくめ「はっはっは。もう足も動かないのに攻撃の意思は消えず…か。面白い」

剣士「…」ブ…ピタ


解説「おーっと。剣士選手気絶かぁ!?これは黒ずくめ選手のか…」


黒ずくめ「はぁああ!」シュッ


女僧侶「!?」バッ

道場主「な!?おい!」


黒ずくめ「…何のつもりだ」

女戦士「もう、勝負はつきました」

女武道家「剣士君を殺す気なら、私達が相手よ!」

黒ずくめ「…そうか。夢中になってしまったな」

女僧侶「…」ザッ

黒ずくめ「お前は!?」

女僧侶「回復魔法…」パァ

剣士「うっ…負けてしまったか…」

女僧侶「まだまだ弱いですね」ニコ

黒ずくめ「お前ぇええ!」ニタァ

女僧侶「?」


黒髪「あいつは…僧侶…?懐かしいなぁ…」ニヤ


女僧侶「誰です?」ニコ

黒ずくめ「…ここで正体をばらせんからな…そのうち決着をつけるぞ…あの戦争でのな…」ニヤリ

女僧侶「!?」ドクン

黒ずくめ「…」

女戦士「その前に…決勝で私があなたを倒す!」

黒ずくめ「…ふん」

女武道家「…戦争って?」

女僧侶「…さぁ?あの人誰と間違えてるんでしょうね」ニコ


黒髪「僧侶…くく…」



続く

過去のものを纏めて投稿していますが、投稿の前に一通り読むわけですよ。当時は他に文が思いつかなくて仕方なく当てはめた文とかもあるのですが、改めて見直すと幼稚な文章が多いなと思います。SSでこう思うわけですから、やはり文章というのは難しいなと感じながら今回も投稿させていただきます。

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