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31~40

少年が美少女をかけて男の戦いに挑む!?

そしてついに女僧侶が旅に出る!

31

女僧侶「なんで少年君はあんなに落ち込んでるんですか?まさかもうイジメに?」

勇弟「いや、美少女に彼氏が…」

女僧侶「あら、あの子は少年君の事が好きだとばかり思ってたんだけど」

勇弟「そうなんです。そのガキ大将が勝手に言ってるだけなんだけど、それ聞いてから何言っても耳に入らないみたいで…」

女僧侶「本当に付き合ってはいないのね」

勇弟「美少女ちゃんがずっと違う、って言ってるのにずっと無反応で…逆に美少女ちゃんがかわいそうでしたよ」

女僧侶「まあそのうち治るでしょう…それより学校はどうでしたか?」

勇弟「楽しかった!」

女僧侶「そうですか」ニコ

勇弟「少年君が復活すればもっと楽しいんだけどなー」

女僧侶「ふふ」


次の日、学校

美少女「おはよう」

少年「…」

勇弟「お、おはよう。ちょっと、少年君…」

美少女「…」シュン

ガキ大将「お、美少女おはよー。こんな奴ら置いといて行こうぜー」

美少女「でも…」

少年「あぁああ!おい、美少女の彼氏!」

ガキ大将「なんだ?」

美少女「だから、違うって…」

少年「美少女をかけて勝負だ!」

ガキ大将「…いいだろう」ニヤ

美少女「あの…私の意見は…」

少年「…でも何で勝負しよう?」

ガキ大将「相撲で勝負だ!」

少年「望む所だ!」

美少女「…勇弟君」

勇弟「ああもう…え?」

美少女「私のために争わないでっ!って言うべきなのかな?」

勇弟「…好きにすればいいと思うよ」

ガキ大将「じゃあ、負けた方は美少女に近寄るの禁止な」ニヤ

少年「望むところだ!行くぞ!」ダッ

美少女「え…」

ガキ大将「おらっ!」

少年「うわっ!」ドスン

勇弟「よわっ」

ガキ大将「はーっはっは。思ったより弱かったなー、行こうぜ美少女」グイッ

美少女「…」トボトボ

少年「…ちくしょう」

勇弟「勝負になってなかったね…どうするの?」

少年「勝つまで修行する!」

勇弟「そっか。でも学校はちゃんと行こうね。終わったら修行に付き合うから」

少年「おう!」


教会

女僧侶「なるほど…」

勇弟「それで、勝つまでは美少女に近寄れないんだけど…」

女僧侶「それは、美少女ちゃんがかわいそうね…」

勇弟「うん…もうずっと泣きそうな顔で少年君を見つめてて」

女僧侶「で、修行って何するんですか?」

勇弟「さぁ?何か明日の放課後から師匠の所に通うって言ってたけど」

女僧侶「そうですか。勉強はどうです?」

勇弟「楽しいです!ちょっとわからない所が多いけど…そういえば少年君、昨日はやる気なかったんだけど、今日はすごかったです!頭いいんですねー」

女僧侶「うふふ。勇弟君も頑張りなさい」

勇弟「うん!」


次の日、放課後

少年「たのもー!」

勇弟「また怖い所に…」ビクビク

盗賊親分「何だぁ?」ニタァ

勇弟「ひぃい!」



32

盗賊親分「相撲に勝ちたいだぁ?ガキの喧嘩に何故つきあわねぇといけねぇんだ」

少年「勝たないと美少女と遊べないんだ!」

盗賊親分「美少女?あの病院の子か?」ピクッ

少年「うん!…おじさん知ってるの?」

盗賊親分「ちょっとなぁ…わかった。勝てるように教えてやるよ。おい、盗賊3」

盗賊3「なぁんですかぁ?」ヌッ

勇弟「でかっ!」

盗賊親分「こいつに勝ってみろ。そうすればガキに負ける事なんざねぇだろ」

少年「わかった!」ダッ

勇弟「ちょっ…」

盗賊3「なんだよぉ」バシッ

少年「ぐあ!」ステーン

勇弟「何で何も考えずに突っ込むのさ…」

盗賊親分「相手がでけぇんだから正面から突っ込むんじゃねぇちょっとずらせ」

少年「わかった!」タッ

盗賊3「めんどくさいなぁ」パシッ

少年「ぐわ!」


次の日

盗賊親分「ズボンの前側をつかんだら手前に引いて腰を上げる!後ろ側をつかんだら向こう側に引いて体全体で押せ!」

少年「はい!」

盗賊親分「それだけで、力が無くても相手を動かすことができるはずだぁ」


次の日

盗賊親分「腰が高い!」

少年「はい!」


次の日

盗賊親分「もうテクニックはいいだろう。筋力もすぐには上げられねぇ。だから、100%出せる力を瞬時に出す練習だぁ」

少年「はい!」グッ

盗賊親分「もっと!」

