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涙の雨

作者: 秋野

  涙の雨


ある日、一人の少女が学校で突然大声で泣き始めた。先生がなを言っても、親が来ても、一向に泣き止まなかった。


一日たっても泣き止まず、2日たっても泣き止まなかった。そして、その母親まで泣き出し、ついには家族全員が泣きだした。


そして、その家には一日中、泣き声が響いた。


早朝でも、夜中でも。


学校では、またもう一人、大声で泣き始めた子が出た。


その子は男の子で、滅多に 泣かない子なので、さすがにみんな心配した。しかし、何も打つ手がなかった。


そして、その家までもが涙に取り憑かれた。


そして1年半後。


日本の大半の人が泣き続けた。


悪夢のようだった。


勿論、みんな泣き続けていれば、経済が回るはずもない。


そしてついに、国家が動き出した。


各研究機関に働きかけ、号泣の解明に急いだのだ。


心理学からのアプローチでは全く成果が挙げられなかった。むしろ謎は深まるばかり。


細菌やウイルスによる病気の可能性も指摘されたが、なかなかその細菌やウイルスは発見されなかった。


そしてそれから半年。


ついに一番目の事例を発見した。


あの少女だ。


その頃になると、特別予算が作られていた。


「号泣対策予算」だ。


一番目の事例を発見したにもかかわらず、進展はない。


それからまた一ヶ月。


ついには人口は三百万人ほどにまでになっていた。


また、外国にまで事例が出た。


皆、泣き始めると数ヶ月で死んでしまう。


病死、熱中症、自殺、中には餓死まであった。


そしてついに、原因が分かった。


細菌だった。


脳の感情を司る部分に侵入し、犯すのだ。


そして、その細菌にはある特殊な性質があった。


周りと同化するのだ。


つまり、脳細胞と姿カタチを全く同じにできるのだ。


それが細菌の発見を遅らせた。


しかしもう泣き声は、世界に響きわたっていた。


細菌は飛沫感染によって感染する。


もう人類には、戦う気力もなかった。


いや、もう戦えなかった。


生き残りが少なすぎたのだ。




あれから五十年。


抗体を持った人類が、文明を捨て、細々と生きていた。


自然は息を吹き返し、動植物は確かに繁栄しつつあった。


そして、残りの人達は、雨がふるたびにこう言っていた


あれは人類の涙が蒸発してできた雲から降る涙の雨だ。


そして、地球の嬉し涙でもある。


あの時の人々の涙はそれまでに人類に苦しめられた、生き物達の涙であるのだ。


人々はもう笑わなくなっていた。


これが初めての投稿となります。書き方や文章におかしなところがありますが、どうか、許してください。また、今後の改善のためにもコメントしていただければ幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 泣くことが伝染するという発想がそれとなくツボでした。 [気になる点] 三行目の「一日たっても泣き止ます」 す? ず? なんか、「?」でした。 [一言] 全体的な雰囲気が好みで、すごく面白…
[良い点] こういうのが好き、続きが期待してるわ、まあ難しいけど、予想外の展開を待ってる [気になる点] ないね 最初だからなんとも言えない、百点
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