少年「はい!」グッ

盗賊親分「もっと!」

少年「はい!」グッ


次の日

勇弟「…何故僕も一緒に…」バタリ

少年「とうとう盗賊3さんには勝てませんでした…」

盗賊親分「当たり前だぁ。こんなでかい奴に勝てるわけねぇだろ」

少年「…」

盗賊親分「しかし、バカでけぇ奴とやって、度胸はついたはずだぁ。本番で尻込みしてたらいくら鍛えても勝てねぇ」

少年「たしかに…美少女の彼氏はこんなにでかくない…」

盗賊親分「そっちのガキとやってみろ。教えたテクニックを使ってなぁ。そっちのガキはテクニックは使うなぁ」

勇弟「は、はい」

少年「行くぞ!」ダッ

勇弟「!?」


次の日、学校

美少女「…」

ガキ大将「でさー」ペラペラ

美少女「そう…」

ガキ大将「…」

少年「おい、美少女の彼氏!勝負だ!」

美少女「!」パァ

少年「行くぞ!」

ガキ大将「返り討ちにしてやる!」

少年「うぉお!」グイッ

ガキ大将「な!?(こんなに力強かったか?)」

少年「ズボンをつかんだ!」グイッ

ガキ大将「うぉ!」

少年「うぉおおお!」

ガキ大将「うぁああ!」ドスン

少年「やった!勝てた!」

美少女「やった」

ガキ大将「チッ…これで彼氏はお前だ。負けを認めるぜ」

少年「彼氏?それはお前だろ?俺は美少女と遊びたいだけだ」

ガキ大将「は?」

美少女「は?」

少年「俺は近寄るな、とはいわねぇぜ。お前が遊びたかったら混ぜてやるよ!」

ガキ大将「…」

少年「お前も友達だな!」

ガキ大将「は、はぁ…」

勇弟「呆れて物が言えないよ」

ガキ大将「でも、彼氏はもうあきらめるぜ。俺と居ても美少女は楽しくなさそうだもんな!」

美少女「ごめんなさい…」

ガキ大将「俺は空気が読めるからな!そこのアホと違って」

少年「誰がアホだ!」

美少女「ううん。アホ」

少年「え!?」

勇弟「アホだと思うよ。ごめん」

少年「皆してひどくね!?」


教会

女僧侶「そうですか。美少女ちゃん、気の毒に…」

勇弟「うん。あれは無い、と思ったよ」

女僧侶「でも体の大きな子に勝つなんてすごい子ね」

勇弟「うん!修行の成果だよ!」

女僧侶「修行…勉強…積み重ねれば最初はできなくてもきっと身になります。勇弟君も頑張ってね」ニコ

勇弟「うん!」


病院

女医「あれ、最近ずっと元気なかったのに今日は笑顔ね。いいことあったの?」

美少女「うん」

女医「そっかー」

美少女「頑張るって大事なんだな、って思った」

女医「そうね。あきらめないで頑張り続ける事ができれば、大抵の事は成し遂げられるわよ」

美少女「私も頑張って魔法を覚える」

女医「魔法使いになりたいの?ゴホッ」

美少女「大丈夫?」

女医「ごめんね。ちょっとむせただけ」

美少女「魔法使いになって、火とか水とか出せばここの手伝いができる」

女医「普通、手伝いたいなら僧侶とか薬剤師とか、医者を目指すと思うんだけど」

美少女「僧侶は怪我しか治せないし、女僧侶さんがいる。それに教会に行かないといけないからここにはいれない。薬剤師も医者も、女医さんがいるから必要ない」

女医「そう…」

美少女「魔法使いの魔法は魔物を倒すためだけのものじゃないと思う」

女医「なるほどねー。まあ、成長を楽しみにしてるわよ」

美少女「うん」

女医「!?はっ…はっ…」ガタッ

美少女「女医さん!?」



33

看護師「どうしました!?なっ…女医さん!」ダッ

女医「はぁっ…はっ…」

美少女「私と一緒…看護師さん、注射を!」

看護師「美少女ちゃんの!?でもあれは…」

美少女「早く!絶対大丈夫だから!」

看護師「わかったわ!」タッ

美少女「女医さん…」ジワッ

女医「はぁっ…はぁっ…」


女医の部屋

女医「…」スースー

看護師「効いてよかった…」ホッ

美少女「でも、それが効いたという事は…」

看護師「そうね…」

美少女「何で…」


次の日、病院

少年「美少女ー!遊ぼうぜー!」

美少女「ごめん、遊べないの」

少年「え?今日学校休みじゃん。何で?」

看護師「お願いがあるの…」

少年「え?」


教会

女僧侶「…わかりました。すぐにあの洞窟に行きましょう」

少年「うん!もちろん俺も!」

女僧侶「はい。あのお花をもらうにはあなたの協力が必要です…」

勇弟「ぼ、僕も行きます!」

少年「勇弟は危ないから来るなよ」

勇弟「僕も、女医さんを助けたい!」

女僧侶「勇弟君もいきましょう。前のように内緒でついてこられる方が危ないですから」

少年「わかった!勇弟、準備しようぜ!」

勇弟「うん!」

女僧侶「(それに、いつか戦いの渦に巻き込まれるのなら、今のうちに少しでも強く…)」

女僧侶「はい」


教会の外

女僧侶「さあ、行きますよ…ん?」

美少女「…」

少年「美少女!絶対取ってくるからな!待っててくれ!」

美少女「…」

勇弟「美少女ちゃんどうしたの?」

美少女「私も行く…」

少年「危ないって!」

美少女「私だけ助けてもらってばっかりは嫌!女医さんを助けるの!」

少年「!?」

女僧侶「怖い魔物がいっぱい出てきますよ?それでもいきますか?」

美少女「…行く」

女僧侶「では、行きましょう」

少年「え!?」

女僧侶「少年君が美少女ちゃんを守ってあげれば問題ないですよ」ニコ

少年「俺が…守る…?…わかった!」

美少女「よろしく」

女僧侶「さて、あとは用心棒に依頼にいきますか」


盗賊の家

盗賊親分「最近よく来るなぁ…」ニタァ

美少女「こんにちわ」ペコリ

盗賊親分「よぉ、嬢ちゃん」ニヤァ

少年「盗賊さん!俺相撲に勝ったよ!」

盗賊親分「おう、よかったなぁ」

女僧侶「すっかり子供になつかれてますね」ニコ

盗賊親分「うるせぇ。んで、何の用だぁ」

女僧侶「実は…」


説明後

盗賊親分「そうか。しかしあの洞窟は厄介だからなぁ。おい、盗賊1」

盗賊1「はい」

盗賊親分「俺と一緒にこいつらの用心棒だぁ。準備しろぉ」

盗賊1「わかりました」

女僧侶「いいのですか?」

盗賊親分「かわいい弟分達が困ってるんだぁ、手ぇ貸さねぇわけにはいかねぇだろぉ」

少年「お願いします!」

勇弟「します!」

美少女「します」

女僧侶「もう盗賊としての凄味がまったく見えませんね」ニコ


洞窟内

盗賊親分「ふぅん!」ブンッ

盗賊1「シャッ!」シュンッ

蝙蝠「キィ!」バタッ

大蜥蜴「ギャアッ」バタッ

女僧侶「おお、さすが元盗賊」パチパチ

盗賊親分「お前、さっき盗賊に見えねぇとか言ってなかったかぁ?」

少年「はぁ!」シュンッ

勇弟「えい!」ポコッ

蝙蝠「ピキィ!」バタッ

盗賊親分「あっちのガキ共もやるじゃねぇか…ブーメランと木の棒でよくここに来たな」

女僧侶「(…おかしいな。勇者様は最初攻撃あてられなかったのに。意外と当たるものなのかしら。試に…)」シュッ

蝙蝠「ピキィ!?」バシュン

盗賊親分「石!?」

女僧侶「(…あの勇者どれだけレベル低かったのよ)」

盗賊親分「しかし、これから先行くには暗すぎるな」

女僧侶「そうでした…準備を忘れてました」

盗賊親分「前はどうやって行ったんだぁ?」

女僧侶「勇者様の炎魔法で松明を作って…」

美少女「炎魔法…」ボォッ

少年「おお、美少女すげぇ!」

美少女「…維持できない」フッ

少年「そっかー。燃やす物があればなー」

美少女「ごめんなさい…」

盗賊親分「おい、盗賊1ぃ」

盗賊1「…わかりました。炎魔法」ボォッ

盗賊親分「奥まで維持できるなぁ?」

盗賊1「多分」

盗賊親分「じゃあ、行くかぁ」

女僧侶「あの人魔法が使えたんですね。ただの雑魚かと思ってました」

盗賊親分「魔法使いとしてはいい線いってるんだがなぁ。盗賊に入って、魔法は盗賊っぽくないとかって使わないようにしてるらしい」

女僧侶「盗賊に入らなくても生きる道あったでしょうに…」

盗賊1「俺は親分のために生きるって決めましたから。それが盗賊だろうと奴隷だろうと…」

女僧侶「あなた本当に盗賊やってこれていたんですか?悪いことしてた人がもつ人望とはとても思えませんが…」

盗賊親分「…うるせぇ」


洞窟奥部

熊「ぐるる…」

盗賊親分「やっかいなのが出てきたな」

少年「やぁ!」ブンッ

熊「ごぁああ!」シュッ

盗賊親分「刺激すんじゃねぇ!」キィン

少年「ごめんなさい…」

盗賊親分「ちょと時間かかるかもなぁ。お前らは先行くか?」ニヤァ

盗賊1「いえ、すぐに終わらせましょう」

盗賊親分「お前手ぇふさがってんじゃねぇかぁ」

盗賊1「美少女ちゃん、少しだけ炎魔法を頑張っていて下さい」

美少女「わかりました」ボオッ

盗賊1「よし…爆裂魔法!」バァン

熊「ごぁ!?がぁあああ!」バタッ

盗賊1「とどめをお願いします」

盗賊親分「よくやったぁ」ザシュ

熊「」

美少女「はぁ…はぁ…」

盗賊1「ありがとう」ナデナデ

美少女「…」コクリ

熊「がぁ!」ムク

盗賊1「まだ生きてる!」



34

勇弟「えぇい!」ボコッ

熊「がぁ!?」バタリ

少年「やったな!」

勇弟「えへへ。危なく最後まで何もしない所だった」

盗賊親分「おい、木の棒で熊を気絶させたぞ」

女僧侶「将来有望な子たちですから」ニコ

盗賊親分「現時点ですげぇだろ」

少年「あ、扉あったよ!」

盗賊親分「開けるかぁ」

女僧侶「開けられるんですか?」

盗賊親分「盗賊2にピッキング教えたの誰だと思ってんだぁ」カチャカチャ

美少女「…」

少年「もうすぐ女医さん助かるな」ニッ

美少女「うん」

盗賊親分「開いたぞぉ」

女僧侶「では、少年君だけ中に。大人が中に入ったら殺されますから絶対に入らないように」

少年「わかった」タッ

美少女「私も行く」タッ

勇弟「じゃ、じゃあ僕も!」タッ

女僧侶「…全員行っちゃいました」

盗賊親分「子供なんてそんなもんだろぉ。大人の言う事なんて聞きやがらねぇ。コントロールしようとしてもできねぇもんだ」

女僧侶「…託児所とかやったらどうですか?」

盗賊親分「うるせぇ」

盗賊1「親分がやるなら…俺は保育士でも…」クッ

盗賊親分「うるせぇぞ」

女僧侶「出てきました…」

白魔物「…」ブゥン

少年「あ、出た」

白魔物「こどもすき」

少年「ねぇ」

白魔物「へんじ」

少年「この前くれたお花頂戴」

白魔物「あげない」

少年「え」

白魔物「あげたい」

美少女「女医さんが病気なの!あれがないと治らないの!お願い…」グスッ

白魔物「あげられない」

少年「何でだよ…」

勇弟「…もう、無いんじゃないかな?」

白魔物「わたしはやくたたず」

少年「じゃあどこに行けば取れるのか教えてよ!」

白魔物「どこにも」

少年「そんな…」

美少女「女医さん…」ヘタ

白魔物「けんじゃ」

勇弟「賢者?」

白魔物「くれる」

少年「賢者はどこにいるの?」

白魔物「とおく」

少年「どこ!」

白魔物「わかりたい」

少年「知りたいんだよ!」

白魔物「おしえて?」

少年「そうだよ!」

勇弟「知らないんじゃないかな…」

白魔物「あやまる」

美少女「…ありがとう」

白魔物「ごめん…なさい」シュンッ

少年「あっ…」

勇弟「帰ろう…」



35

病院

看護師「そんな…」

盗賊親分「で、どうすんだぁ?賢者とやらを探すしかなさそうだぜぇ」

少年「行こうよ!」

勇弟「でも…どこにいるかわからないよ」

少年「探すんだよ!」

盗賊親分「それはガキどもの仕事じゃねぇなぁ」

少年「じゃあ…」

女僧侶「そうですね。探してお花をもらわないといけません。私が行きます」

少年「俺も!」

美少女「わ…私も!」

女僧侶「学校はどうするんですか?」

少年「帰ってきてからでいいじゃん」

女僧侶「その頃には大人になっているかもしれませんよ?」

少年「…」

女僧侶「大きくなって立派な大人になるために、あなた達は残って学校へいきなさい」

少年「また…置いてくんだね」

女僧侶「ごめんなさい」ナデナデ

美少女「私は…勉強しながら探します…」

女僧侶「女医さんの面倒を見なくていいのですか?」

美少女「…」

女僧侶「私と旅をして立派な魔法使いになれるとは思えませんし、もし女医さんが元気になった時にあんまり成長してない美少女ちゃんを見たら悲しむと思いますよ?」

美少女「…」ギュッ

勇弟「じゃあ僕が…」

美少女「勇者様が信頼して教会に置いてくれたんです。絶対に連れていけません」

勇弟「うう…」

盗賊親分「決まったなぁ。俺らも手伝うぜぇ」

女僧侶「ダメですよ?あなた達が作るお野菜はこの村にとって欠かせないものとなるでしょう。あなた達が旅に出たら誰がお野菜を作るんですか」

盗賊親分「…お前はいいのかぁ?」

女僧侶「私の仕事は掃除やお祈りしかありません。神父様やこの子達がいますから」ニコ

看護師「でも…」

女僧侶「それに僧侶の仕事は困っている人を助ける事です。今やらなければ、仕事放棄になってしまいます」

看護師「そうですか…よーし!私も薬剤師の勉強がんばろーっと!女僧侶様が持ってきてくれたお花をお薬にしないといけませんからね!」

女僧侶「女医さんのために、皆ができる事をしましょう」ニコ

美少女「わかった…私、お勉強も女医さんのお世話も、看護師さんのお手伝いも頑張る…」

勇弟「じゃ、じゃあ僕も勉強と教会の手伝いして…病院も守る!」

少年「…」

盗賊親分「ところで女医は発作以外では普通に暮らせねぇのか?」

看護師「大人には症状が大きくなるようで…目は覚ましますが、ベッドから降りたりすることはできません」

女僧侶「では病院を続ける事ができませんね…」

看護師「そうですね…」

盗賊親分「暮らしはどうすんだぁ?」

看護師「そうですね…」

村長「大丈夫じゃ。わし等が援助するぞ」

看護師「村長様!?」

村の婆さん「今までお世話になったからのぅ。治るまで村の皆で交代で世話に来ることにしよう」

盗賊1「村長に理由を話して、連れてきました」

盗賊親分「そうか」

盗賊1「そしたら…村中の人達がついてきましたけど…」

長老「でも、村で病人が出たらどうしようかの」

馬子「俺が隣村の病院まで運んでやるぜ。どうせ仕事はこの村の中の荷物の移動だけだしな」ヒック

女僧侶「病人が死んじゃいます」

馬子「もちろん安全運転だぜ」ヒック

女僧侶「信用してほしかったらせめてその手の酒瓶をおろして下さい」

看護師「みなさん…ありがとうございます」ペコリ

美少女「…」

女僧侶「女医さん、人気者ですね」ニコ

美少女「…はい」グス



36

教会

女僧侶「では、行ってきます」

神父「気を付けて、すぐに帰ってきなさい」

女僧侶「それは…」

神父「あなたが返ってくるまで掃除しませんから」

女僧侶「はぁ?」

神父「女僧侶の旅に神のご加護があらんことを…」

女僧侶「…少年君は?」

神父「…さぁ?朝からいませんね。勇弟君も」

女僧侶「…そうですか。怒っちゃいましたね」

神父「あなたの事が好きだからでしょう。…初めて私と会った時の自分と比べてどうですか?」

女僧侶「…こんなに人と繋がるなんて想像もできませんでした。絶対に切りたくない絆の糸がこんなに沢山」

神父「そうですか。では、あなたは頑張って女医さんを救いなさい。その糸はずっと切れずにずっと待っていてくれますから」

女僧侶「はい」ニコ

神父「お行きなさい」ニコ


いつ帰るかわからない

だから今言います

あの時私を救ってくれて

大切な絆を沢山作ってくれて

この笑顔を私に与えてくれて


女僧侶「今までありがとうございました」ペコリ


村の入り口

盗賊親分「よぉ」

女僧侶「お見送りですか?」ニコ

盗賊親分「いつもニコニコ問題ない風にしてるけど、昨日の事でちょっと言いたい事があってなぁ」

女僧侶「はい?」

盗賊親分「世の中には大した仕事してなくても、誰かの助けになるやつがいる。世の中には何もしなくても誰かを笑顔にする奴がいる。不思議なことになぁ」

女僧侶「…」

盗賊親分「何故か掃除やお祈りしかしてないのに村の婆さんを元気にしたり、子供達を幸せにするお前は俺から見たらその不思議な奴の一人だぁ」

女僧侶「…」

盗賊親分「理由があるのかもしれんが、あんまり自分を過小評価すんなぁ。それだけだぁ。じゃあな」ザッザッ

女僧侶「…」ペコリ

盗賊親分「…」

盗賊1「え、もういいんですか?もっと旅の無事を祈ったり、励ましたり…」

盗賊親分「それはあいつらの仕事だぁ。俺らは野菜つくんぞぉ。あいつにガッカリされないようになぁ」

女僧侶「さて、行きますか」

勇弟「僧侶さーん!」

女僧侶「?」クルッ

パーン

女僧侶「花火!?」

ガキ大将「一発だけだからな!うちの花火タダで打ち上げやがって!」

少年「いいじゃんか。お前の父さんがいいって言ってくれたんだから!」

女僧侶「…」

少年「あ、おねーちゃーん!俺学校ちゃんと行って立派になるから!それでまだおねえちゃんが旅してたら連れてってくれよな!」

女僧侶「…」コクリ

勇弟「僕も!その頃にはお兄ちゃんに心配されない位強くなってるから!また僧侶さんのご飯食べさせて下さいねー!」

女僧侶「グスッ」コクリ

美少女「お勉強がんばって、立派な魔法使いになります…その時には僧侶さんの手伝いも…したいです!」

女僧侶「ッ…ヒック」コクリ

少年「まあ、俺達が手伝わなくてもいいように、早く帰ってこいよなー!」フリフリ

女僧侶「…はいっ」グス

村人「女医さんを救ってくれー!」

村人2「早く帰ってこいよー!」

村人3「また愚痴聞いてねー!」


教会

村の爺さん「いい弟子を持ったのぅ」

神父「…そうですね」

村の爺さん「寂しいじゃろう」

神父「ふふ。また会えますから。あの子もきっと大丈夫でしょう。それに…」

村の爺さん「それに?」

神父「あの子はもう、糸の紡ぎ方を知っていますから。この旅でも沢山の糸を紡ぐでしょう。そして、きっとそれをつないで一本の丈夫な糸に…」

村の爺さん「神父様の話は難しくて、何言ってるかわからんのう」

神父「ふふ。あの子はすごい子…っていう事ですよ」ニコ



37

女僧侶「さて、村を出たのはいいのですが、どこへ向かいましょう…」テクテク

女僧侶「とりあえず隣の村へ行きますか。情報収集をしなくては」テクテク


隣の村

女戦士の母「あら僧侶様!またこの村にいらしていたのですね」

女僧侶「お久しぶりです」ニコ

女戦士の母「あの子も会いたがると思いますので家に来ませんか?」

女僧侶「お邪魔します」ニコ


女戦士の家

女戦士の母「さ、上がってください」

女僧侶「お邪魔しまーす」

女戦士「僧侶様?!お久しぶりです!」ギュウー

女僧侶「ぎゃあああ!死ぬ!死ぬ!」

女戦士「あ、ごめんなさい」パッ

女僧侶「ごほっ…ごほっ…お、お久しぶりです。変わらず元気そうですね」

女戦士「はい!僧侶様はどうしてここに?」

女僧侶「実は…」


事情説明後

女戦士「…賢者。ちょっとわかりませんね…」

女僧侶「そうですか…」

女戦士の母「病院なら、この村の病院を使うといいでしょう。村長様とお医者様には私から事情を話してスムーズに受け入れられるようにお願いしておきます」

女僧侶「ありがとうございます。本当に助かります」

女戦士「一人旅…大変じゃないですか?」

女僧侶「まだ始めたばかりですから、何とも…これから実感していくのかもしれませんね」ニコ

女戦士「…」

女戦士の母「女戦士、お手伝いする?」

女戦士「!…でも」

女僧侶「戦士さんはいろいろとここでする事がありますよね?」

女戦士「はい…村を守りたいし、戦士君も待ちたいし…」

女戦士の母「あら、夜になるといつも泣いてるじゃない。戦士君と会いたいーって。ならいっそ探しに行っちゃいなさい」

女戦士「なっ!」カァッ

女僧侶「それは恥ずかしい…というか立ち直ってなかったのですね」

女戦士「聞かれてたなんて…」

女僧侶「でも、旅に出るとお母さんは一人になってしまうのでは…」

女戦士の母「あら?そんな事ないですよ?」

女僧侶「へ?」

ガチャッ

女戦士の父「うぃー。帰ったぞー」

女戦士の母「あら、お帰りなさい」

女僧侶「でかっ」

女戦士の父「誰だ?あんた」

女戦士の母「戦士ちゃんを救ってくれた僧侶様ですよ」

女戦士の父「ああ、あんたが。ありがとな!がっはっは」

女戦士の母「この人がいるから私は大丈夫ですよ。ふふ。戦士ちゃん、お礼はちゃんとしないと」

女僧侶「…ちょっとした魔物からなら村も守れそうな位強そうですしね…」

女戦士の母「強いですよ。うふふ」

女戦士の父「なーに言ってんだ?」

女戦士の母「実は…」


説明後

女戦士の父「行って来い行って来い。がっはっは」

女戦士「ちょ…お父さん!」

女戦士の父「僧侶さん、更にご迷惑をおかけしますが、この気弱な娘を鍛えるためにも連れて行ってやってくれませんかね?」

女僧侶「…私の旅は危険かもしれませんよ?」

女戦士の父「図体だけ立派になって中身が情けねぇ娘を鍛えるには危険な方がいいですわ。がっはっは」

女僧侶「わかりました…後は女戦士さんが決断するだけですね」

女戦士「…わかりました。では僧侶様の手伝いと戦士君を倒すために、私を旅に連れて行って下さい」

女僧侶「よろしくお願いします」ニコ

女戦士の母「戦士ちゃん、がんばってね」ニコ

女戦士の父「ちゃんと婿呼び戻して来いよ。がっはっは」

女戦士「お父さん!」カァッ


女戦士の家の外

女戦士「…ごめんなさい。お邪魔にならないでしょうか」

女僧侶「そんなことないですよ。一人だと心細かったですし」ニコ

女戦士「そうですか。長い旅かもしれませんが、よろしくお願いします!」

女僧侶「ふふ」ニコ

女僧侶「それにしても…何もない村と思っていましたが、綺麗で大きな桜の木ですね」

女戦士「この村の唯一の名物ですよ、ふふ。この木の下で剣士君をボッコボコにしたんですよ」

女僧侶「そ、そうですか…」

女戦士「そして剣士君は修行の旅に…うわーん」

女僧侶「思い出さなくていいですから!」

女戦士「そうだ…旅に出る前に会わないといけない人達が」

女僧侶「誰です?」

女戦士「剣士君の家族です」



38

女僧侶「え、剣士様のご家族に成り行きを説明してないんですか?」

女戦士「はい…引きこもってたら謝るタイミングを完全に逃しました…」

女僧侶「…」


剣士の家

女戦士「お邪魔します」

剣士の妹「…何しに来たのよ」

女戦士「お母さん…いる?」

剣士の妹「おかーさーん」

剣士の母「あら、戦士ちゃんいらっしゃい。今日はどうしたの?」

女戦士「剣士君の事で…」

剣士の母「あの子ったら…家出なんかしていつ帰ってくるのかしら。戦士ちゃんにも心配かけて…」

女戦士「あの…そのことで謝らないといけない事が…」

剣士の母「え?」


事情説明後

剣士の母「そうだったの…」

女戦士「はい。ごめんなさい」

剣士の母「いいのよ。戦士ちゃんはあの子の事を思ってしてくれたことだし、旅に出たのはあの子の意思ですもの」

女戦士「絶対に連れて帰ります…」

剣士の母「うふふ。一緒に帰ってきたときには二人の仲がもっとよくなっているとお母さん、うれしいわぁ。そうね、恋人とか?」

女戦士「…恋人」プシュー

剣士の妹「お母さん!何で許せるのよ!そいつのせいでお兄ちゃんが!」

剣士の母「あら、妹ちゃんは剣士君の事が大好きだから嫉妬しちゃって~。お兄ちゃん離れしないとダメよぉ」

剣士の妹「やだ!お兄ちゃんをそいつに取られたくないもん!」

女僧侶「(あれ?話の流れがおかしい?)」

剣士の母「兄妹で結婚できないのよぉ?」

剣士の妹「うっ…でも…」

剣士の母「戦士ちゃんがおねえちゃんになる方が、他の人と結婚するよりも妹ちゃんと剣士君の仲を許してくれるかもしれないわよ?」

剣士の妹「本当…?」

女僧侶「(単純…まあまだ小さい子だからか…)」

女戦士「結婚…剣士君と…」ボー

女僧侶「ほら、うなずいちゃってください」ボソッ

女戦士「はっ…!」コクリ

剣士の妹「わかった!許す代わりに、私もお兄ちゃんのこ…恋人になることを認めなさい!」

女戦士「え…え?」

女僧侶「それでは、わだかまりも解けたようで、そろそろ旅に出ますね」ニコ

剣士の母「はい、お気をつけて。無事に旅を終えてくれることを願ってますわ」

剣士の妹「が、がんばりなさいよね!」

女戦士「は、はい!」


剣士の家の外

女僧侶「案外簡単に終わりましたね。もっと追究されるかと思いました」

女戦士「何故私が剣士君と結婚をして、妹ちゃんが剣士君の恋人になる事を許可する、という話に…?」

女僧侶「いいじゃないですか」ニコ

女戦士「えぇ…」

女僧侶「その、妹ちゃんの単純さとお母様のおおらかさのおかげで快く旅を始めることができるのですから」ニコ

女戦士「結婚前から旦那様の近親不倫を認めるのって…」

女僧侶「(あとの話の拗れはそちらで処理を…)」

女戦士「って…まだ付き合ってもないし…(剣士君と結婚…剣士君と結婚…)」グルグル

女僧侶「ちょ」

女戦士「あ!またってそういう意味じゃ…あわわわわ…」バターン

女僧侶「もうっ!勝手に妄想して気絶しないでください!」

女戦士「」

女僧侶「戦士さんの家に戻って少し休ませてもらいますか…」

女戦士「剣士君…へへ」ウーン

女僧侶「幸せそうな顔を…ちゃんと剣士様のご家族に報告できて安心したのでしょうか」

女戦士「むにゃ」



39

女僧侶「さて、どこへ行きましょうか」

女戦士「うーん」

女僧侶「剣士様を追って北の町へ行ってみますか?もういないかも知れませんが」

女戦士「はい、そうしましょう!」


道中

女戦士「はぁ!」バシュ

女僧侶「おぉ、やはり強いですねー」

女戦士「えへへ…剣士君のために必死で鍛えたんです。あ、体格は血筋ですけど…」

女僧侶「…!後ろ!」

魔物「ごぁああ!」

女戦士「!?」

女僧侶「危ない!」ブンッ

魔物「ぎゃあ!」バタッ

女戦士「え…投石?」

女僧侶「えへへ…小さい頃よく練習したんです…お友達に負けないように遠くまで飛ばせるようにって…」

女戦士「遊びのレベルじゃ無いような…貫通してますし」

女僧侶「うふふ」

女戦士「僧侶様といったら風魔法ですよね?使わないんですか?」

女僧侶「なるべくMPは回復に回した方がいいかなぁって…」

女戦士「なるほど!なら私がもっとがんばらないと!」グッ

女僧侶「…!後ろ!」

魔物「ごぁああ!」

女戦士「!?」

女僧侶「危ない!おらぁ!」バキィ

魔物「ぎゃあ!」バタッ

女戦士「…前職武道家か何かでした?」

女僧侶「僧侶一筋ですけど」ニコ

女戦士「そ、そうですか…お強いんですね…」

女僧侶「そんなことないですよ?」ニコニコ

女戦士「あ、あはは…(私、あまり必要なかった?)」


北の町

女僧侶「ほえー。さすが町!大きいですねー」

女戦士「町としては小さい方だと思いますけど…」

女僧侶「さすが都会…」

女戦士「いや、田舎町…」

女僧侶「…なんかそこらじゅうの人に見られてる気がします…」キョロキョロ

女戦士「いえ、人が少し多いだけで、誰もこちらは見てないと思いますけど…」

女僧侶「と、とりあえず剣士様が向かったであろう道場を探しましょう!こんなに広いと苦労しそうだなー!」

女戦士「あ、あれじゃないですか?すぐ見つかりましたね」

女僧侶「」



40

女僧侶「うっ…汗臭…」

道場主「入るなり失礼な」

女戦士「道場主さん、お久しぶりです!」

道場主「戦士か!久しぶりだな!欠かさず訓練してるか?」

女戦士「はい!」

女僧侶「知り合いなんですか?」ヒソ

女戦士「あ、小さい頃ここの道場に通ってまして…」

女僧侶「な!ではさっきまで私の事を田舎者のようにバカにしてたのは、この町の事を知っていたから…」

女戦士「えへへ。ごめんなさい…ちょっと面白くて…」

女僧侶「人間不信になりそうです…」

女戦士「ああ…ごめんなさい」

道場主「なんだ!元気がないな!元気を出すためにお前達も訓練していくか?1日だけならタダでやらしてやる!」

女僧侶「私僧侶なので…」

女戦士「やります!久しぶりだなー!」

女僧侶「えぇ…」


訓練後

女戦士「疲れたー!」

道場主「お前強くなったな。もう少ししたら俺では勝てないかもしれん」

女戦士「何言ってるんですかー。全然歯が立ちませんでしたよ!」

道場主「…まあいい。それより、あの連れは何者だ?うちの門下生の誰も勝てなかったぞ」

女戦士「あの人は特別なので…一応僧侶なんですけどね」

道場主「僧侶!?もったいない!武道家に転職するべきだ!」

女戦士「多分皆そう思ってるんですけどね…」

道場主「スカウトしてくる!」ダッ

女戦士「あ、やめたほうが…」

ギャー!

女戦士「道場主さんのあんな姿見たくなかったな…」


道場主の手当て後

道場主「本当にうちの門下生にならんか?あ、うちは武道だけじゃなくて武器を使った訓練もしてるからその辺りは心配ないぞ!道は武道家だけじゃない!」

女僧侶「しつこいですね。もう一発いきますか?ただでさえ疲れててイライラしてるのに…」オ?

女戦士「ちょっと我慢してください…話が進みませんから」

女僧侶「そうでした」

道場主「話?そういえばお前達何しに来たんだ?」

女戦士「剣士君が!ここにきませんでしたか?」

道場主「剣士君…?」

女戦士「あ…そうか。修行の旅に出てる剣士なんですけど」

道場主「おお、来たぞ。筋がよかったなぁ」

女戦士「本当ですか!」

道場主「ここから西へ行った、武術の町で行われる武術大会に参加するために俺の娘と出て行ったぞ」

女戦士「え…」

道場主「いやー。あんなにいい弟子もいないから、娘の婿にと思って、先に二人で出発させたのだ。そこまですればあの奥手な二人も…」

女僧侶「ちょ…この子剣士様の事を好いて…」

道場主「ん?そうなのか?」

女戦士「剣士君が女の子と二人きり…剣士君がとられちゃう…剣士君と結婚できない…」

道場主「…女戦士よ。欲しいものは勝ち取るべきだと俺は思う」

女戦士「え?」

道場主「あの二人もまんざらでもない様子だが煮え切らんところもあるし、進展しないなら強い思いを持つお前が剣士を奪うというのも有りだろう」

女戦士「といいますと…?」

道場主「お前達も武術の町の大会に出たらどうだ?」

女僧侶「達ってなんですか?」

女戦士「そこでその子に勝てれば…」

道場主「残念だが、俺はお前達の仲を認めよう」

女僧侶「おい。私は出ないぞ」

女戦士「…わかりました。剣士君の気持ちはどうだ…とか、根本的な解決になってはいない気がしますが、私、出ます!」

女僧侶「聞いてんのか」

道場主「がっはっは。強者が増えた方が大会も面白くなる!二人共強いからな!」

女僧侶「おらぁ!」ドゴ!

道場主「ぐぶっ!」バタ

女戦士「道場主さん!?」

女僧侶「次の目的地が決まりましたね」ニコ



続く

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